近年、交通事故やあおり運転などの問題が深刻化する中で、ドライブレコーダー(以下、ドラレコ)の必要性が高まっています。ひと口にドラレコと言ってもさまざまな種類があり、それぞれの違いを理解している人は意外と少ないかもしれません。また、2024年5月からは、継続生産車へのドラレコ搭載が義務化されており、今後もますます普及していくものと考えられます。
ではドラレコにはどのような種類があり、それぞれどのようなメリット/デメリットがあるのでしょうか。
●文:月刊自家用車編集部(ピーコックブルー)
一体型ドライブレコーダーのメリット・デメリット
ドラレコは、形状や取り付け方法によって大きく3つの種類に分類されます。
一般的に知られているのは、「一体型」、「セパレート型」、「ミラー型」の3種類。それぞれの特徴を理解することで、自身の車種や使用目的に合ったものを選べるでしょう。
まず「一体型」は、その名の通りカメラと録画機が一体になったタイプです。設置が簡単で、電源コード1本だけで済むことが多く、配線周りをすっきり保てるのがメリットです。また比較的リーズナブルな価格のモデルが多く、低コストで設置できることも魅力的なポイントと言えるでしょう。
ただし、カメラ・録画機一体型という仕様上、どうしてもサイズが大きくなり、車内に存在感を出してしまう傾向があります。
コンパクトとはいえ、フロントガラスに取り付けると運転中に目に入りやすく、気になる人も少なくないかもしれません。また設置場所が限られやすく、ルームミラー裏などに設置すると操作がしづらいといったデメリットもあります。
セパレート型ドライブレコーダーのメリット・デメリット
セパレート型のドラレコは、カメラユニットと録画機が分離した構造を持つのが特徴です。設置の自由度が高く、カメラと録画機は別々に配置可能で、車種や個人の好みに合わせて好きな位置に取り付けできます。
また、カメラがコンパクトで目立たない場所に配置できるため、車内の景観を損なわない点もメリットのひとつです。
しかし、セパレート型はカメラと録画機を接続する必要があり、配線作業が一体型よりも複雑になるのが難点です。
さらに、配線の引き方によっては地上デジタル放送の電波と干渉してしまい、録画機からの電磁波がテレビの受信に影響を与え、車内でテレビを視聴する際に画質の劣化や受信不良を引き起こすケースもあるようです。
ミラー型ドライブレコーダーのメリット・デメリット
ミラー型は、既存のルームミラーを置き換えるか、その上に取り付けて使用するタイプです。通常のルームミラーとほぼ同じ形状なので装着後の違和感が少なく、視界の妨げになりません。
また、車両の前後2か所に設置するタイプが主流で、後方はリアトランクやリアゲートに取り付けるため、荷物を満載にした状態でも問題なく後方の様子を映し出せます。さらに、ほかのタイプよりもモニターのインチサイズが大きく、大画面で映像を確認できるのもメリットです。
暗い場所での映像も鮮明に映し出せるため、夜間においては裸眼でルームミラーを確認するよりも高い視認性を得られるでしょう。
一方で、ミラー型にも注意すべき点がいくつか存在します。まず、もっとも気をつけるべきは、反射の映り込み。フロントガラスからルームミラーまでの間隔が広い車種に設置すると、フロントガラスに反射した映像がカメラに映り込んでしまうことがあります。
この問題は角度調節などでは解決できないため、自分の車種に合ったドライブレコーダーを選ばなくてはいけません。また、ミラー型は設置場所の関係でカメラの撮影範囲がワイパーの動作範囲外になる場合もあり、雨天時はフロントガラスに付着した水滴で映像が確認しづらくなるケースも。撥水コーティング剤などを使用して、水滴の付着を防ぐ工夫をしましょう。
さらに、一部の車種では運転支援システムと干渉する可能性があります。
たとえば、ルームミラー裏に設置された運転支援システムのカメラと、ミラー型ドラレコのカメラが互いの視野を妨げてしまう場合があるそうです。ただしこれらの仕組みは車種によって異なるため、運転支援システム搭載のクルマにドラレコを設置する際は、カメラの干渉がないか購入前に確認しておくと安心です。
このように、ドラレコには「一体型」、「セパレート型」、「ミラー型」の3種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。各タイプの特徴を理解したうえで、慎重に比較検討しましょう。
ドラレコを選ぶにあたっては、自身の車種や使用環境、優先する機能を十分に考慮することが重要なポイントです。
コスパ優秀!編集部おススメドライブレコーダー
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