クーペGL
デビューから約1年後に追加された3ドアクーペ。サーフィンラインのスカイラインと同じように、ボディサイドには力強いマッハラインが一閃。後席シートバックは前方に倒せ、広い荷室を実現した。
A10型。988㏄ のシングルキャブ。本来FRのサニーに積まれたこのエンジンをチェリーは横置きに積んでいる。
チェリー1200X-1レースカー
チェリーはFF車の利点を活かし、雨のレースで圧倒的な強さを発揮した。レース車両の開発は、村山の第2特殊車両実験課(エンジンは荻窪)が担当、発売翌月の1970年11月には早くも富士でテストを実施。デビューレースは1971年10月の富士GC・第5戦「マスターズ250㎞ 」。このときまだ2ドアX-1だったチェリーは、降りしきる雨の中で見事なワンツーフィニッシュを飾っている。
レースカーさながらのオーバーフェンダーを標準装備し、スポーツ嗜好を掻き立てたクーペX-1・R。
クーペ1200X-1・R (1973年式)
●全長×全幅×全高:3690㎜ ×1550㎜ ×1310㎜ ●ホイールベース:2335㎜ ●トレッド( 前/後):1270㎜ /1235㎜ ●車両重量:645㎏ ●乗車定員:5名●エンジン(A12型):直列4気筒OHVツインキャブ1171㏄ ●最高出力:80PS/6400rpm●最大トルク:9.8㎏ ・m/4400rpm●最高速度:160㎞ /h●最小回転半径:4.6m●トランスミッション:4MT●サスペンション( 前/後):マクファーソンストラット独立/トレーリングアーム独立●ブレーキ(前/後):ディスク/ドラム●タイヤ:165/70HR13◎新車当時価格( 東京地区):65.0万円
A12型ツインキャブエンジン。ストックで80馬力のハイパワー、このクラスのレースのベースエンジンとしても多く使われた。
チェリーF-Ⅱ
プリンス技術陣のこだわりと意地が込められたチェリーは、1974年に2代目へと移行した。ただし、その内容は初代ほど斬新なものではなかった。すっかり日産の経営機構に組み込まれた荻窪の開発陣は、F-Ⅱのサブネームが与えられた2代目チェリーを凡庸な上級指向のコンセプトで開発せざるを得なかったのだった。
ボディサイズはサニークラスまで拡大され、室内空間はより広くなった。日産の基準に則って初代クーペの死角だらけの視界は改善され、高速道路の合流で怖い思いをすることもなくなった。初代ではトリッキーで扱いにくかったハンドリングも洗練され、騒音振動もすっかり上級車並みになっていた。
1.4ℓシリーズはスポーティな丸型メーター(1.2ℓは角形)。無反射ガラスを採用。スイッチはステアリングコラム周辺に集中して配置された。
F-Ⅱの主力A12型エンジン。低速からトルクフルで、高回転までよく回った。ちなみにA14型はシングルキャブ(80ps)とツインキャブ(92ps)があった。
先代チェリーに比べてボディはひと回り大きくなり、サニーとほぼ同格のクルマとなったF-Ⅱ。FF方式ということで車内はむしろこちらの方が広かったはずだ。
クーペ1400GL(1975年式)
●全長×全幅×全高:3825㎜ ×1500㎜ ×1315㎜ ●ホイールベース:2395㎜ ●トレッド(前/後):1280㎜ /1245㎜ ●車両重量:760㎏ ●乗車定員:5名●エンジン(A14型):水冷直列4気筒OHV1397㏄ ●最高出力:80PS/6000rpm●最大トルク:11.5㎏ ・m/3600rpm●燃料タンク容量:40ℓ●最高速度:160㎞ /h●最小回転半径:4.8m●トランスミッション:前進4段、後進1段●サスペンション(前/後):ストラット式独立懸架/トレーリングアーム式独立懸架●タイヤ:6.15S13 4PR ◎新車当時価格(東京地区):76.1万円
2ドアセダン
シルエットは4ドアセダンとほぼ変わらない2ドア。この当時後席に乗車する子供の安全性や価格の安さなどから、2ドアセダンの需要は高かった。
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