
「ハンドルから手を離して走れる」という新型エルグランドの先進運転支援。その裏側では、カメラやセンサーだけでなく、道路そのものを高精度にデータ化した「3D高精度地図」が使われている。一見すると、カーナビに入っている地図と同じようにも思えるが、役割は大きく異なる。いったい、この“見えない地図”は何をしているのだろうか。
●文:月刊自家用車編集部
新型エルグランドのハンズオフ走行を支える「3D高精度地図」
ダイナミックマッププラットフォームは、同社の高精度3次元地図データが、日産の新型「エルグランド」に採用されたというニュースを発表した。
堂々とした大柄なボディでありながら、伸びやかなキャラクターラインによってスマートな印象もプラス。日産の最上級モデルに相応しい貫禄と新世代の先進感を力強くアピールするモデルに進化を遂げている。
主要諸元(G e-4ORCE)
●全長×全幅×全高:4995×1895×1975mm ●ホイールベース:3000mm ●車両重量:2440kg ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1498cc直列3気筒DOHC(140ps/23.2kg-m)+前後モーター(フロント:151kW/330Nm、リヤ:100kW/195Nm) ●駆動方式:電気式4WD ●WLTCモード総合燃費:16.8km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ストラット式(F)/マルチリンク式(R) ●タイヤ:235/60R18
新型エルグランドの一部グレードには、高速道路や自動車専用道路で運転を支援する「プロパイロット2.0」が設定されている。このシステムでは、車両に搭載されたカメラやセンサーなどに加えて、3D高精度地図データを利用。道路空間を高い精度で表現したデータを使うことで、自車位置を高精度に推定し、ハンズオフ走行を支援している。
つまり、クルマがその場で道路を認識するだけではなく、「この道路はどんな形をしているのか」という情報をあらかじめ持っているわけだ。
普通のカーナビ地図とは何が違う?
ここで気になるのが、「3D高精度地図」と一般的なカーナビの地図は何が違うのかという点だ。
今回の発表では、ダイナミックマッププラットフォームのデータは、センチメートル級の精度で道路空間を表現すると説明されている。カーナビの地図が「どこに道路があり、どこへ向かうのか」を案内するための情報だとすれば、先進運転支援システムで使われる高精度3次元地図は、クルマが道路上を走行する際の空間情報を支えるデータという位置付けになる。
日産もプロパイロット2.0について、3D高精度地図データと360度のセンシングなどを組み合わせて高精度な車両制御を行う仕組みを説明している。
普段、ドライバーから地図データが見えることはない。しかし、ハンズオフ走行を支える技術の一つとして、こうした「見えない地図」が利用されている。
プロパイロット2.0ではどう使われている?
新型エルグランドのプロパイロット2.0では、高速道路や自動車専用道路での走行を支援。車線維持や車速・車間制御に加え、車線変更支援や追い越し支援などにも対応する。
ハンズオフ走行については、ドライバーが常に前方に注意し、必要な場合にはすぐにハンドルを確実に操作できる状況で利用することが前提だ。また、プロパイロット2.0は自動運転システムではなく、運転操作を支援するシステムであることにも注意したい。
エルグランドだけじゃない! 採用実績は6社39車種に
今回のエルグランドへの採用によって、ダイナミックマッププラットフォームの高精度3次元地図データは、自動車メーカー6社、累計39車種に採用されたという。
先進運転支援や自動運転の技術というと、カメラやレーダーなど、クルマに搭載されているハードウェアに目が向きがちだが、それらのセンサーが取得する情報を支える「道路側のデータ」も重要な要素となる。新型エルグランドのプロパイロット2.0は、そうした技術が身近な量産車に組み込まれている一例といえるだろう。
普段は意識することのない3D高精度地図。今後、運転支援技術が進化していくほど、こうした「見えないインフラ」の重要性も増していきそうだ。
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