トヨタカローラスポーツ・走りも装備も高水準でまとめられた、良質ハッチバック【国産車カタログ】

2022/07/07 17:03
月刊自家用車(ハラ)

●文:月刊自家用車編集部(ハラ)

1 【プロフィール】12代目カローラのトップバッターとして登場
2 【モデル変遷＆グレード構成】1.2Lターボ車には6速MT仕様も設定
3 【試乗インプレ】乗り心地に優れる出来の良いサスチューンが印象的
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【プロフィール】12代目カローラのトップバッターとして登場

トヨタ
カローラスポーツ
価格:213万8400〜268万9200円（2018年6月当時）

カローラのハッチバックモデルは、数世代ほど「オーリス」の名前で独立展開していたが、12代目となる現行のハッチバックモデルは「カローラスポーツ」として発売されている。12代目カローラシリーズのラインナップとしては最初に投入されたモデルになる。

GA-Cプラットフォームや新開発サスペンション、第2世代のトヨタセーフティセンス、1.8Lハイブリッド（THS Ⅱ）、T-CONNECTサービスへの対応など、当時トヨタが強力に進めていたTNGA世代の技術を積極的に採用。走りの質感向上だけではなく、新世代カローラにふさわしく乗員快適性や安全性能も大きな進化を遂げている。

パワートレーンは1.8Lハイブリッド（98PS/14.5kg・m+53kW/163Nm）と1.2Lターボ（116PS/18.9kg・ｍ）の2つ。CVTのほか6速MT（ターボ・FF車に設定）も設定されている。

他のカローラはリヤサスにトーションビーム式を採用（一部グレードを除く）するが、カローラスポーツはより柔軟な動きが可能となるダブルウィッシュボーン式を採用。4輪それぞれの減衰力をコントロールし快適な走りを実現するAVS仕様（OP）も選べるなど、走りを強く意識した内容が盛り込まれていることも特徴だ。

メリハリのあるスポーティなデザイン。ホイールアーチのクリアランス低減のためにフェンダー内面の構造を改めるなど、細かな部分の造りにもこだわっている。

上級グレードはレザー☓スウェードのスポーツシートを採用。

後席と荷室容量はそれほど広くはないが、実用性に優れる2BOXパッケージのおかげもあって使い勝手は悪くない。

【モデル変遷＆グレード構成】1.2Lターボ車には6速MT仕様も設定

2018年6月に発売開始。
車載通信機DCMを全車に標準搭載することで多彩なコネクティッド機能に対応するなど、「コネクティッド」と「クルマ本来の楽しさ」を融合した“新世代ベーシック”カーであることをアピールしていた。
グレード構成はハイブリッド車もターボ車もG“X”/G/G“Z”の3タイプを設定。ターボ車は4WDも設定されている。発売1か月の受注台数は約9200台（月販目標台数は2300台）。

2018年8月に1.2Lターボ車（FF）の6速MT仕様を発売開始。

2019年9月に一部改良を実施。サスペンションのセッテイングを変更（カローラ/カローラツーリングと同内容）したほか、内外装に新カラー設定を追加。

2020年6月に一部改良を実施。一部グレードにシートヒーターを標準設定としたほか、外装色に新カラーを追加。同時に特別仕様車「G“Style Package”」「HYBRID G“Style Package”」を発売。

2021年7月に一部改良を実施。外装色に新カラーを追加。

2021年11月にカローラシリーズのグローバル累計販売5000万台を記念した特別仕様車「HYBRID G“Style 50 Million Edition”」を発売。

【試乗インプレ】乗り心地に優れる出来の良いサスチューンが印象的

「スポーツ」の名を冠することもあってガチガチにアシを固めた硬派なキャラを想像してしまうが、サスチューンは路面からの挙動を上手にいなす、乗り心地もしっかりと意識した味付け。走行ラインをしっかりトレースできる素直なハンドリングもあって、多くのユーザーが運転しやすさを実感できるモデルに仕上がっている。メカニズム設計が近いC-HRよりも、走りは洗練された印象が強い。

ハイブリッド車もターボ車も車格に見合ったスペックを持つが、扱いやすさはハイブリッド車の方が明らかに上。特に低中速域の反応と力感に優れている。一方、ターボ車は反応の俊敏さはハイブリッド車に劣るが、加速の伸びや高回転域の力強さに長けている。エンジンを回して楽しみたいユーザーならばターボ車の方が楽しめるだろう。

なお、燃費に関してはハイブリッド車が圧勝。熟成されたTHS Ⅱのおかげもあって、雑なアクセル操作でも実燃費22〜23km/Lは期待できる。