あなたは知ってる? 免許証に記載された12桁の数字のナゾ

●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
運転免許証に刻まれた12桁の数字、これらを単なる識別のための連番だと思っていませんか?
実はこの数字一つひとつには、運転免許証の持ち主に関するさまざまな情報が暗号のように組み込まれていると言います。
ランダムに割り振られたように見える12桁の数字ですが、いったいどのようなナゾが秘められているのでしょうか。
免許証に記載された12桁の数字の正体とは?
運転免許証には「第〇〇〇…号」のように12桁の数字が記載されています。
この数字の正体は「免許証番号」というもの。
一見すると単なるランダムな数列に過ぎませんが、実は運転者の運転歴/免許の取得地域など、免許証の管理状況に関するさまざまな情報が暗号化されています。
免許証番号の最初の2桁は、免許証を初めて交付した都道府県の公安委員会を示しており、この数字によって免許証がどの地域で交付されたかを特定可能です。
北海道地方は「10~14」、東北地方は「20~25」、関東・甲信越地方は「30~49」、北陸・中部地方は「50~55」、関西地方は「60~65」、中国地方は「70~74」、四国地方は「80~83」、九州・沖縄地方は「90~97」が割り振られます。
次に続く2桁は免許証の発行年、つまり運転者が運転免許を取得した西暦の下2桁を表すもの。
運転免許証に記載されている12桁の数字からは、さまざまなことが読み解ける
したがって、95と書かれていれば1995年、15と書かれていれば2015年に免許を取得したということがわかります。
また続く6桁は、公安委員会内での管理番号や免許証の発行順を示すもので、個々の運転免許証に固有に割り振られた情報です。
これらの数字を通じて、公安委員会は運転者の運転免許情報を正確に管理し、必要に応じて更新や違反情報の確認をおこなうことができます。
そしてここまでの10桁の数字に続く1桁、左から11桁目の数字は「チェックデジット」と呼ばれる数字です。
チェックデジットは、免許証番号の入力ミスや読み取りエラーを防ぐために設けられており、免許証番号のほかの桁を特定の計算式に従って算出し、データの正確性を保証する役割を果たしています。
最後の数字は免許証の再交付回数を示しており、これは免許証が紛失や盗難に遭った場合に、どれだけの回数再発行されたかを示しています。
たとえば、この数字が0であれば、免許証が1度も再交付されていないということ。
再交付の回数が増えるごとにこの数字は増加するので、免許証の発行履歴の一部を把握できます。
ただし、カウントされるのは紛失/盗難の場合のみで、汚れ/破損などで新しいものに交換する場合は変更ありません。
免許証の見せてOKな部分・ダメな部分とは?
警察官による交通違反の際/自動車のレンタル/中古車の購入/一部の公的な手続きなど、運転免許証は、日常生活においてさまざまな場面で身分証明書として要求されることがあります。
これらの状況では、免許証を提示することで自身の身分を証明し、スムーズに手続きを進めることができます。
しかし、免許証には個人を特定するための重要な情報が含まれているため、これらを無闇に他人に見せることは推奨されません。
たとえば上述の免許証番号を知られても、個人の特定につながる可能性は低いと言えるでしょう。
免許証番号は詳細な個人情報を確認する際に使用されますが、読み取れるのは警察/公安委員会に限られています。
免許証は身分証明証として重要な役割を果たすもの。無くさないよう、しっかり持参しておきたいところ
とはいえ、免許証番号は免許証の偽造に利用されたり、情報屋に売られたりするリスクがあるので、なるべく他人には見せないようにしましょう。
そのほかに注意が必要なのは、免許証の上部に書かれた「氏名」「生年月日」「住所」「顔写真」などの情報。
これらの情報は個人の特定に直接つながるため、自宅特定によるストーカー被害や銀行口座の開設などに悪用されるリスクが非常に高いと言えます。
免許証の情報を悪用されないためには、個人情報を求める理由や使用目的を明確にすることが重要です。
たとえば、免許証を提示する際は、提示を求める相手がその情報を必要とする合理的な理由を持っているかを確認するとよいでしょう。
このように、運転免許証に記載された12桁の数字からは、さまざまな情報を読み取ることができます。
運転免許証は私たちの日常生活に欠かせない存在でありながら、その持つ情報の全貌を知る機会は意外と少ないものです。
この機会に自分の免許証をもう一度手に取り、その数字から自分が免許を取得したときのことを思い出してみましょう。
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