「ゾーン30」って何?なんのために整備されてる?

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●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.

近年、道路交通の安全対策として”ゾーン30″が注目されていますが、ゾーン30とは何なのか、その目的/効果について知らない人も多いのではないでしょうか。

名前だけは聞いたことある?「ゾーン30」とは

ゾーン30とは、生活道路における歩行者などの安全な通行を確保するための対策のひとつで、特定の区域(ゾーン)を定め、その区域内での最高速度を30km/hに制限するというものです。

警察庁の公表する情報によると、全国の交通事故(人身事故)発生件数は年々減少していますが、車道幅員5.5m未満の道路における交通事故の減少率は鈍化しています。

また令和4年中の交通事故死傷者数を見ると、車道幅員5.5m未満の道路での歩行者/自転車乗用中の死傷者の割合は、5.5m以上の道路の約1.8倍でした。

このような背景から、車道幅員5.5m未満の道路における交通事故を減少させるために取られた対策がゾーン30。生活道路での歩行者等の安全な通行を確保することで、事故率の低下を目的としています。

日本の都市部/住宅地には、多くの生活道路が存在します。

これらの道路は住民の生活の場としての役割を果たしており、子供たちの通学路/高齢者の散歩道として利用されていることも多いです。

ゾーン30が導入されている場所には、「ゾーン30」と大きく路面標示がなされている。

その一方で、狭くてクルマの通行が難しい場所も多く、歩行者/自転車との事故が起こりやすい環境でもあります。

そのためゾーン30を導入することによって、これらの生活道路でのクルマの速度を制限して歩行者/自転車との事故を防ぐことが期待されているのです。

実際ゾーン30整備前後の交通事故発生件数を比較した際、ゾーン内での交通事故や自動車の通過速度の抑制効果が確認されています。

なお警視庁が公開している情報によれば、平成23年に定めた当初の整備目標を達成し、令和2年度末までに全国で4031か所のゾーン30が整備されているようです。

このように、ゾーン30の整備はドライバー自身の運転習慣を見直すきっかけとなっています。また事故の減少だけでなく、交通マナーの向上も期待できそうです。

ゾーン30とは違う?「ゾーン30プラス」とはなんなのか

名称に「プラス」とついた「ゾーン30プラス」という区域も存在します。これは、ゾーン30とはどういった点が異なるのでしょうか。

ゾーン30プラスは、従来のゾーン30同様に最高速度30km/hの制限に加えて、交通実態に応じて大型通行禁止/一方通行などの交通規制を実施している区域です。

なおゾーン30では速度規制/防護柵/標識などによる喚起に留まっていましたが、ゾーン30プラスでは、より効果を高めるためにさらに、ハンプ/スムーズ横断歩道などの物理的デバイスが設置されています。

つまり両者の違いとしては、物理的デバイスが対策に利用されているか否かという点が挙げられそうです。

歩行者や自転車が安全に通行できるように、今後さらにゾーン30が整備される場所は増えていきそうだ。

その他にもゾーン30プラスでは道幅を狭める狭さくや、クルマの進入を抑止して特定のグループのみの進入を可能にするライジングボラードも利用されています。

ライジングボラードを設置することで、抜け道としての通行を抑制することができるため、住民の生活環境の向上も期待できます。

また前述のように、ゾーン30の導入によって整備地域の事故件数は減少しているので、ゾーン30プラスには更なる効果が期待できそうです。

ゾーン30は、生活道路における歩行者/自転車の安全を確保するための対策です。導入によって交通事故の発生を減少させるだけでなく、住民の生活環境の向上/交通マナーの向上も期待されています。

クルマを運転する際にはこれらのエリアに注意し、安全運転を心掛けることが求められます。

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