
6月9日にワールドプレミアされた新型「GX」から登場する本格オフローダー仕様の“OVERTRAIL”。2列シート5人乗りのみの設定で、悪路走破性など標準仕様を超える機能や装備が奢られているのが特長だ。
●文:月刊自家用車編集部
冒険心をくすぐる専用内外装のほか、悪路走破性を高める機能装備を数多く採用
レクサスでは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて「自然を理解し、楽しみ、守っていくアウトドア体験を届けたい」という想いから、大自然と共生しながらアウトドアライフスタイルを彩るクルマの楽しさと、様々な体験を提供する「OVERTRAIL PROJECT」を推進している。
“OVERTRAIL”(オーバートレイル)という言葉は、OVERLAND(オーバーランド)とTRAIL(トレイル)を結び付けた造語で、今回設定される新グレード名、そのものだ。前述したレクサスの想いを体現した新グレードで、徹底的に素性を鍛え上げた標準「GX」に対し、より本格オフローダーとして求められる専用機能やデザインを追求しているのだ。
エクステリアは標準「GX」に対してトレッドを20mmワイド化し、ブラックのアーチモールを採用して安定感のあるスタンスとすることで、よりタフさを強調したデザインとした。また、フロントとリヤのバンパーコーナー下端が切り上げられ、悪路走破性を一層向上させる。さらにアウターミラーカバーやドアハンドルがブラックアウトされ、精悍な印象に磨きをかけた。
ボディカラーには新規開発色の「ムーンデザート」を専用色として用意し、このほか“OVERTRAIL”仕様の特別感を引き立たせるバイトーンカラーも含めた、全6色をラインアップ。インテリアカラーには、「ブラック」と明るいアースカラーの「シャトー」の2色を設定。シートデザインも、エクステリアのアンダーグリル形状をモチーフにデザインされたエンボスパターンと、肩口にはアクセントとしてオリーブカラーのバイオウルトラスエードを採り入れ、専用の配色と加飾を採用することで特別感を高めている。
シートは専用デザインだけではなく、機能性アップも施されている。悪路走行時の頭部の揺れを低減するため、シートバックサイドを標準よりも柔らかくすることで、体がシートバックサイドに接触した時に胸部への左右の揺れをいなし、頭部のゆれを抑えて前方視界の安定化と疲労軽減を行うというものだ。
“OVERTRAIL”専用オールテレーンタイヤ(プロトタイプ)
走行性能もさまざまな機能を追加して悪路走破性を高めており、標準仕様を凌駕する内容となっている。まずは、タイヤメーカーと共同開発した、オンロードとオフロードの理想的な走行性能バランスを確保した専用の265/70R 18のオールテレーンタイヤだ。サイドウォールには泥濘路などにおける脱出性向上などの機能とタフな印象を持たせたトレッドパターンを採用。空力性能に影響のあるショルダー形状も最適化され、風の流れをコントロールし、燃費性能にも寄与する。
クロールコントロール(イメージ)
さらに岩石路やモーグル路などにおける路面追従性を向上させるレクサス初採用の「E-KDSS」や5段階の速度設定に合わせて、駆動力とブレーキ油圧を自動で制御し、ステアリング操作のみで極低速走行が可能な「クロールコントロール」、オフロード走行支援を、従来の5つのモードから、6つのモード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)へ拡充した「マルチテレインセレクト」を採用する。
「マルチテレインセレクト」は、従来のブレーキ油圧に加え、駆動力、サスペンションを統合制御し、ローレンジ(L4)のみだった動作範囲をハイレンジ(H4)にも拡張。岩石路の極低速走行から未舗装路の高速走行まで、幅広いシチュエーションで上質に走行できる機能へと進化させている。また、AUTOモードでは、各種センサーが路面状況を推定してブレーキ油圧、駆動力、サスペンション制御を最適化。ドライバーがモード切替しなくても、走破性を引き出すことができるという。
マルチテレインモニター(イメージ)
加えて、車両周辺の状況確認を4つのカメラでサポートするマルチテレインモニターも装備される。フロント/サイド両側/リヤに搭載したカメラでとらえた映像をカメラスイッチで切り替え、センターパネルの14インチディスプレイに車両周辺の映像を滑らかに映し出すというもの。アンダーフロアビューに切り替えると、手前で撮影された過去に映像を床下透過映像として表示し、現在の車両やタイヤ位置を合成して、車両下部の状態や前輪の位置を確認できるというもの。現行型ランドクルーザーやレクサス「LX」にも採用されている装備だ。
このように“OVERTRAIL”には、本格オフローダーとしての機能が満載されており、新型「GX」の価値を最大限引き出したグレードといえる。
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