要注意!冠水した道路を走行するとどんな不具合が生じる?

●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
冠水時に道路を走行すると、車両自体に様々なトラブルが発生する可能性がありますが、具体的にどのような不具合が生じる可能性があるのでしょうか。
また、万が一冠水被害にあってしまった場合、身を守るためにどんな方法があるでしょうか。
冠水した道路を走行すると生じる不具合って?
冠水した道路を無理に通行した際に、最も直接的に生じる問題はエンジン/モーターの停止が挙げられます。これは、水がエンジンの燃焼室に入り込んでピストンの動きを妨げ、ショート/腐食を引き起こすことでエンジンが停止する事態を引き起こすためです。
また、水によって電子制御システムが損傷を受けた場合、エンジンの再始動ができなくなったり、パワーウインドウが作動しなくなるなど車内の電子機器に影響が出たりする場合もあります。
これらの電子機器は車内の安全と快適さに直結しているため、その機能喪失は深刻な問題を引き起こす可能性もあるでしょう。
さらに、冠水道路を走行するとハンドル操作が効かなくなり、モーターを動かすこともできなくなることによって、車両が流されてしまう危険性もあります。
冠水した道路を走行すると、クルマのエンジン・モーター等に多大な影響を及ぼす可能性もある。
なお、冠水の水位が低い場合でも運転には十分な注意が必要で、とくに高速での運転では”ハイドロプレーニング”現象が起こる可能性があります。
ハイドロプレーニング現象とは、濡れた路面を高速で走った際に、ハンドル/ブレーキがコントロールできなくなる現象です。
この状態になると、タイヤと路面との間の水膜によって車が浮いた状態となるため、タイヤのグリップが回復するまで車を操作できなくなります。
冠水被害に遭わないためには?また、冠水してしまった場合はどうすれば良いのか
激しい雨や台風が予報されているときは冠水の危険性が高まるので、そういった場合はできるだけ運転を避けるのがポイントです。どうしても運転しなければならない場合には、冠水している地域の情報をテレビ/インターネット/ラジオなどでこまめに確認することが大切です。
加えて、運転前に車両の状態もチェックしておきましょう。
定期的な車両メンテナンスは大切ですが、とくに雨季/台風の時期に入る前にはブレーキやタイヤ、ワイパーなどの点検をおこなうことが大切です。
定期的に周辺の天気を確認し、ゲリラ豪雨の恐れがないか知っておくことも大切だ。
そして運転時の冠水道路は、水面の反射や泥濁った水のために路面が見えづらくなります。したがって、水深や道路の端がわからないアンダーパスなどへの進入は避けるべきでしょう。
透明度の低い水面下の道路には、見えない溝や穴が存在することもあり、そこに車が取り込まれると脱出が困難になる可能性もあります。
「勢いをつけて通り抜けられるだろう」と過信せず、冠水した道路へは侵入しないようにしましょう。
また万が一冠水被害に遭った場合には、すぐに車内から脱出することが大切です。
冠水してすぐの段階であればドアを開けられる可能性があるため、シートベルトを外して落ち着いて脱出しましょう。
しかし、水面がドアの半分以上の高さを超えると外部からの水圧によってドアを開けることが困難になります。
そのような場合には窓を開けて脱出する方法を取りましょう。もしパワーウィンドウが動作しない場合には、脱出用ハンマーを使用し窓を割って脱出します。
脱出用ハンマーは窓ガラスを割って脱出する際に役立つため、緊急用の備えとして用意しておくべきアイテムといえます。シートベルトカッターが備わったものも販売されているので、所持していない人は一度カー用品店に足を運んで見ると良いでしょう。
なお、水が引いた後の車の取り扱いにも注意が必要です。
エンジン内部に水が残っているとさらなる損傷の原因となるため、すぐにエンジンをかけることは避けます。冠水被害に遭った際は仮に運転可能であっても、自動車整備工場等で点検整備を受けることが大切です。
冠水した道路を走行すると、エンジン停止/電子機器の故障/故障やサビの発生/車両が流されるといった深刻な不具合が生じる可能性があります。そのため、冠水路を無理に通行することは避け、安全なルートを選択しましょう。
また、万が一冠水被害に遭った場合は、速やかに車から脱出し安全な場所へ避難します。冠水被害にあった際にでも冷静に行動できるように、正しい知識を身につけておくことが大切なのです。
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