
トヨタ・ランドクルーザーは国産車の中でも屈指の歴史を綴り続けているモデル。世界にも向けて「日本車」の優秀さを発信した最初のクルマともいっていい。第二回目となる今回は現行モデルの300系に通じるステーションワゴン(バン)仕様に注目。覚えておきたいモデルを紹介しよう。
●まとめ:月刊自家用車編集部(ハラ)
【1967 ランドクルーザー50系】求められるニーズに合わせたバン(ワゴン)仕様の50系を分離独立
1960年に登場した3代目ランドクルーザー(40系)は、24年も生産され続けたロングセラー。その長い歴史の中で多くの派生モデルが開発されており、快適性も求めるユーザーに対して4ドアボディのバン仕様を投入されていたが、1967年にその正常進化版として投入されたのが50系だ。
40系バンのロングホイールベースに代わるモデルとして新設計された4ドアバン(FJ55V)は、デビュー当初は直列6気筒の3.9Lエンジン(125PS)が積まれていたが、国内仕様車は高まる排ガス規制に対応するため改良が加えられ、1975年からは4.2L 6気筒エンジン(135PS)のFJ56Vに切り替わっている。
ランドクルーザー50(FJ55V)
【1980 ランドクルーザー60系】乗用車感覚を取り入れた最初のランドクルーザー
40系の流れを汲んだメカニズム機構を採用していた50系に対して、60系はホイールベースの延長や広めのトレッド幅を採用するなど主要メカニズムを大幅刷新。低く傾斜させたフロントウインドウや乗用車感覚を取り入れたスタイリングに前席セパレートシートや、エアコン、ファブリックシートなどが採用されたことでパーソナルニーズが強化されたこともあって、個人ユーザーにも支持されている。
パワートレーンは50系からの4.2Lガソリンのほか、新開発された3.4Lのディーゼル車もラインナップ。モデル後期にはターボやEFIの高性能モデル、ATやデフロック車も設定されている。
ランドクルーザー60(FJ60V)
【1989 ランドクルーザー80系】正式にステーションワゴンを設定。高級SUVのイメージが確立された
バブルまっただ中の1989年に登場。北米や豪州の要望もあり、60系より大きく丸くなったボディが特徴。このモデルからバン仕様に加えて、正式に乗用モデルのステーションワゴン仕様(8人乗り仕様)も設定された。
パワートレーンはワゴン仕様は4L直列6気筒ガソリン(155PS)、バン仕様は4.1LディーゼルNA(135PS)とディーゼルターボ(165PS)を設定。1992年には4.2Lガソリンエンジン(215PS)も搭載し、動力性能が大幅強化されている。
フルタイム4WDや4輪コイルスプリングなどSUV色を強めたモデルで、現在のランドクルーザーに連なる高級SUVの地位は、この80系で確立されたといっていい。
ランドクルーザー80系
【1998 ランドクルーザー100系】ラグジュアリー仕立てのシグナスが大人気
1998年にデビューした100系は、サスペンション機構を従来のリジットアクスル式からダブルウィッシュボーン/トーションバー独立式に変更したことで、4WDとしての基本性能とプレミアムモデルとしての快適性を高い次元で両立。内装加飾を上級仕立てにした上級仕様「シグナス」も投入することで、プレミアムSUVとしての魅力も大幅に強化している。
パワートレーンは、ステーションワゴンには4.7LのV8NAエンジン(235PS)、バンには4.2L直列6気筒ディーゼルターボ(205PS)をラインナップ。上級グレードには油圧車高調調整機能付きサスペンションをOP装着することも可能。
ランドクルーザー100系
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(旧車FAN)
テーマは「日本のクルマ文化の発展」。貴重な名車が公道をパレード 多くの歴史的車両を保有するトヨタ博物館が、年に一度開催するビッグイベント「トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル」が、去る2025[…]
ホンダ N360(1966〜1968) 半人前扱いだった軽自動車を若者の憧れに変身させた、二輪車で培った高性能技術。 民主的、という言葉を自動雑誌で使うのは勇気がいる。けれど、ホンダN360という軽自[…]
軽トラックTN360のボディを取り去ったフルオープンマルチパーパスカーだった ホンダZの誕生と時を同じくして鮮烈なデビューを飾ったのが、個性の塊とも言えるバモスホンダである。ベースとなっているのは、主[…]
四輪ラインナップの中核として期待され生まれた「1300」 「ホンダ・1300」は、1969年に発売されたホンダの小型乗用車です。 1960年代のはじめ、オートバイメーカーとしてすでに世界的な地位を確立[…]
スズキ フロンテ360(LC10) 得意の2ストロークエンジンをリヤに搭載し、激戦の軽乗用車クラスに参戦 大人4人がくつろいで乗れる広さを持ち、高速道路も100㎞/hで快適に走れる。現代の軽自動車では[…]
人気記事ランキング(全体)
機能性、サイズ感、価格のどれをとってもちょうどいい。初めての人にもオススメ! 今回紹介する車は、キャンピングカーの販売や修理を手がけるロッキー2のオリジナルキャンパー、MV(マウンテンヴィレッジ)シリ[…]
インパクト大の外装! しかも軽キャンパーで就寝定員4名を実現! 今回紹介するキャンピングカーはオフタイムBASE。島根県のキャンピングカー専門店スマイルファクトリーのオリジナル軽キャンパーで、ジャパン[…]
コンパクトなサイズのディスプレイ。取り付けは超カンタン どうしても必要というワケではないが、なんとなく気になるグッズやアイテム、皆さんもあるのではないだろうか? 今回紹介するのは、自車の車速や方角など[…]
自力ではほぼ無理? 拭き取りにくいフロントガラスの奥の方問題 車種によって異なるが、例えばプリウスのように、フロントガラスが極端に寝かされたデザインだと、奥の方まで手が入りにくく、洗車の際や窓が曇った[…]
ベース車両はホンダN-VAN 今回紹介する軽キャンパー、ベースとなる車両はホンダの人気モデルN-VANだ。積載性を重視した作りである一方で、最新のNシリーズらしい走りの質の高さが特徴となっている。 N[…]
最新の投稿記事(全体)
C-Class 206 Launch Campaign 「C200」と「C220 d」に“Sports“と“Luxury“、2つのモデルをラインアップ 2021年に発表された現行モデルは、より高度に進[…]
余裕のキャビンに豪華装備をプラスすることで、7シリーズ級の快適性を実現 今回導入される「525Li Exclusive M Sport」と「i5 eDrive35L Exclusive M Sport[…]
日産のフラッグシップを象徴するモデルとして、大きな期待が集まっている 2026年度に発売が予定されている次期エルグランド。まず外観が先行公開されたが、今回明らかになったメカニズム情報からも、かなり期待[…]
Data System デジタルルームミラー(DRM6030) 付属する専用カメラはソニー製センサーを採用 今回取り上げるデータシステム「DRM6030」は、11V型サイズのルームミラーモニターに、フ[…]
- 1
- 2