見かけたらラッキー! 絶滅危惧種「ゼブラ板」がついた信号機を知ってる?
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
街中には多くの信号機が設置されており、その種類や形状もさまざま。
その中でも特に珍しい、白黒しましま模様の板”ゼブラ板”がついた信号機をご存知でしょう。
近年は見かけたらラッキーと思えるほどに数が少なくなっているこの信号機は、安全面を考慮して考案された信号機のようです。
いったなぜ現在はゼブラ板がついた信号機が減りつつあるのでしょうか。
どのような役割を果たしているのか、その特性とともに見ていきましょう。
しましまの謎…「ゼブラ板」の役割とは?
ゼブラ板は信号機の後ろに設置されている板のことで、正式名称を”信号灯背面板”といいます。
このゼブラ板の役割は、交差点/横断歩道などにおける安全性を更に強調することにあります。
具体的にはゼブラ板を後ろに設置することで、信号機の視認性を高めているというわけです。
ゼブラ板の信号機は、戦後復興期の電力不足/電圧低下などが問題視されている時代に、安全面の観点から信号機の視覚認識度を高めるために開発されました。
たとえば、西日が強い/信号機同士が近くにあるなどの場合、信号機の色がすぐにわからないと運転に支障をきたしてしまいます。
そういった事態を少しでも防ぐために、斜線を背景に引くことで信号灯の視認性を高めているようです。
なお、ゼブラ柄に使用される色は法令によって緑と白または黄と黒と規定されています。
クルマに限らず、自転車/歩行者などの利用者にも交差点での注意を喚起できるため、その存在は交通全体の安全を確保する要素として大きな意味を持っていました。
ただ、経済状況/技術力/安全面などの観点から開発されたゼブラ板がついた信号機は、近年その数を徐々に減らしています。
数が減少している背景には、LED電球の普及/レンズの大型化/景観への配慮などの理由があります。
技術革新に伴い、信号機に使われる電球の性能が向上していき前述の電力不足も解消。
ゼブラ板信号機を使用せずとも十分な安全確保が可能となりました。
また、ゼブラ板が設置されていることによって信号機が風の影響を受けてしまい、信号機が揺れて危険という問題も。
加えて、派手なカラーリングが景観を損ねるという指摘がありました。
さらに、LED信号機への切り替えが大幅に進められていることや、将来的なコスト/メンテナンスなどの観点などもセブラ板撤去の要因のようです。
ちなみに、警視庁が発表している”都道府県別交通信号機ストック数”の資料をみてみると、どのくらい信号のLED化が進んでいるのか都道府県ごとに確認できます。
この資料をみると、都市部の方がLED化率が高いこと/日本全体で7割以上の信号機がLED信号機になっていることなどがわかります。
ただ、全体的な数こそ減っているものの、北海道などまだゼブラ板信号機が残っている場所もあるようです。
現在でも残っている場所に多い特徴としては、交通量が少ないことが挙げられます。
たとえば令和4年時点では、北海道はLED化率が最も低い地域ですが、これは広大な土地に対して、整備が追いついていない/田舎の交通量が少ないために整備していないなどの理由が考えられそうです。
このようにゼブラ板がついた信号機は徐々に数を減らしており、その数の少なさから絶滅危惧種とも言える存在です。
もしゼブラ板がついた信号機を見かけた場合でも、焦らずに通常通り信号機の色を判別して運転しましょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トリビア)
ETC利用率は90%を超え、広く普及 ETCとは、エレクトロニック・トール・コレクション・システムの略称となり、日本語では電子料金収受システムとなる。高速道路や有料道路の料金所などに設置され、ノンスト[…]
商業施設の駐車場で見かける「右折入庫禁止」とは? そもそも道路標識には”本標識”と”補助標識”の2種類が存在します。本標識とは国土交通省や自治体が設置している標識で、下記の4種類に分類されます。 まず[…]
「えっまさかの絶滅状態!?」技術の進化で消えていった機能 ボンネットに格納されていたライトがスイッチオンで顔を出すリトラクタブルヘッドライト。日本では1970年代後半のスーパーカーブームでで注目を浴び[…]
ガソリンスタンドで入手できる主な油種 普段、マイカーなどに給油する際に立ち寄るガソリンスタンド、ここで車両に給油できる油種は、皆さんご存知のとおり、ガソリン(ハイオク/レギュラー)、軽油の3タイプ。ま[…]
ある日突然点灯したマークに困惑…。なにコレ? いつもの見慣れた、マイカーのインパネ(インストルメントパネル)に、突然、見慣れぬマークが点灯…。 「ん? 何だこの表示は…? 変なところ触っちゃったかな…[…]
最新の関連記事(カー用品)
バケツ一杯の水でできる、超節水洗車術 一度、徹底的に洗車して、コーティング剤を塗布して、コンディションのよい状況であれば、軽い汚れならバケツー杯の水で落とすこともできる。滴り落ちるくらい水をたっぷり吸[…]
純正ミラーにかぶせて付ける、高機能デジタルルームミラー 今回発売される「DRM6030」は、11V型サイズのルームミラーモニターに、フルハイビジョン(1920×1080)の後方カメラ映像を表示できるデ[…]
ガーニッシュの装着で存在感溢れるフロントマスクを実現 今回発売される新型フリード対応の無限パーツは、『Sports for Everyone』をコンセプトに開発。無限らしいスポーティでスタイリッシュな[…]
シビックをよりスポーティに魅せる、エアロ系パーツが上位を独占 シビック用純正アクセサリーの人気アイテムの傾向としては、スポーツ色が強いモデルということもあって、トップ10の中に2種類のテールゲートスポ[…]
ネジはナメやすい! だからこそ、ちゃんとした外し方をマスター まず断っておきたいのが、本記事で紹介するテクニックは、自動車整備を前提にしている。それ以外のシチュエーションは想定していないのでご注意頂き[…]
人気記事ランキング(全体)
ベース車両はホンダN-VAN ベースとなる車両はホンダのN-VAN。積載性を重視した作りである一方で、最新のNシリーズらしい走りの質の高さが特徴だ。 N-BOX(2代目)譲りのプラットフォームやパワー[…]
ベース車両はトヨタのピクシスバン ベースとなる車両はトヨタのピクシスバン。商用車の魅力ともいえる荷室長と荷室高が魅力、荷物を積んで運ぶこと徹底的に突き詰めた車両だけに、開口部も広く低い床は荷物を積んだ[…]
シリーズ屈指のスタイリッシュなボディ メルセデス・ベンツと言えば、セダンやSUV、クロスオーバー、ミニバンなどあらゆるクラスを網羅しているが、もちろんスポーツカーも例外ではない。 高性能なスポーツモデ[…]
ネジはナメやすい! だからこそ、ちゃんとした外し方をマスター まず断っておきたいのが、本記事で紹介するテクニックは、自動車整備を前提にしている。それ以外のシチュエーションは想定していないのでご注意頂き[…]
初代カローラレビン(TE27)をオマージュし生まれた、個性豊かなフロントマスク 「定番カスタムでは満足できないあなたへ」「せっかくイジるのだから、もっと自分らしさを主張してほしい」そんな想いから生まれ[…]
最新の投稿記事(全体)
新車・中古車顧客の区別なくシームレスなデジタルカスタマーエクスペリエンスを提供 「Certified Pre-Owned(サーティファイド プレオウンド)」への名称変更は、認定中古車のデジタライゼーシ[…]
ベース車両は日産のキャラバン ベースの車両は日産のキャラバン。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーに、非常に人気の高い車だ。 キャラバンはなんと言ってもクラス最大級の荷室の広さが魅力。普[…]
ベース車両はスズキのエブリイ ベースとなる車両はスズキのエブリイ。燃費の良さや、運転のしやすさが際立つ軽自動車であるにもかかわらず、広い車内空間を誇る人気車だ。 シンプルでコンパクトな外観は、街乗りで[…]
ベース車両はトヨタのハイエース ベースの車両はトヨタのハイエース。カスタムの幅が広く、アウトドアを中心としたユーザーから非常に人気の高い。各イベントでは様々なカスタムが施されたハイエースが多数展示され[…]
クロストレック:モデル概要〈スバルの最新技術を惜しみなく注入したことで、先代以上の車格感を手に入れた〉 クロストレックは、コンパクトなボディ/本格的なSUV性能/ラギッドかつスポーティーなデザインを組[…]
- 1
- 2