
キャンピングカーの世界は成熟期に入り、完成度の高さと引き換えに“驚き”が少なくなったと言われる。そんな空気を切り裂くように登場したのが、ダイレクトカーズが送り出す新型キャンピングカー「KATANA」だ。無骨でありながら洗練されたデザイン、過酷な環境を想定した走破性、そして長期滞在を前提とした居住性能。そのすべてが、これまでの常識から一歩踏み出している。“どこにも属さず、どこへでも行く”。KATANAが示す新しい旅の価値を、詳しく見ていく。
●文:月刊自家用車編集部
「見たことがない」という違和感が価値になる
KATANAという名を聞いた瞬間、多くの人が鋭さや無骨さを連想するだろう。そのイメージを裏切らない外観は、従来のキャンピングカーとは明らかに異なる存在感を放つ。サンドベージュのラプター塗装とチップ塗装を組み合わせたボディは、街中よりも荒野や砂漠が似合う佇まいだ。
単なる装飾ではなく、過酷な使用環境を前提にしたタフさがにじみ出る点が印象的だ。キャンピングカーに快適さや上質さを求める流れは続いているが、KATANAはそこに「冒険」という要素を正面から重ねてきた。その姿は、“移動する別荘”ではなく、“旅そのものを引き受ける道具”に近い。
カムロード×4WDディーゼルという確かな土台
ベース車両には、信頼性の高いトヨタ・カムロードを採用。さらに4WDと3000ccディーゼルエンジンを組み合わせることで、重量級キャンピングカーに求められる走行安定性とトルク性能を確保している。
舗装路での快適な巡航だけでなく、未舗装路や悪路を含めた移動を想定している点がKATANAの特徴だ。キャンピングカーにとって“行ける場所”が広がることは、そのまま旅の自由度につながる。見た目のインパクトだけでなく、足回りから思想が貫かれている。
刀の名にふさわしいエクステリアデザイン
KATANAの外観は、直線を基調としたシャープな造形が印象的だ。サンドベージュのボディカラーは自然環境に溶け込みつつ、チェッカープレートのアクセントが無骨さを強調する。装飾過多にならず、それでいて強い個性を放つバランス感覚が秀逸だ。
全長4860mm、全幅1870mm、全高2760mmというサイズは、キャブコンとして標準的ながら、視覚的にはひと回り大きく感じさせる。これは塗装の質感とデザイン処理によるものだろう。停車しているだけで“物語が始まりそうなクルマ”という印象を与える。
観音開きリアドアが生む新しい動線
リアには観音開きのダブルドアを採用。これにより、荷物の積み下ろしが格段にしやすくなっているだけでなく、車内外の行き来に自由度が生まれた。リアエントランスとしての使い方も可能で、キャンプ地での動線設計がシンプルになる。
一般的なキャンピングカーではサイドエントランスに動線が集中しがちだが、KATANAは前後どちらからもアクセスできる設計とした。これにより、設営時や長期滞在時のストレスが軽減される。使い勝手と存在感を両立した装備と言える。
「住む」ことを前提にしたインテリア思想
インテリアのテーマは「Adventure in Desert Nomad」。旅先を一時的な宿泊場所ではなく、生活空間として成立させることを強く意識している。家具一式を含めた室内は、無骨な外観とは対照的に落ち着きと機能性を重視した構成だ。
家庭用エアコンや大容量リチウムイオンバッテリーの搭載により、気候や時間帯に左右されない快適性を確保している。旅先で“我慢しない”ことが、結果として行動範囲を広げる。その考え方が、装備の選定から伝わってくる。
長期滞在を可能にする電装と快適装備
400Ahのリチウムイオンバッテリーとインバーターの組み合わせは、キャンピングカーとして見ても高水準だ。32型テレビや冷蔵庫・冷凍庫を常用できる環境は、短期旅行だけでなく、長期滞在やワーケーションも視野に入る。
外部充電や外部出力にも対応しており、キャンプサイトや自宅での使い方も柔軟だ。ナビゲーションやドライブレコーダー、バックカメラといった基本装備も抜かりなく、旅に出るための準備が最初から整っている点は評価が高い。
折り畳み式2段ベッドが生む柔軟性
就寝スペースには折り畳み式の2段ベッドを採用。使用しない時は空間を広く使え、必要な時にはしっかりとしたベッドとして機能する。人数や荷物量に応じて空間を変化させられる点は、実際の旅で大きな差となる。
キャンピングカーは「常に満員」で使われるわけではない。だからこそ、可変性のある設計が重要になる。KATANAは、装備を詰め込むだけでなく、使わない時間のことまで考え抜かれている。
7台の新型モデルを率いる象徴的存在
KATANAは単独の新型車というだけでなく、ダイレクトカーズが同時に発表する7車種の新型モデルを象徴する存在でもある。ブランドとして次のフェーズに進む意思表示が、この一台に凝縮されている。
これまでのキャンピングカー像に満足できなくなったユーザーに対し、「次はこれだ」と示す役割を担うモデルだ。冒険性と上質さを同時に求める層にとって、KATANAは強い選択肢となるだろう。
ジャパンキャンピングカーショー2026で実車展示
KATANAは、2026年1月30日から幕張メッセで開催される「ジャパンキャンピングカーショー2026」にて実車が展示される予定だ。開催期間は1月30日から2月2日まで。
会場は幕張メッセ展示ホール1から6までを使用し、国内最大級のキャンピングカーイベントとして知られている。写真やスペックだけでは伝わらない存在感や質感を、実際に体感できる貴重な機会となるはずだ。
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