
ベントレーは、特別仕様の「バトゥール The Black Rose」を発表。このビスポークモデルはオーナーとともに創り上げる“コ・クリエーション”の精神を体現した1台であり、ローズゴールドの美しさをテーマに掲げた唯一無二のバトゥール。ビスポークの極致ともいえる仕上がりはまさに「走る貴金属」であり、ハイエンドカーメーカーであるベントレーの技術力とセンスが際立つ特別モデルだ。
●文:月刊自家用車編集部 ●写真:ベントレー・ジャパン
ベントレーのスペシャルモデル「マリナー バトゥール」をさらに昇華
自動車界において、特別なオーダーメイドに応えるメーカーはごく少数ながら存在する。英国車を代表するハイブランド、ベントレーもその一角であり、そのパーソナルコミッショニング部門である「マリナー」では特注の装備や仕上げのオーダーに応え、さらには完全に新規で製造するコーチビルドカーまで手掛けている。
そもそもマリナーとは、エリザベス1世が即位したわずか1年後の1559年に馬車と馬具の製造業を営んでいた一家にまで遡ることができ、1760年にF・マリナーがロイヤルメールの馬車製造とメンテナンスを受注したときから連綿と歴史を紡いできた世界最古のコーチビルダーと呼ばれる。
1923年にベントレー 3リッターのコーチビルドを手掛けてからベントレーとのパートナーシップがスタートしたマリナーは、ベントレー Rタイプ コンチネンタルを4シーター化したフライングスパーを1957年に生み出すなどベントレーの歴史に大きな影響を与えたが、1959年にはベントレーの一事業部門へと収束した経緯がある。
21世紀のマリナーによるコーチビルドカーは、2002年のエリザベス女王即位50周年を記念して製造されたリムジン(HER MAJESTY THE QUEEN’S STATE LIMOUSINE)を経て、2020年に限定12台のみリリースされたマリナー バカラルから本格的に始動。
さらにベントレーのデザイン革命の象徴として2022年にマリナー バトゥール(限定18台)、そして2024年にマリナー バトゥール コンバーチブル(限定16台)と続き、2025年そうそうにマリナー バトゥールのビスポークモデルとして内外装に豪華なローズゴールドの意匠を満載した「バトゥール The Black Rose」をリリースした。

ベースになったマリナー バトゥールのクーペモデルは2022年に登場。エクステリアの斬新さのみならず、6リッターW12型ツインターボが発生する最高出力750PS/最大トルク1000Nmも注目された。バトゥール The Black Roseにも同エンジンが搭載されている。

ただでさえマリナーが手掛けるスペシャルモデルであるバトゥールを、たった1台のみのビスポークモデルとしてオーナーの意に沿う特別装備を与えたバトゥール The Black Rose。ベントレー マリナーの最新作だ。
全身をローズゴールドのトーンで演出したスペシャルな装い
バトゥール The Black Roseは、オーナーとマリナーのデザインチームが共同で作り上げた唯一無二の存在だ。
ボディにはマリナーが特別に調合したメタリックカラー「Black Rose」を採用し、グロス仕上げのベルーガカラーがアッパーボディを引き締める。
フロントグリルやエンドレスボンネットラインのブライトウェア、ミラーキャップ、ロワーボディキット、22インチのトリトンホイールには、サテンローズゴールドのアクセントが施され、ブラックキャリパーと組み合わされたカーボンセラミックブレーキがさらなる迫力を演出。
ゴールドカラーはもちろん価値を感じさせるものだが、使いようによっては品格を落とす恐れもある諸刃の剣。しかしバトゥール The Black Roseが採用するBlack Rose=サテンローズゴールドカラーは落ち着いた印象の中に確かな気品を湛え、500年近く世界のエスタブリッシュメント層に重宝されてきたマリナーの重厚な歴史にふさわしい見事な調和を実現した。
フロントグリルやエンドレスボンネットラインのブライトウェア、ミラーキャップ、ロワーボディキットなど至る所にサテンローズゴールドが施される。同じくサテンローズゴールドで彩った22インチホイールは圧倒的な存在感を放っている。
くすんだサテンローズゴールドの差し色は、品格を落とさぬようさりげなく、さりながら強烈に見たものの印象に残る絶妙なアクセント。ただでさえ特別感の漂うバトゥールを、さらなる高みへと昇華しているマリナーの手腕には脱帽だ。
ゴージャスでエレガント。たった1台のみに許されたインテリア
エクステリアの印象が意図的に落ち着いたムードを漂わせるのと対象的に、インテリアはせきを切ったように豪華なアイテムとデザインを採用して目を奪う。深みのあるダークトーンのレザーやファブリックが広がり、その中でローズゴールドの輝きが一層際立つのが見て取れるだろう。
随所に配置されている最大210グラムのホールマーク付き18Kローズゴールドは、ベントレーの最先端技術である金属積層造形(AM)3Dプリンティングを活用したもので、ドライバーモードセレクターやエアベントコントロール、ステアリングホイールのインサートマーカーなど、運転時に触れる主要なポイントに贅沢に使用され、精緻なクラフツマンシップが感じられる。
ローズゴールドの魅力をさらに印象深くさせているのは、素材の組み合わせによる調和の取れた車内空間だ。リッチなベルーガレザー、チャコールグレーのツイードファブリック、Black Roseメタリック塗装のべニアがキャビン全体を洗練された雰囲気に包み込む。
また、ベントレーはCooksongoldと提携し、業界初となる3Dプリントによるゴールド加工を実現。100%リサイクルされたジュエリーを原材料としたサステナブルなラグジュアリーを追求しているのも、環境問題に注力しているベントレーらしい。
ドライバーが手に触れる箇所には18金ローズゴールドを贅沢に配し、見た目だけでなく手触りすらも特別なものとしている。18金ローズゴールドは最大210グラムに及び、すべてのゴールドパーツにはバーミンガムのジュエリークォーターのホールマークが刻印されている。
マリナーのビスポーク部門では、航空宇宙技術に着想を得たチタンやコーヒー焙煎の副産物を活用したレザーライクなサステナブル素材など多彩なオプションを提供。これらは豊富なレザーやウッドトリムと組み合わせることで無限のカスタマイズを可能としている。
ビスポークモデルという究極の選択肢
クルマ好きなら誰でも夢見る自分だけの1台。それはベントレーのコーチビルドを始めとしたビスポークモデルが叶えてくれる。
もちろん対価が途方もないのは間違いなく、このバトゥール The Black Roseも販売価格がいかほどか明らかにされていないので想像するしかない。もしそれでもベントレー マリナーによるコーチビルドカーに興味があるなら、臆せずベントレーに相談してみてはいかがか。ベントレー マリナーは本物のクルマ好きを待っている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(大人気商品)
知らない間に進行してしまうヘッドライトの曇り。原因は紫外線 「最近、なんかヘッドライトが暗いな…」「光が拡散しているような気が…」。愛車のヘッドライトの光量について、このように感じたことはないだろうか[…]
ネジがナメてしまうトラブルを未然に防止するドライバー ネジを外そうと力を込めてドライバーを回すと、ビス山(ネジの十字の部分)から工具の先端部分が外れ、ビス山が潰れてしまう「ネジがナメた」と呼ばれる現象[…]
春から初夏の車内での休憩にぴったりのアイテム ドライブの合間のちょっとした休憩、車の中でちょっと睡眠をとりたくなることはよくある。筆者は取材などでロングドライブすることも少なくなく、さらに趣味が釣りな[…]
自力ではほぼ無理? 拭き取りにくいフロントガラスの奥の方問題 車種によって異なるが、例えばプリウスのように、フロントガラスが極端に寝かされたデザインだと、奥の方まで手が入りにくく、洗車の際や窓が曇った[…]
コンパクトなサイズのディスプレイ。取り付けは超カンタン どうしても必要というワケではないが、なんとなく気になるグッズやアイテム、皆さんもあるのではないだろうか? 今回紹介するのは、自車の車速や方角など[…]
人気記事ランキング(全体)
二人旅にぴったりなダイネット装備モデル 搭載されるエンジンは1500ccガソリンで、2WDと4WDの両方が選択可能。長距離の移動はもちろん、悪路や雪道にも対応できる仕様となっている。NV200より全長[…]
“使える”をコンセプトにした多用途軽キャン 軽キャンとは思えない広さと快適性、そして日常使いにも耐える柔軟性を備えたこのモデルは、「使える軽キャンパー」として多くのユーザーから支持されている。この記事[…]
キャンパーシリーズ初の軽モデル トヨタモビリティ神奈川では他にも「キャンパーアルトピアーノ」「ハイエースキャンパー」「ハイエースイージーキャンパー」といったラインナップが展開されている。いずれもタウン[…]
メーターパネルが曇って見えたら… メーターパネルとひと口に言っても、メーカーや車種によって、様々なタイプが存在する。最近の流行は液晶画面の採用で、表示する情報のカスタマイズも可能なものも多い。従来のア[…]
まずは、旧車で一番人気の「ハコスカ」の燃費はどのぐらい? まずは旧車界のトップアイドル、「ハコスカ」の燃費から見ていきましょう。 ちなみに、ハコスカから後に発売された中上級クラスの日産車のエンジンは、[…]
最新の投稿記事(全体)
改めて原点に立ち返って、新たな仲間とともに再スタート TGRRは、「TOYOTA GAZOO Racing(TGR)」と「ROOKIE Racing(RR)」という2つの活動を、「モリゾウ」という共通[…]
最高峰のカスタマイズとラグジュアリーが注がれた、日本限定モデル 今回導入される「アーバン トワイライト コレクション」は、都会の空の色や近代建築に反射する光からインスピレーションを得た「アーバン ドー[…]
スウェード素材をふんだんに用いた、贅沢なキャビン空間 今回導入される限定車「オーバーランド」は、コマンダー リミテッドをベースモデルに、エンペラドールブラウン色のスウェード素材内装を採用。 ほかにもユ[…]
マツダ新世代店舗 都市部を起点に販売ネットワークを再構築 マツダが国内市場における構造改革を本格化させる。2025年6月19日、「国内ビジネス構造変革の方針」を公表し、4つの重点施策を軸にした再成長戦[…]
大容量ブレーキシステム&鍛造アルミで、強力なストッピングパワーを獲得 レクサスISは1999年の初代モデル誕生以来、「クルマを操る楽しさ」を追求してきたコンパクトFRスポーツセダン。これまでに世界約4[…]