スズキは、製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現し、カーボンニュートラルな世界を目指すため、10年先を見据えた技術戦略を発表した。
●まとめ:月刊自家用車編集部
スズキが発表した技術戦略
●軽くて安全な車体
スズキが得意とする小さく軽いクルマは、走行時のCO2排出量が少ないだけではなく、製造に必要な資源や製造で排出するCO2も少なくでき、省資源やCO2削減に貢献してきたという。
そこで、安全で軽量な「HEARTECT(ハーテクト)」を更に進化させ、軽量化技術によるエネルギーの極少化に取り組んでいく。
●バッテリーリーンなBEV/HEV
スズキは国や地域の再生可能エネルギー化の状況、ユーザーの使用状況に合わせ、最もエネルギー効率が良い選択となる「適所適材な電動車をユーザーに届ける」ことを目指し、小さく効率が良い電動ユニット、小さく軽い電池など「小・少・軽・短・美」を体現し、エネルギーを極少化した電動車を開発していく。
●効率良いICE、CNF技術 (ICE:Internal Combustion Engine、CNF:Carbon Neutral Fuel)
スズキは、2023年、内燃機関の根幹となる燃焼を追求した高効率エンジン(Z12E型エンジン)を開発し、最大熱効率40%を達成。今後はこの高効率エンジン技術を全展開するとともに、カーボンニュートラル燃料対応や、次世代ハイブリッドによるエネルギー極少化を実現する。
●SDVライト(SDV:Software Defined Vehicle)
スズキは、SDVについても「小・少・軽・短・美」によるエネルギー極少化を具現化したアフォータブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」を開発し、ユーザーに提供をしていくとしている。ソフトウェア更新は有線と無線(OTA)をベストミックスし、より使いやすいものに。また、ハードウェアを共有して部品費を抑え、ソフトウェアを再利用して開発費を抑えるなど、「これでいい、これがいい」とユーザーが感じられるSDVを目指していくとした。
●リサイクルしやすい易分解設計
これまでのリニアエコノミー(直線型経済)では、原材料採掘から製造・利用・廃棄の流れが一方向で、エネルギーの大量消費、資源の枯渇、環境破壊を引き起こしてきたという。スズキは今後、リサイクルや再利用を前提にした分解しやすい製品設計を行うことで、資源の総使用量を抑制し、エネルギー極少化によるサーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現していくとしている。
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