電動化の最前線を走る注目12台が集結!普及の鍵を握る「クルマそのものの魅力」とは?【メーカー合同EV試乗会レポート】│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

電動化の最前線を走る注目12台が集結!普及の鍵を握る「クルマそのものの魅力」とは?【メーカー合同EV試乗会レポート】

電動化の最前線を走る注目12台が集結!普及の鍵を握る「クルマそのものの魅力」とは?【メーカー合同EV試乗会レポート】

自動車業界のみならず国をあげて、2050年のカーボンニュートラル実現に向けてのロードマップを敷いている日本。欧州や米国の政策変更や近隣アジア諸国の動きなどに影響を受け、なかなか当初の予定通りには普及が進んでいないが、それでも公共の充電設備は全国で約3万基に達しており、それに伴い普及台数も少しずつ増え続けている。ただ、ユーザーの率直な気持ちとしては、いくら環境によくても補助金が出ても、やっぱりクルマそのものが魅力的でなければ「欲しい」「乗りたい」とはなりにくい。そこで今回は、国内メーカーの最新EV&PHEVが一堂に会し、あらためてその魅力に触れてもらうために開催された珍しい試乗会をレポートする。

●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久

クルマの「魅力」で選びたいモデルが増えてきた

会場にはレクサス、ニッサン、ホンダ、スズキ、マツダ、ミツビシの6ブランドから、計12台のEV・PHEVがズラリ。こうして眺めてみると、軽自動車からSUVまで、いつの間にか国内メーカーだけでもこんなに多彩なラインアップが揃うところまできたのだと感慨深いものがある。

レクサス・RZ550e “F SPORT”
電動SUV「RZ」のスポーツバージョンという位置づけ。ステアリングには、グリップ型の「ステアバイワイヤシステム」をレクサスとして初採用するなど、新しいアプローチも見どころのひとつ。

まず試乗したのは2025年12月に新しくなったばかりのレクサス・RZ550e “F SPORT”。

レクサス初のBEV専用モデルとして登場し、SUVながらエレガントな内外装とスポーティな走りが特徴的で、レクサスならではのプレミアムな充電サービスも注目されてきた。

今回はプラットフォームの改良やインタラクティブマニュアルドライブの採用により、快適性と走行性を両立。バッテリーの状態を適切に保って充電性能を向上するプレコンディショニング機能も採用され、バッテリー容量76.96kWh搭載で一充電走行距離(WLTCモード)は582km。最も長いRZ350eでは733kmを実現している。

前後モーターがもたらすシステム最高出力は300kW。DIRECT4がもたらす高応答&高精度な駆動コントロールが組み合わされることで、高性能EVらしいスポーティな走りを楽しませてくれる。

運転席に座ると、最初に目を惹くのは楕円形のように左右に長い異形ステアリング。レクサス初のステアバイワイヤシステム搭載で、ダイレクトな操舵感を提供するという。

シートは表皮一体発泡工法で開発されたスポーツシートで、身体側面のフィット感が心地いい。

短いコース1周の試乗ではあるが、アルミペダルのカッチリとした感触とともに走り出すと、発進からカタマリ感のある上質な加速フィール。風切り音やロードノイズまでかなり抑えられた静粛性の高さと落ち着きのある乗り心地で、後席との会話が自然にできる空間が保たれている。

センターコンソールの「M」ボタンを押すと、レーシングカーのような音が響き、グッと低く沈むような低重心な乗り味に変わる。優雅にもスポーティにも楽しめるEVだ。

キャビンまわりは、ステアバイワイヤシステムの採用もあって、コクピット感覚は強め。グリップ型の異形ステアリングは、車速に応じてギヤ比の制御が可能となるなど、よりリニアな走行感覚が楽しめる。さらにステアリングの持ち替え操作も減少させることができ、走行時のメーター視認性を妨げないメリットもあるとのこと。

続いては、EVとして世界で唯一の3代目モデルへと進化したニッサン・リーフ。

機械式立体駐車場が利用しやすい全高1550mmをキープしながら、SUVライクなデザインで充電口が従来のフロントから両サイドに変わり、よりモダンな印象となっている。

ニッサン・リーフ B7 G
3代目は空力性を意識した流麗なシルエットが与えられたクロスオーバーEVとして登場。バッテリー容量が異なる「B7」と「B5」が選択でき、今回の試乗モデルは「B7」の上級グレードGになる。

バッテリー容量78kWhで一充電走行距離(WLTCモード)が最大702kmの「B7」と、バッテリー容量55kWhで521kmの「B5」があり、今回試乗したのはB7のGグレードになる。

室内に入ると、メーカーオプションの調光パノラミックガラスルーフが頭上に広がる開放的な空間で、スイッチ一つで曇りガラスにできるところが便利だ。

走り出しからなめらかな加速フィールは十分な余裕があり、ペダル操作に対するリニアな加減速がすっきりとした爽快な乗り味を演出している。カーブでの安定感や、ブレーキングでのスーッと自然な減速も好印象だった。

低速域から高速域にいたるまで、幅広い走行状況で神経質な操作を要求しない洗練されたドライバビリティが楽しめることも魅力。

「B7」のシステム最高出力は160kW。WLTC満充電航続距離は685kmと実用性の高さも併せ持つ。

そのほかGoogle搭載のNISSAN Connectによってスマホと同じようにスマートなナビ、エンタメ、エアコンなどの操作が可能となったことや、今回は試せなかったが高速道路でハンズオフ走行ができる「プロパイロット2.0」搭載によるロングドライブの疲労軽減、安全性向上なども注目ポイントだ。

NissanConnectインフォテインメントシステムは、Google搭載の最新モデルを搭載。より詳細な情報が入手できることに加え、通信連携機能の強化も見どころになる。

次に乗り換えたのは、軽自動車の乗用EVとして登場したホンダ・N-ONE e:。

29.6kWhのバッテリー容量で一充電走行距離(WLTCモード)は295kmを実現し、急速充電にも対応で近所のチョイ乗りだけでなく遠出もしやすい軽EVとなっている。

N-ONE e:
従来のEVのイメージを一新する手が届く価格帯と、充実したサポート体制が魅力の電気自動車。航続距離295km(WLTCモード)を実現する薄型バッテリーパックを採用している。

全高1545mmながら室内は十分に広く、水平基調ですっきりとしたインパネに、小物がサッと置きやすいワイドトレーやドアポケット、ドリンクホルダーやUSBといった使やすい機能が揃っており、ホッとリラックスできる空間だ。シートアレンジもしやすく、後席がフラットに前倒しできて大きな荷物が積みやすいメリットもある。

走り出すと、自動的に航続距離を伸ばすような制御をしてくれるECONボタンがオンになっていたこともあって、穏やかな発進。でも急な坂道をスイスイと頼もしく駆け抜け、カーブでの安心感もしっかり感じられる。ECONをオフにすると加速感が強まるが、あくまでナチュラルな操作感で肩肘張らずに気軽に走れるのがいい。

そしてアクセルペダルのみで減速から停止までできる「シングルペダルコントロール」のスイッチをオンにすると、メリハリの効いたキビキビとした走りも楽しめた。軽EVという枠にとらわれず、幅広いシーンで使いやすいのがN-ONE e:だ。

このほか会場には、4WD性能にも力を入れているスズキらしいコンパクトSUVのBEVであるeビターラ、乗用軽EVの代名詞であるニッサン・サクラ、PHEVでは走破性と上質感にますます磨きがかかったミツビシ・アウトランダー、マツダのCX-60 PHEVとMX-30 Rotary-EV、そして展示のみだが新しくなったニッサン・アリアもあり、それぞれに魅力を感じた。

電動化モデルは、日本メーカーが誇る知見と技術の最前線に触れるワクワクに満ちていることを実感できる試乗会だったのだ。

スズキ・eビターラ
最新の電動技術を注入したスズキの世界戦略車。内燃機系とは異なるEV専用のプラットフォームを採用するなど、イメージよりも実践力を強く意識した、ユーザー目線で開発されたモデルになる。

ニッサン・サクラ
かわいいモデルネームとはうらはらに、軽自動車離れした動力性能が与えられたことが見逃せない。最高出力こそ47Kwと軽自動車の自主規制内に留まるが、最大トルクは195Nmと、下手な乗用ガソリン車を凌駕するスペックが与えられている。

ミツビシ・アウトランダーPHEV
2代目となる現行型はシリーズ/パラレル式(切替型)などの基本構成を継承しつつ新たなプラットフォームの採用や、操安性の向上を主目的としたS-AWCの採用など、PHEVとしての性能向上だけでなく、三菱車のフラッグシップとしてふさわしいモデルに進化している。

マツダ・CX-60
ラージ商品群の第一弾モデルとして登場したCX-60は、マツダの次世代技術をいち早く導入したことで、「魂動デザイン」や「人馬一体」がグレードアップ。パワートレーンもPHEVなどを含めた合計4タイプが用意される。

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