
レクサスは「ジャパンモビリティショー2023(一般公開日:2023年10月28日(土)~11月5日(日)、場所:東京ビッグサイト)」で、2026年導入予定の次世代バッテリーEV(BEV)のコンセプトモデル「LF-ZC」を世界初公開した。注目は未来的なエクステリアだけでなく、「ギガキャスト」や「次世代電池パフォーマンス版(角形)」など先進技術が惜しみなく投入されている。
●文:月刊自家用車編集部
次世代バッテリーEVプラットフォームに最新の電動化技術とソフトウェアを組み合わせ「走りの楽しさ」を実現し、航続距離1000㎞を目指す
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」は、クルマ屋LEXUSならではのドライビング体験とサービスでユーザーのライフタイルを豊かにすることを目指した次世代バッテリーEV(BEV)モデルだ。
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」
レクサスでは次世代バッテリーEV(BEV)の開発に向けて、長年に渡り磨き上げてきた走りの味の継承と、電動化技術の進化によって、機能と美しさに妥協のない「クルマ屋ならではのBEV」を実現する、としている。このビジョンを具現化したのが、今回発表した「LF-ZC」だ。
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」
レクサスの電動化を象徴するモデルとして、低重心かつ凝縮感あるフォルムを採用。デザインテーマは「Provocative Simplicity」。挑発的な存在感と研ぎ澄まされたシンプルなデザインを目指し、独自性を発展。バッテリーEV(BEV)ならではの、機能と構造をデザインの特徴とすることで心を揺さぶる低重心で凝縮感ある美しいフォルムを追求している。
特徴的なスピンドルボディは、フロントフェイスに留まらず、ドアサイド、リヤバンパーへと断面を連続させ、電動化による機能とデザインの進化を全方位で象徴的に表現した、としている。また、低く構えたフードから連続させたスリークなシルエットと後方に向かって大きく絞り込んだキャビンのフォルムでリヤタイヤの張り出しを強調。高い空力性能とワイドなスタンスを両立している。
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」
室内空間は、前席乗員を前方に低く着座させて広がりを生み出し、フルフラットなフロアやパノラマルーフで広い頭上空間を確保。インパネは、従来のコックピットでは広く散らばっていた各種の操作機能を、ステアリング両サイドのデジタルパッドに全て内蔵する「Digitalized Intelligent Cockpit」を採用。
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」
内装には、サステナブルな取り組みとして「Bamboo CMF(Color、Material、Finishの略)Concept」を採用し、テクノロジーを通じて伝統的な素材の新しい可能性に挑戦。環境への配慮と、上質でラグジュアリーなデザインの二律双生を表現している。
走行性能では、「RZ」などのバッテリーEV(BEV)開発で培ってきた四輪駆動力システム「DIRECT4」のシームレスな駆動力コントロールや、「ステアバイワイヤ」による直感的でリニアなステアリングフィールにより、人とクルマが一体となった走りの気持ち良さや楽しさを追求。さらに、エンジンルームが不要なBEVならではの特徴を活かし、目標Cd値0.2以下という高い空力性能とデザイン性の両立を目指し低いフードとカウルを実現している。
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」「次世代電池パフォーマンス版(角形)」
バッテリーには、「次世代電池パフォーマンス版(角形)」を採用。電費性能を向上することで従来のバッテリーEV(BEV)と比べて約2倍の航続距離1000㎞の実現を目指す。航続距離に対する不安を払しょくし、街乗りからロングドライブに至るまでユーザーに運転する楽しさを提供する、としている。
また、最新AI技術を活用し、バトラー(執事)のように振る舞う次世代音声認識を採用して、ソフトウェアカスタマイズ機能の学習制御により、運転するたびに車両側がユーザー寄り添った最適なセッティングに自動で変更する。
そして、新たなソフトウェアプラットフォーム「Arene OS」を採用。好みに応じた様々なクルマの操作、駆動力、音、振動を再現することも可能という、クルマの乗り味についてもかつてない体験を提供する。ステアバイワイヤとOTA(Over The Air)を組み合わせることで、バーチャル空間での車両のセッティングを現実世界で実現する。
次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」ギガキャスト
レクサスの次世代バッテリーEV(BEV)では、2023年9月に「トヨタモノづくりワークショップ」で生産への取り組みが公開された「ギガキャスト」を採用。車体をフロント、センター、リヤに3分割した新モジュール構造で、キャスト化による形状自由度の向上でしなやかさを実現し、一体成形により締結部を低減することで剛性を高め、操作に対してリニアでより自然なフィーリングを実現するという。
新しい生産技術の採用や開発中の「次世代電池パフォーマンス版(角形)」搭載や空力性能や軽量化による車両効率や電池性能の向上による航続距離1000㎞など、2026年に登場する市販型が一体どんな形になるのか楽しみな一台だ。
■次世代バッテリーEVコンセプト「LF-ZC」主要諸元
・全長:4750mm
・全幅:1880mm
・全高:1390mm
・ホイールベース:2890mm
・航続距離:1000㎞(目標値・ CLTCモード)
・Cd値:0.2以下(目標値)
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