日産 エクストレイル・オンロード派にも積極的にお勧めできる、ミドルSUV【国産車カタログ】

●文/まとめ:月刊自家用車編集部(ハラ)

【プロフィール】

NISSAN
エクストレイル
発売日:2013年12月

価格:224万9100〜279万7200円(2013年12月当時)

先代までの無骨なイメージと異なり、エクステリアは洗練された都会的なイメージに変更。キャビンまわりの素材感も大きく向上したこともあって、先代までのギア系SUVとは違った、都会で映えるカジュアル系SUVとしての資質が高まっている。

その一方、実用的なラゲッジ&ユーティリティという歴代モデルの魅力も健在。汚れに圧倒的な強さを持つ防水&防汚フロアや、ダート&雪路で大いに頼れる本格4WDシステムの採用など、アウトドア需要を意識した装備機能も抜かりなく備えている。2017年のマイナーチェンジには運転支援機能「プロパイロット」も追加設定されている。

SUVトレンドの変遷を上手にキャッチアップしたこともあって、登場時からモデル末期まで安定したセールスを記録。充実装備機能を持つ万能SUVを手頃な価格で狙うことができるという理由もあって、新たなファンを獲得したことも見逃せないポイントだ。

洗練されたスタイリングも魅力のひとつ。全長☓全幅☓全高は4690☓1820☓1730~40mm(後期型の数字)。ホイールベースは2705mm。ミドルSUVとしては小ぶりなタイプなので、街なかで苦労することがないことも美点といえるだろう。

全体的にシンプルに描かれるキャビン。ミドルSUVとしては派手なタイプではないが、機能最優先の感が強かった先代に比べると、質感は大きく向上している。ラゲッジ周りは防水/防汚フロアを採用することで、汚れ物に強いことも大きな特徴。

【モデル変遷&グレード体系】2015年の一部改良時にハイブリッド車を追加。後期型はプロパイロットも装着可能

デビュー当初は2ℓガソリン(NA)車のみだったが、2015年春からは2ℓエンジンに1モーター/2クラッチ機構を組み合わせたストロングハイブリッドモデルを投入している。2015年冬には自動ブレーキの全グレード標準装備化が図られている。

2017年夏にマイナーチェンジを実施。フェイスリフト&内装質感の向上が図られたほか、高速道路上でドライバーの負担軽減を狙う運転支援機能「プロパイロット」を追加している。同時にハンズフリー対応「リモコンオートバックドア」の設定やインテリジェントパーキングアシストの機能向上も実施されている。

2020年初頭の一部改良では、ボディ補強による走行性能&静粛性の底上げに加えて、安全運転支援機能の障害物検知をミリ派レーダー式に変更。前方を走行する2台前の車両までカバーする、より高いセンシング能力を手に入れている。

左が前期型、右が後期型(2020年以降モデル)。

高速道路上のドライバーの負担を大きく軽減してくれるプロパイロット。ロングドライブが多いユーザーならば選ぶ価値は大きい。

【試乗インプレ】乗り心地&安定重視のサスチューンがもたらす、快適な走りが魅力

1.5トンを軽く超えてくる車両重量もあって、2ℓガソリン車も、2ℓハイブリッド車も動力性能の余裕はあまりない。街中では不満は感じないが、アップダウンが激しい登坂路や高速走行時の追い抜きなどでは、アクセルを強く踏み込んで高回転域まで回す必要が出てきてしまう。動力性能の余裕を少しでも高めたいならば、ハイブリッド車を選ぶのが鉄則といえるだろう。

フットワーク面は穏やかな味付けで乗り心地を意識したタイプ。スポーティな味付けを好むユーザーには物足りないかもしれないが、妙な硬さもなくコーナー時でも安定した挙動を示すなど、ミドルSUVの中ではバランスの良さに秀でている。普段使いで居心地の良さを感じる走りが楽しめる。なおマイナーチェンジ後の後期型は、静粛性や高速走行の安定志向がより強まっている印象を受ける。

ハイブリッド車は2ℓ直4(147PS/21.1kg・m)+モーター(30kW/160Nm)の組み合わせ。モーターアシストは限定的なものだが、余力を求めるならばハイブリッド車を選びたい。

前後駆動制御を用いるALL MODE 4×4-iを搭載することで、悪路や雪路などでも安定した走りを披露。実用的な4WD性能を安価で狙えることも魅力のひとつ。


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