
ポルシェジャパンは、911ターボ誕生50周年を記念した限定モデル「911ターボ50イヤーズ」の予約受注を全国のポルシェ正規販売店を通じて開始した。価格は3642万円。
●まとめ:月刊自家用車編集部
ターボのフィーリングとデザインを備えた、ユニークなアニバーサリーモデル
今回導入される「911ターボ50イヤーズ」は、卓越したパフォーマンスと最高級の素材を独自のデザイン要素と組み合わせた限定モデル。
先代911ターボSをベースに、歴代の911ターボを彷彿とさせるインテリアとエクステリアを与えることで、特別な911に仕上げられている。さらにオプションのヘリテージデザインパッケージを追加することで、アニバーサリーモデルの美しさが引き立つという。
なおこのモデルの生産台数は、初代911ターボがデビューした年にちなみ、世界限定1974台が生産される。
911ターボ50周年記念モデルの概要
1974年に登場したタイプ930のポルシェ911ターボは、ポルシェ独自のターボ技術を市販のハイパフォーマンススポーツカーに導入した、これまでにない日常的な使いやすさを組み合わせたモデル。2019年に発表された911ターボSをベースとする911ターボ50周年記念モデルはこの遺産に敬意を表するとともに、その再解釈を試みている。
標準装備のサイドビニールグラフィックは、1973年のフランクフルトモーターショーで発表されたポルシェ911ターボの前身であるポルシェ911 RSRターボの歴史的なカラーリングにちなんだもの。
ポルシェターボ専用カラーのターボナイトが初めて911に採用されるということもトピックのひとつ。ターボナイトは、リアエンジンカバー、燃料タンクキャップ、ポルシェクレストのインレイ、“Turbo 50”のモデルロゴにもコントラストカラーとして使用される。
リアウイングブレード、リアエプロン、ミラーベース、エアインテークトリムに採用されているアンスラサイトグレーも歴史への言及のひとつ。リアエンジンカバーグリルのバッジには、ターボチャージャーのアイコンと1974-2024の西暦があしらわれているほか、ドアを開くと、LEDドアプロジェクターが車の横の地面にターボチャージャーの映像を投影する演出も加えられる。911ターボ50イヤーズには、ターボナイトの911ターボSエクスクルーシブデザインホイールが標準装備される。
1970年代の911を思い起こさせる、特別なインテリア
911ターボ50イヤーズのインテリアにもターボの歴史が色濃く反映。ポルシェ911ターボ初期モデルへの特別なオマージュとして、アイコニックなマッケンジータータンがシートカバーのセンターパネルとインテリアドアパネルを採用。ターボナイトのコントラストが通常の911ターボSとの違いをさらに際立たせている。
ターボナイトアクセントには、シートベルト、スイッチ類、デコレーティブステッチ、ブラックレザーのデコレーティブインレイ付トリムストリップ、GTスポーツステアリングホイールのポルシェクレストが含まれるほか、ブラックブラッシュアルミニウム仕上げのドアキックプレートには“Turbo 50”ロゴのイルミネーション、アダプティブスポーツシートプラスのヘッドレストには同ロゴの刺繍、左側リアシートの背面にも“Turbo 50”ロゴが配される。
グローブボックス上には、“Turbo 50”ロゴとリミテッドエディション番号が刻まれたアルミニウム製記念プレートが配されるほか、Aピラーやサンバイザー、ルーフライニングのトリムはパンチングRace-Tex製を用いる。ダッシュボードには、専用デザインのアナログ式ポルシェデザインサブセコンドクロックが装備されている。
追加オプションでヘリテージデザインパッケージも選択可能
歴史にインスパイアされたオプションの50イヤーズ・オブ・ターボヘリテージデザインパッケージは、1970年代の911ターボモデルを彷彿とさせる数々の専用デザインと装備でアニバーサリーモデルを補完する役割を担う。
ヘリテージデザインパッケージのベースカラーは、アベンチュリングリーンメタリックになるが、911の標準カラーとPTSプログラム塗装カラーの両方が用意。ヘリテージデザインパッケージの構成要素のひとつは、0から99までの個別に選択可能なカーナンバーが付いたロリポップ、“50 years of Turbo”ロゴ、および“Porsche”ロゴの3つの要素で構成されるホワイト(サテン仕上げ)の高品質なデコレーティブグラフィック。ミニマルな外観を好むユーザーにはグラフィック要素の一部または全部を省くことも可能。フロントボンネット、およびブリリアントシルバーとホワイト(サテン仕上げ)で塗装されたスポーツクラシックホイールのセンターキャップには、1964年の歴史的なポルシェクレストがあしられる。リアの“Turbo 50”と“Porsche”のロゴはゴールドとなる。
インテリアは、レザーの追加装備とタータンチェックのデザインエレメントにより、特別なアニバーサリーモデルがさらに引き立つアプローチ。ほかにもダッシュボードトリム、グローブボックス、シートバックレストのインレイにはクラシックパターンを採用。ステアリングホイールには歴史的なポルシェクレストが取り付けられており、センターコンソールの収納ボックスにはレザーにエンボス加工された“Porsche Exclusive Manufaktur”ロゴが備わる。メーターパネルの文字盤とスポーツクロノクロックはグリーンで仕上げられている。
パワートレーン&メカニズムについて
ポルシェ911ターボ50イヤーズのベースモデルは、2019年から生産されている911ターボS。可変タービンジオメトリー(VTG)ツインターボを備えた3.7リッター水平対向エンジンは、最高出力478kW(650PS)、最大トルク800N・mを発生。車両重量は1,640kgで、パワーウェイトレシオは2.52kg/PS、911ターボ50は静止状態から100km/hまでわずか2.7秒で加速し、200km/hまでの加速タイムは8.9秒となる。
トランスミッションは8速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)、完全可変トルク配分電子制御式リアディファレンシャルロックを含むポルシェトルクベクトリングプラス(PTVプラス)を備えたアクティブ4WDのポルシェトラクションマネジメント(PTM)が組み合わされ、最適なパワーがホイールに伝達される。ブラックテールパイプ付のスポーツエグゾーストシステムは標準装備。
車高を10mm低く設定するポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)スポーツサスペンションと、フロントアクスルのリフトシステム、ポルシェダイナミックライトシステムプラスを含むLEDマトリックスヘッドライトも標準装備。標準のPCCBブレーキシステムのブレーキキャリパーはブラック仕上げとなる。
時代を超えたスポーツカーのための専用クロノグラフも発売
ポルシェデザインタイムピースは、911ターボ50イヤーズのオーナー専用に、アニバーサリーモデルへのオマージュとして特別なタイムピースを発売。911ターボ50イヤーズクロノグラフは、COSC認定のフライバック機能付きポルシェデザインムーブメントWERK 01.200を搭載する。
自動車と同様に、この時計も1,974本の限定生産で、クラシックなデザインと現代的なテクノロジーが融合。ターボナイトのエレメントを配したブラックの文字盤は、ダッシュボード上のクロックを完璧に再現し、ブラックの車両用レザーにターボナイトのデコレーティブステッチを施したストラップは、フォールディングクラスプを備えている。
透明なケースからは、911ターボ50のホイールと同じスタイルの巻き上げ式ローターが楽しめ、チタン製ハウジングに刻印されたリミテッドエディション番号は、車両のリミテッドエディション番号に対応している。このクロノグラフには、ヘリテージデザインパッケージと組み合わせた特別バージョンも用意される。
911ターボ50イヤーズクロノグラフ
車種 | トランスミッション | ハンドル | 価格 |
---|---|---|---|
911ターボ50イヤーズ | 8速PDK | 右/左 | 3642万円 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ポルシェ)
現代技術と伝統が融合 ─ ハイブリッドで蘇るヘリテージ ポルシェ911スピリット70のベースとなるのは、高効率なパフォーマンスハイブリッドを搭載した現行の911カレラGTSカブリオレ。新開発の3.6リ[…]
シューマッハをして「重すぎる&遅すぎる」と言わしめた登場時の964ターボ 歴代ポルシェ911ターボの中でも、1991年に発売された964ターボほど評判の悪かったモデルはありません。 なにしろ、[…]
ポルシェは2024年から東京マラソンオフィシャルパートナーとして運営車両を提供 ポルシェジャパンは、東京マラソンオフィシャルパートナーとして3年契約を結んでおり、東京マラソンの運営を支援する車両提供を[…]
誕生から25周年を迎え、さらなる高みに達した911の人気バージョン 世界中のスポーツカーメーカーが指針とするポルシェ 911シリーズは、1963年のデビューから60年を経た現在もデザインや基本コンセプ[…]
今回導入の2グレードの追加で、11のバージョンファミリーが完成 現行タイカンは、全モデルに先代モデルの出力を最大80kW上回る新型リアアクスルモーターを採用したことでパワーが増したほか、航続距離や加速[…]
人気記事ランキング(全体)
ベース車両は日産のNV200バネット 日産「NV200バネット」は、2009年に登場した小型商用バン。全長4400mm、全幅1695mmという取り回しのしやすいサイズ感で、都市部でも扱いやすいことが大[…]
樹脂パーツの劣化で愛車が古ぼけた印象に…。でもあきらめないで! いつも目にしている愛車が、なんとなく古ぼけた感じに…。それ、樹脂パーツの劣化が原因かもしれない。最近の車種は、フェンダーやバンパー、ドア[…]
エブリイ“ワゴン”をベースにしたことで得た快適性 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。同じくATV群馬が展開する「RS1」がバン仕様であるのに対し、RS1+は乗用モデルならではの快適性[…]
ミニバンの余裕を生かしたキャンパー設計 「フリースタイル」のベース車は、ホンダ・フリード+。もともとフリード+は、2列シート+広大な荷室という構成で、荷物の多いユーザーや趣味を楽しむ人々から支持を集め[…]
ソニーの最新技術を採用、夜間も強いニューモデル コムテックは、様々なタイプのドライブレコーダーをリリースしており、ハイエンドから普及機、ユニークなモデルなど、多様なユーザーの要望に対応する。また、ドラ[…]
最新の投稿記事(全体)
長年培ってきた音の技術が注がれるハイエンドモデル パイオニアが新たに立ち上げた車載用ハイエンドシリーズ「GRAND RESOLUTION」。そのスピーカー2モデル「TS-Z1GR」と「TS-HX1GR[…]
高速道路上での不意の車両トラブルに迅速に対応できる緊急表示器 高速道路や自動車専用道路では、緊急のトラブルでクルマを停車させる場合、後続車にその危険性を認知させるため、停止表示器材(いわゆる三角表示板[…]
幼少期の記憶から始まるモータースポーツの入口 子どもの頃に遊園地やテーマパークで気軽に乗れたゴーカートの楽しい思い出は、大人になっても色褪せないものである。でも今までは、それが単なる楽しい思い出で終わ[…]
描かずにはいられない、「的」となる人々 来場者の似顔絵を描いてもらえるかも!? また、会期中は小川けんいち氏本人が会場に在廊し、来場者の似顔絵をその場で描く特別サービスも実施予定です。作家と直接触れ合[…]
車載クーラー標準装備で夏も快適。「ツェルト キリマ」 12V車載クーラーを標準装備しているので外部電源を必要とせず、大容量サブバッテリーで駆動可能なこのエアコンは、暑い夏の夜でも快適な車内環境を保つ。[…]
- 1
- 2