
アライヘルメットから4輪レース用ヘルメット「GPV-R RO 8859(以下GPV-R)」とカートレース用ヘルメット「SKV-R RO 8878(以下SKV-R)」が新登場! これはFIAの新規格に対応するモデルチェンジで、厳しい安全基準をクリアしつつ機能面も大きくアップデート。より実用的な先進の設計は、トップドライバーからビギナーまで優れた競技環境をサポートしてくれる。待望の出荷開始は8月末で、9月には順次購入が可能とのこと。4輪レース用/カートレース用ヘルメットを購入するなら、ぜひNEWモデルを手に入れたい。
●文:月刊自家用車編集部(川島秀俊) ●写真:川島秀俊 ●外部リンク:アライヘルメット
アライヘルメットから15年振りの4輪用新製品がデビュー!
国内で唯一、4輪レース用ヘルメットを供給するのがアライヘルメット。これまで主役を担ってきた「GP-6」シリーズが発売されたのは2011年なので、新型の4輪レース用ヘルメット「GPV-R」とカートレース用ヘルメット「SKV-R」の登場は15年ぶりとなる。
新型ヘルメットの登場は、最新の4輪レース安全規格であるFIA8859-2024およびFIA8860-2018、カートレース安全規格のFIA8878-2024への対応によるもの。より厳しい衝撃試験のクリアはもちろん、シールドに対する安全規定にも高い要求があり、当初の必須項目であったセンターロック式に変更された。
最終的にセンターロック式は必須項目から外れることとなったが、アライヘルメットは安全性を追求する視点からセンターロック式を採用。顎部分への衝撃試験で直接影響する難しいレイアウトだったが、独自のロック機構(特許申請中)により試験をクリアし、優れた固定能力とスムーズな開閉を両立させた。
4輪レース用ヘルメットの「GPV-R RO 8859」(10万7800円)。FIA8859-2024、SNELL SA 2025規格に適合し、難燃性脱着式のシステム内装を新採用。高剛性チタン製M6ターミナルを標準装備し、市販のFHRデバイス(HANS等)に対応する。
カートレース用ヘルメットの「SKV-R RO 8878」(7万3700円)。FIA8878-2024、SNELL K 2025規格に適合し、脱着式の抗菌・防臭システム内装を新採用。難燃性の内装ではないため、公認4輪競技には使用できない。
プレス向けの発表会には、スーパーGTのGT500クラスにSTANLEY TEAM KUNIMITSUから参戦する山本尚貴選手がスペシャルゲストとして登場。フォーミュラマシンのテスト走行にて実際にGPV-Rを被ったインプレッションを披露し、その進化をリアルに伝えてくれた。
新たな「GP-VASシールドシステム」で安全性を強化
新たなシールド機構「GP-VASシールドシステム」のセンターロックシステムと合わせて注目したいのが、ネーミングの由来となったバリアブルアクセスシステムだ。
これはシールド開閉の軸を1つではなく、2軸を使った仮想軸を可変させることでメカニズムを省スペースに収めるというもの。1軸であれば高い位置にネジ穴を作らないと開閉時にシールドと帽体が干渉してしまうが、仮想軸が可変することでネジ穴を低く設計でき、衝撃試験範囲よりも下へネジ穴を配置することに成功した。
これにより衝撃吸収性能の向上はもちろん、従来製品「GP-6」よりも約25mm低くシールドクローズ時の最上部を設置することで、より滑らかな帽体デザインを実現。衝突時の『衝撃をかわす性能』も高めて安全性能を強化している。ネジ位置の変更は低重心化にも貢献し、実際に被った際は軽さを感じるほどだという。
なお、視野の開口部は下方に約8mm拡大されており、ステアリング周辺のインジケーター等が視認しやすくなった。近年のレーシングカーに対応する細やかな配慮といえるだろう。
シールドのロック解除&オープンは2アクションでとても簡単! 黒いレバーをつまんで引き下げ、シールド先端を押し上げれば軽くオープンする。閉める際は、そのまま一気にワンアクションで閉じれば自動でロックされる。
新たな「GP-VASシールドシステム」の採用により、開閉メカニズムの省スペース化を実現。2カ所のマウントで開閉軸を可変し、従来よりも取り付け位置を25mm下げることに成功した。これによって衝撃吸収性能試験範囲よりも下方にネジ穴が設定でき、強度の向上や低重心化、滑らかな面を増やして『衝撃をかわす』性能も向上させる。
フルに外して洗えるシステム内装を採用。オプション対応も充実
新型ヘルメットでは、内装も大きく進化している。従来モデル「GP-6」では頬パッドが脱着できる程度だったが「GPV-R/SKV-R」はオートバイ用ヘルメットでお馴染みのフルに脱着できるシステム内装を新採用。洗濯や乾燥が容易になるほか、内部のパッドを取り外すことで簡単にフィッティング調整や視野の拡大ができるのだ。
インカム用のマイク設置が簡単であったり、給水システム用の穴やミゾがあったりと、さまざまなシステムアップ時の加工も不要に。プロフェッショナルの声を具現化した内容は、さすがの進化となっている。
ユーザー目線で大きな進化となるのが、簡単に脱着できるシステム内装の新採用。側頭部には簡単に剥がせるパッドがあり、フィッティングの調整が容易にできる。目に近い保護パッドのエッジはプレカット処理され、必要に応じて視界の拡大が可能だ。
4輪レース用ヘルメットのGPV-Rの内装は、競技レギュレーションに適合する難燃性生地を採用。簡単に脱着できるシステム内装となったことで、洗濯や乾燥がとても簡単になった。
カートレース用ヘルメットのSKV-Rの内装は、オートバイ用と同等の抗菌・消臭生地を使用。難燃性ではないため、公認4輪競技には使用できない。生地以外のシステム内装としての機能はほぼ共通となっている。
システムパッドはマイクの取り付けが容易な仕様で、ケーブル溝やボタンホールがすでに設置されている。今やレース界では常識のインカム装着に対応した、とても嬉しい設計だ。なお、カートレース用のSKV-Rにも溝はあるが、マイク設置には生地の穴あけ加工が必要となる。
快適に進化したベンチレーションはテスト走行で実証済み
ベンチレーションについても改良が施されており、頭部前側ダクトは従来よりも15mmフロントへ移動。レーシングポジションでの吸排気効率を最適化し、より快適にドライブできるようになった。
発表会に登場した山本尚貴選手によると「ウェット走行時、シールドの曇りが低減されていて進化が感じられました。自分はドライアイなのですが、口元のベンチレーションから入る風が目に当たらないのも良かった」と好印象を披露。すでにティアオフシールドの操作性について、持ち手の角度でフィードバックを伝えたという。
このようにプロドライバーの声を反映して開発された新型ヘルメット「GPV-R/SKV-R」には、アライヘルメットならではのこだわりが凝縮されている。絶対に揺るがない安全性能の追求は、モータースポーツを愛するすべてのユーザーを陰から支えているのだ。
検証データに基づき、ベンチレーションの前方穴を15mmフロントへ移動。安全性を維持しながら、吸排気効率を向上させて優れた通気性を実現する。オプションで用意されるスポイラー形状の空力パーツ(VR PED)により、好みに応じたセッティングも可能だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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