
メルセデス・ベンツの最高峰ラグジュアリーセダン「Sクラス」が大幅な改良を受け、新たなパワートレーンを搭載した2モデル「S500 4MATIC (ISG)」「S500 4MATIC long (ISG)」がラインアップに追加された。1886年の自動車特許取得から140周年という節目を迎えるメルセデス・ベンツ革新の集大成として、過去最大規模の刷新が行われた新型Sクラスの進化点を探ってみたい。
●文:月刊自家用車編集部
出力を強化した直6ガソリン「M 256 Evo」エンジン搭載
今回追加されたS500 4MATICには、性能を大幅に向上させた3リッター直列6気筒ガソリンエンジン(M 256 Evo)とマイルドハイブリッドシステム「ISG(Integrated Starter Generator)」の組み合わせを採用している。通常時の最大トルクは600Nmに向上したほか、追い越しや加速時などに一時的に駆動力が増すオーバートルク時には最大640Nmを発揮する。
レスポンスと静粛性の向上も見どころのひとつ。新たに高出力化された電動アシストコンプレッサーやシリンダーヘッドの最適化、追加の遮音対策により、スムーズでレスポンスに優れ、優れたNVH(騒音振動・ハーシュネス)特性を実現している。
外観は、伝統的な高級感を維持しながらも、より力強いデザインへと進化を果たした。フロントで特に目を引くのが、従来より約20%大きくなった大型ラジエターグリルで、内部の横バー(クロームルーバー)が3本から4本に増えたほか、Sクラスとして初めてグリル自体が光る「イルミネーテッドラジエターグリル」を採用した。さらに、ライト内に星型(スリーポインテッドスター)模様が浮かび上がる「DIGITALライト」も組み合わさり、夜間でも一目でSクラスとわかる圧倒的な存在感を放つ。
テールランプには、片側3つの星型(スリーポインテッドスター)が浮かび上がる新デザインのランプを採用。さらに、トランクリッド(荷室の蓋)にあしらわれた2本のクローム飾りが、後ろ姿に洗練された上質さを添えている。
従来比約20%拡大された大型ラジエターグリルと4本のクロームルーバーを採用。光る「イルミネーテッドラジエターグリル」と「DIGITALライト」が強烈な存在感を放つ新型Sクラス。
引き締まったサイドフォルムが、最高峰セダンにふさわしい洗練されたラグジュアリー感を主張。
デジタルとラグジュアリーが融合したインテリア
室内のインテリアは、新設計のメーターパネルや中央コンソールを配し、先進技術と優雅な仕立てを融合させた贅沢な空間に仕上げた。
ダッシュボード上には、14.4インチのメディア画面と12.3インチの助手席用画面を組み合わせた「MBUXスーパースクリーン」を配置。スリムな画面がトリムの上に浮かんでいるかのような未来的な造形により、室内に伸びやかな広がりをもたらしている。
さらに快適性を左右する空気清浄機能も大きく進化。風向きを自動調整するシステムに加え、食卓塩の粒子よりはるかに微細な物質まで捕らえる電動フィルターを装備することで、約90秒ごとに車内の空気をまるごと入れ替えることが可能となり、常に澄み切った室内環境を保ち続けることができるようになっている。
室内を彩る内装仕立てには、V字型の矢貼り模様が映えるフィッシュボーン柄のウッドパネルを標準採用。内装色にはハイブランドのファッションから想を得たシックな新色「ビーチブラウン/ブラック」をラインアップへ追加したほか、前席にはシートヒーターと連動して優しく身体を温める「ヒーテッドシートベルト」を取り入れるなど、視覚と触覚の双方で上質さを体感できる造りとしている。
静粛性と安全性を高次元で両立したリヤシート空間。後席乗員の胸部負荷を軽減する「リアベルトバッグ」や各種エアバッグシステムを備え、最高峰の安全性能を提供してくれる。
最新システム「MB.OS」と第4世代「MBUX」の進化
今回の改良では、メルセデス・ベンツが独自開発した車載オペレーティングシステム「MB.OS」と、先進のインフォテインメントシステムである第4世代「MBUX」を初めて搭載した点も大きな見どころだ。
音声で操作をサポートする「MBUXバーチャルアシスタント」には、ChatGPTやMicrosoft BingだけでなくGoogle Geminiといった複数の生成AIを統合している。システムが直前のやり取りを記憶しながら応答するため、まるで人と話しているかのような自然でスムーズな会話を楽しむことが可能とのこと。またナビゲーション機能も大幅に進化を遂げ、Googleとの提携によりGoogle Mapsの豊富な地図データや最新技術を取り入れた、より使いやすく正確なルート案内を実現している。
AIが運転と駐車を助ける「MB.DRIVE」
高度な運転支援システムである「MB.DRIVE」も大幅にアップデート。車体に配置された多数のカメラやセンサーから得られる情報を、膨大なデータで学習したAIアルゴリズムが即座に分析するタイプに進化し、これにより、走行中のきめ細やかな運転サポートはもちろんのこと、360度カメラを活用して周囲の状況を把握し、駐車時にホイールを傷つけるリスクを減らすなど安全な取り回しを多角的にアシストしてくれる。
世界に1台を形にするオーダーメイド「MANUFAKTUR Made to Measure」
専任の担当者と1対1でじっくり相談しながら、オーナーのこだわりを細部まで反映した理想の1台を作り上げることができる、究極のパーソナライズを実現する特別なカスタムプログラム「MANUFAKTUR Made to Measure」も新たに導入された。これにより理想の1台を作り上げることが可能となった。
ボディカラーには、メルセデスの過去の名車で使われていた伝統の色を含め、100色以上の豊富な選択肢を用意。インテリアのカスタマイズ性も世界的な色見本帳であるPANTONE®をもとにした400色以上の内装色や、80色を超えるステッチ(縫い目)のカラーから選ぶことが可能。
さらに、ヘッドレストへの名入れ刺繍や、ドアを開けた際のステップ部分の照明カラーを70色以上から選べるなど、細部に至るまで自分好みの演出を追求できる仕組みとなっている。
広範囲に及ぶディスプレイと繊細なアンビエントライティングが見事に調和したキャビン空間。洗練された先進コクピットが楽しめることも新型の魅力になる。
| モデル名 | ステアリング | パワートレーン | 価格 |
| S 450 d 4MATIC (ISG) | 左/右 | 3.0L 直列6気筒ディーゼル | 1598万円 |
| S 500 4MATIC (ISG) | 左/右 | 3.0L 直列6気筒 | 1708万円 |
| S 500 4MATIC long (ISG) | 左/右 | 3.0L 直列6気筒 | 2136万円 |
| S 580 4MATIC long (ISG) | 左/右 | 4.0L V型8気筒 | 2365万円 |
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