スズキ アルトワークス(5代目)・軽快な走りでファンを魅了した、軽ホットハッチ【国産車カタログ】

●文:月刊自家用車編集部(ハラ)

【プロフィール】走りの質を高める、数多くの専用装備を採用

スズキ
アルトワークス
発売日2015年12月

価格:150万9840〜161万7840円(2015年12月当時)

約15年ぶりに復活した5代目アルトワークス(ベース車両は8代目アルト・ターボRS)は2015年に発売。

パワーユニットはターボRSと同じ64PS仕様のターボエンジンだが、最大トルクは10.2kg・mとターボRS(10.0kg・m)よりも若干向上。トランスミッションも5段変速のAGS(オートギアシフト)車に加えて、5速MT車も設定されている。

スポーティーなハンドリングを実現する、専用チューニングのKYB製ショックアブソーバーやドライバーの身体をしっかりと支える専用レカロシートを採用するなど、走りの質感を高める装備も充実。多くのファンを持つアルトワークスらしい、高性能モデルに仕立てられている。

ターボRSと同様に補強を加えた高剛性の車体を採用。WORKSロゴをあしらったフロントバンパーアッパーガーニッシュやボディーサイドデカールなどで、外観は差別化されている。

シルバーと赤を効果的に配した黒基調のスポーティーな内装を採用。身体をしっかりと支える専用レカロシートを装着している。

キャビンの基本機能はアルトと共通。実用車として確かな性能が与えられていることも長所。

ホイールリム幅を拡大し、曲がり易さを向上させた15インチアルミホイールを装着。ブラックメッキのヘッドライトや「WORKS」を冠するガーニッシュなど、スポーティな雰囲気を高めるドレスアップパーツも充実。

【モデル変遷&グレード構成】2021年に惜しまれつつも販売終了

2015年12月に発売開始。同年3月に発売されたアルト ターボRSは5速AGS車のみだったが、アルトワークスにはショートストローク化された専用開発の5速MT車も設定されている。

主なアルトワークス専用装備
【エクステリア】
ブラックメッキヘッドランプ
カーボン調フロントバンパーアッパーガーニッシュ「WORKS」
フロントバンパーロアガーニッシュ[ガンメタ]、リヤバンパーロアガーニッシュ[ガンメタ]
ボディーサイドデカール「WORKS」
15インチアルミホイール[ブラック塗装]
フロントブレーキキャリパー[レッド塗装]
車体色は、力強い印象の「スチールシルバーメタリック」をはじめ、全4色を設定

【インテリア】
本革巻ステアリングホイール[レッドステッチ]
エアコンサイドルーバーリング[サテンメッキ調]、エアコンセンタールーバー[サテンメッキ調]
シフトブーツ[レッドステッチ]
ステンレス製ペダルプレート
レカロシート(フロント)

2018年12月に一部使用変更を実施。5速AGS車に衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」などを標準装備したほか、車体色には、鮮やかな「ブリスクブルーメタリック」を新設定した。

2021年12月に販売終了(9代目アルトにフルモデルチェンジ)。

2018年12月に追加されたボディカラー「ブリスクブルーメタリック」。

【試乗インプレ】メリハリの効いた加速フィールが真骨頂。5速MT車がベストチョイス

ターボエンジンは他モデル同様、軽自動車規制いっぱいの64PSになるが、車両重量は670kg(5速MTのFF車)と軽自動車の中でも圧倒的な軽さを誇る。そのパワーウェイトレシオは10.47と、走り自慢の軽スポーツ勢の中でも屈指の数値だ。

絶対的な速さは乗用スポーツに及ばないが、最新ターボらしいメリハリの効いた加速フィールと軽快なハンドリングのおかげで、手応えのある走りが楽しめる。5速AGS車にはパドルシフトが備えられているが、自動変速は少々癖が強い。マニュアル操作でギアを選んでいける5速MT車でこそ真価を発揮するモデルといえる。

サスの味付けはスポーツ系らしく硬めで、タイトコーナーの安定性を強く意識したセッテイング。スポーツ車らしいクルマを操る楽しみを十分に味わえるが、乗り心地はやや難あり。特に後席だと路面の段差がかなり気になってしまう。

5速MT車は1速から4速をクロスレシオ化することで、エンジントルクの厚い回転域でつながりの良いギヤ比を実現。シフトフィールが楽しめる工夫が盛り込まれている。


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