「懐かしすぎだろ…」”ガルウィングドア”で非日常を楽しめる。マツダ AZ-1に乗ったらクルマの乗り降りが大好きになった【おもちのビート】

●文:おもちのビート ●まとめ:月刊自家用車編集部
ビートオーナーがAZ-1を試乗!ABCトリオって?
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私が所有しているホンダビートは今から約30年前に製造されたクルマですが、同年代に同じような軽自動車のスポーツカーが他メーカーからも販売されています。
マツダ AZ-1
ホンダ BEAT
スズキ CAPPUCCINO
この3台です。
各車両の頭文字を取って、「ABCトリオ」なんて呼ばれています。当然ながらビートオーナーとして、AZ-1とカプチーノは気になる存在です。
そんな中、AZ-1をお借りして一日試乗する機会に恵まれました。
今回はビートオーナーがAZ-1に乗った試乗記事をお届けしたいと思います。
初めてのAZ-1。AZ-1と言えばガルウィング。非日常感満載。
写真の艶消し黒のAZ-1が、今回お借りしたAZ-1です。オーナーさんによると、基本はノーマル仕様でホイールやハンドルなどの細かいところは社外品に交換されています。
受け渡し時にオーナーさんから車両の説明を受けます。もちろんガルウィングドアについても。ガルウィングドアのクルマに乗り込むのは人生で初めてです。
ドアノブが普通のクルマではありえない位置に付いていたり、着座位置が低いのにもかかわらずサイドシルが高かったり、普通のクルマとは色々と感覚が違います。
AZ-1のドアノブはここ。説明を受けないとまず分からないです。
見た目重視で実用性はあまりないのかと思いきや、天井部分がドアと一緒に開いてくれるので、実は慣れるとスムーズに乗り込むことができます。
屋根を閉めた状態のビートより乗り降りは簡単かも。
特に、隣のクルマが寄っている時にガルウィングの本領は発揮されます。着座位置が低い車はドアを大きく開けないと乗り降りしづらいことが多いのですが、AZ-1の場合は少しスペースがあれば乗り降りが可能です。
こんなに隣のクルマが近くても、ドアさえ開いちゃえば乗り降りは全然大丈夫。逆にビートだと、ドアを全然開けないのでかなり苦戦します…。
ちなみに、ルーフ上部はガラスなので11月でしたが車内はかなり暑かったです。
ターボの加速感がすごい!あとサイドミラーの調整が難しい・・・
ガルウィングドアを開けて車内に乗り込み、ここから試乗開始です。
乗りはじめて一番最初に思ったのが「速い!」ということ。
軽自動車ながらも、一定の回転数からドカンとターボが効き始めます。駐車場から幹線道路に出た時の加速や、青信号での加速など、周りのクルマの流れに合わせた加速が容易にできます。
エンジンはスズキ製のF6A。カプチーノや昔のアルトワークスなんかに載せられているものと同一です。
私が所有するビートと最高出力は同じですが、ビートの場合はNAエンジンなので上までガッツリ回さないと加速してくれません。AZ-1の加速にはグイッと押されるような力強さがあり、ここは大きく違うところだと感じました。
少し走った後、サイドミラーが少しずれていたので、なんのきなしに調整をしようと思いました。
当然、電動調整なんてないので窓を開けてミラーを手で調整をしようと思ったのですが、このクルマは窓が少ししか開きません。
腕は出せる幅なのですが、着座位置や窓が開く位置も相まって、地味に調整が大変です。
窓の開く範囲はこれだけ。この少ししか開かないところから腕を出さないといけません。
運転席の調整を終えて助手席側を調整しようとして体が固まります。
えっ、無理じゃね…?
これ、調整どうすんの…?
ビートの場合は助手席の窓を開ければ、運転席からでもサイドミラーに手が届きます。でもAZ-1の場合は絶対に無理です。
正解は、「クルマから降りて、運転席のヘッドレストが映るようにミラーを調整」だそうです。(視聴者さんに教えてもらいました)
AZ-1で峠道へ。普通に走れば全然大丈夫。
街中を走り、峠道までやってきました。
AZ-1といえば「スピンする」「あぶない」なんてネットで言われていますから、決してイキらずに慎重に走っていきます。
常識的なペースで峠道を走行していきますが、特に何か危ない挙動があるわけでもなく、普通に走ることができます。ちゃんとしたタイヤを履いて、無茶に飛ばさない限り、変なことにはならないのかなと思いました。
ハンドリングはビートよりクイックで、ちょっとハンドルを切ったらその方向にギュッと車体が向く感じです。なので、少しでもお尻が滑ったりクルマの挙動が乱れると、そこからの制御は難しい気がします。
ハンドルはほんのちょっと切ればOK。最初はおっかなびっくりでしたが全然普通。良い意味で裏切られました。ただし、挙動が乱れた時は一気にイってしまいそうです。
先ほど書いた通り、エンジンのパワーがあるので上り道でもノンストレスで走ることができます。車体も小さく、車線内でラインがかなり自由です。エンジンパワーを絞り出しながら、しっかりと荷重をかけて曲がっていくビートとは結構違いますね。
峠道もある程度走り、休憩しようとして駐車場に入るとそこは有料駐車場。もちろんチケットを取る必要があるのですが、このクルマの場合、発券場所までギリギリでした。
そもそも着座位置が低く、発券場所が位置がかなり上なので、小柄な方はドアを開けないと無理かも。
身長181cmの私が手を伸ばしてギリ。最初から素直にドアを開ける方が安牌な気がします。
係員さんが居ると全然大丈夫です。「これなんのクルマ?」「マツダAZ-1です」そんなやりとりもありました。
無事に試乗終了。非日常感があって楽しかったです。
峠道を走り終えて、そのあとは街中を走り無事に試乗終了となりました。
個人的に一番気に入ったのが、なんと言ってもガルウィングドア。ドアの開け閉めや乗り降りが楽しすぎて、必要以上にコンビニで休憩をとってしまいました。これだけでもかなりの満足感があります。
意外と周りの人はAZ-1のことなんて見ていないので、恥ずかしがる必要は全くないです。
走りについてはエンジンにパワーがあり、街中も峠道もパワー不足を感じることなくスムーズに走ることができます。
ハンドリングもクイックで曲がるのが楽しかったのですが、個人的にはこのエンジンフィールの方が好きになってしまいました。それくらい加速するのが楽しい車ですね。
調子に乗らず、普通に乗っていれば危なく感じる場面もないと思います。
こうやって改めて見ると、かわいいなこのクルマ。
希少性もあり、今では300万円くらいの高値で取引されているAZ-1ですが、ガルウィングで非日常を味わえてクルマの乗り降りが大好きになる、小さな庶民派スーパーカーでした。
ガルウィングドア、機会があれば皆さんに味わってほしいです。
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