
グローバルコアモデルとして世界を牽引してきたレクサスNXが大幅刷新を遂げた。新世代ハイブリッドシステムや剛性を高めた骨格部、大幅にパフォーマンスを引き上げたPHEVモデルなど、電動化時代のラグジュアリーSUVとして劇的な進化を果たしている。注目の最新情報をお届けしよう。
●文:月刊自家用車編集部
「ワイド&ロー」を際立たせた劇的進化で、魅せるスタイリングを実現
2014年、レクサス初のコンパクトクロスオーバーSUVとして誕生したNX。都会的なスタイリングと軽快な走りが支持を集め、2026年7月末時点では90以上の国と地域で累計約190万台を売り上げるなど、まさにブランドの屋台骨を支える大ヒットモデルへと成長した。
9月に世界初公開された改良新型は、「これくらいでいい」という守りの姿勢を完全に払拭。乗り込んだ瞬間から新たな可能性を拡げる存在を目指し、開発が進められている。
チーフエンジニアの遠藤邦彦氏が「気づけばつい遠回りしたくなるクルマ」と自信を見せる通り、歴代モデルが培ってきたスポーティさとユーティリティの高次元での融合を継承しつつ、走り・デザイン・車内体験のすべてにおいて大きな進化を遂げている。
デザイン面における最大の進化は、これまで以上に強調された「ワイド&ロー」の躍動的なプロポーションだ。
一目で新型と分かるフロントマスクは、ヘッドランプとコーナリングランプ、さらにグリルなどの機能部品をシームレスに融合し、モダンでスポーティな表情を創出。リヤにはレクサス初となる「ダブルLシグネチャー」を採用し、両端のL字ラインが力強く光を放つことで、夜間でも圧倒的な存在感と洗練されたワイド感を表現している。
さらに、アウターミラーやモール類をメッキからシックな黒基調へ刷新したことで、塊感のある引き締まったスタイリングを獲得。新色「ソニックテラス」の追加に加え、人気の「F SPORT」には専用のアンダースポイラーや20インチアルミホイール、レッドキャリパーを装備し、より走りを予感させる力強い佇まいを磨き上げた。見る者を一瞬で惹きつけ、乗る前から高揚感を高めてくれるスタイリングに仕上がっている。
機能をシームレスに融合した新プロポーションを採用。エアロダイナミクスを意識した造形もポイントのひとつ。リヤにはレクサス初となる「ダブルLシグネチャー」が配置される。この車両のボディカラーはアッシュトーンの新色ソニックテラス。
電動パワートレーンも一新。PHEVの一充電走行距離は140km超えに
ハイブリッドシステムの一新も、今回の改良新型の大きなポイントだ。トランスアクスル、モーター、PCUを一体化し、小型・軽量・低重心化を図った新世代の「e-Axle」を採用。インバーターにはSiC(シリコンカーバイド)素子を導入することで、高効率化とパワフルな走行性能を高い次元で両立させている。
なかでも大きなインパクトを与えるのが、PHEVモデル(NX450h+)の劇的な進化ぶりだろう。
新開発バッテリーの搭載により電池容量が30%向上し、EV航続距離は日本仕様のWLTCモードで140km以上という大幅な延伸を達成した。待望のDC急速充電に対応したほか、バッテリーセルの配置を横向きに変更したことで、低重心化とボディ横剛性の強化にも貢献している。
もちろん車体の基本骨格にも抜かりはない。フロアクロスの追加によりフロア剛性を約25%引き上げたほか、サスペンションタワー部の剛性も約30%アップ。不快なロードノイズをシャットアウトし、引き締まったリニアな操舵感を手に入れた、という。
トランスアクスル、モーター、PCUを凝縮した小型軽量「e-Axle」。SiC素子の採用やバッテリー出力向上により、ダイレクトな加速感と優れた省燃費性能を高い次元で両立している。
床下バッテリーと前後のパワートレーンをベストバランスでレイアウト。低重心化とボディ横剛性の向上を同時に推し進め、上質な乗り味と優れた操縦安定性を実現した。
PHEVモデルは電池容量が30%向上し、EV航続距離140km以上を達成。DC急速充電に対応したほか、セル配置の見直しによる低重心化で走り味を引き上げている。
フロア剛性を約25%、サスタワー剛性を約30%引き上げる体幹強化を徹底実施。不快な音振をシャットアウトし、すっきりと奥深い走行フィールを獲得した。
AVS非装着車には新開発の「極微低速バルブ付ショックアブソーバー」を投入。サスのわずかなピストン運動にも瞬時に減衰力を発生させ、フラットな姿勢をキープし続ける。
最先端の開発拠点で徹底した走り込みで、走りの質も大きく向上
走行テストは「トヨタ・テクニカルセンター下山」をはじめ、過酷なドイツ・ニュルブルクリンクでも徹底的に実施。AVS非装着車への極微低速バルブ付ショックアブソーバーの採用や、360mmの小径ステアリング、常時AWD化されたE-Four制御の投入などにより、街乗りから超高速域までフラットで上質な乗り味を作り上げている。
インテリア&装備面も、12.3インチ液晶メーターと14インチ大型ディスプレイによる水平基調のコクピットに加え、光・音・空調・シート温度、そして全5種のフレグランスを統合制御する「センサリーコンシェルジュ」を初導入。
12.3インチ液晶メーターと14インチ画面を水平基調で配置。透過表皮を用いた「レスポンシブヒドゥンスイッチ」を採用し、先進的なルックスと直感的な操作感を高次元で融合させた。
空間をパーソナライズする新機能「センサリーコンシェルジュ」。光と音の演出に加え、スピーカー周辺から広がる新開発フレグランスが深い寛ぎをもたらす。
移動時間そのものを極上のリラックスタイムへと変えようという、レクサスのおもてなしの精神とこだわりが凝縮されている。単なる移動手段にとどまらず、乗る人の五感に寄り添うラグジュアリーSUVとしての成熟ぶりを強烈に印象付ける進化と言えるだろう。
単なる年次改良の域を遥かに超えた今回のビックチェンジ。この改良新型モデルの展開もスムーズに進む模様で、日本を含む各地域での発売は2026年末以降を予定している。発売の暁には確固たる存在感と圧倒的な完成度を見せつける注目の1台となりそうだ。
身体のラインに寄り添う立体メインクッションと適度なサイドサポートを備えたシート。長距離ドライブでも疲れにくく、高いホールド性と快適性を両立する。
情熱的なレッドのアクセントが映えるF SPORT専用のキャビン空間。シートも専用タイプで張り出した大型サイドバスターが、コーナー旋回時に身体をしっかりとホールドしてくれる。
| 【NX 新型モデル 主要諸元】 (プロトタイプ値) | ||||
| グレード | 450h+ | 350h | 300h | |
| エンジン排気量 | 2.5L | 2.5L | 2.5L | 2.0L |
| 駆動方式 | AWD | AWD | FF | FF |
| 全長(mm) | 4690 (従来型+30) | |||
| 全幅(mm) | 1865 (±0) | |||
| 全高(mm) | 1660 (±0) | |||
| ホイールベース(mm) | 2690 (±0) | |||
| 車両重量(kg) | 2050-2130 | 1790-1870 | 1730-1810 | 1690-1750 |
| タイヤサイズ | 235/60R18 235/50R20 | |||
| エンジン | 2.5L 直列4 気筒 | 2.0L 直列4 気筒 | ||
| トランスアクスル | 電気式無段変速機 | |||
| エンジン出力(kW) | 100-135 | 110 | ||
| システム出力(kW) | 215-240 | 140-180 | 145 | |
| 加速[s] (0-100km/h) | 6 | 7.1-7.8 | 9.2 | |
| EV 航続距離 | 140km[日本] | - | - | - |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(レクサス)
2026年8月のレクサス新車販売台数、NXが1356台で最多 2026年8月のレクサス車で販売台数が最も多かったのは「NX」で、1356台を記録した。前年同月比は91.4%、前月比は62.9%となって[…]
値引き情報の見方 〇車両本体目標車両本体価格からここまで取れれば成功という額。付属品からの値引きは含まない。 〇リセール予想次に買い替えるときの下取り査定額。2~3年後の評価をA~Eの5段階で評価、更[…]
堂々としたフラッグシップSUVに、メーカーワークスならではの「機能美」をプラス レクサスのフラッグシップSUVとして高い走破性とラグジュアリー性を兼ね備える「LX」。今回新登場したTRDの「F SPO[…]
ステアリングフィーリングと乗り心地を熟成。より深まった走りの質感 今回の改良においてレクサスが追求したのは、ブランドの走りの味である「Lexus Driving Signature」のさらなる進化だ。[…]
下山から聖地ニュルヘ。足回りを徹底的に再チューニング 今回の改良における一番のハイライトは、走りの部分のさらなる造り込みだ。 レクサスは近年、愛知県の下山テストコース(Toyota Technical[…]
最新の関連記事(ニュース)
実機初公開!注目の「アンモニア/水素混焼エンジン」で新たなカーボンニュートラルへ 今回の出展で最大の注目点となるのが、自工会合同展示ブースで実機が初公開される「アンモニア/水素混焼エンジン」だ。 脱炭[…]
「公道を走れるミニジープ」で三浦半島を観光!? 今回ツアーに採用されたネクストクルーザーは、大人の遊び心を詰め込んだという電動ミニカー。ミニカー登録によって公道を走行できる車両で、今回のツアーでは参加[…]
「共感型AI」の研究成果が気になるところだ マツダが10月13日から幕張メッセで開催されるビジネスイベント「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2026」に参画する。他企業や研究機[…]
新型エルグランド、受注1万台突破! 購入者の中心は40~50代 新型エルグランドの累計受注台数は、10月4日時点で1万300台となり、1万台を突破した。では、実際にどのようなユーザーが新型エルグランド[…]
時代を超えてアップデート!令和の「のってカンガルー」とは? デジタル化が進む昨今、クルマ探しのスタイルも大きく様変わりした。WEBやSNSで膨大なスペック比較や口コミを手軽に調べられるようになった反面[…]
人気記事ランキング(全体)
全国でもわずか4球場! 実は珍しくなったリリーフカー プロ野球を観戦していると、投手交代の際、ブルペンからリリーフ投手を乗せたクルマがグラウンドへ姿を現すことがある。 いわゆる「リリーフカー」である。[…]
値引き情報の見方 ◎車両本体目標:車両本体価格からここまで取れれば成功という額。付属品からの値引きは含まない。 ◎リセール予想:次に買い替えるときの下取り査定額。2~3年後の評価をA~Eの5段階、さら[…]
雨の日に意外と困る「ドアミラーの水滴」 雨天時の運転では、フロントガラスならワイパーで視界を確保できる。サイドウインドウも、走行中であれば風によってある程度水滴が流れ、どうしても見えにくければ窓を一度[…]
スズライトSS(1955年) 4輪車開発に招集された若き技術者たちは、欧州小型車を徹底的に分解・研究を重ね、昼夜を問わない試行錯誤が繰り返された スズキのルーツは、1909年(明治42年)に鈴木道雄が[…]
「スバル」の名はここから始まった! 量産を目前に姿を消したP-1 現在のSUBARUにつながる自動車づくりの歴史を語るうえで、欠かすことのできない一台が「スバル1500」である。開発時には「P-1」と[…]
最新の投稿記事(全体)
値引き情報の見方 ◎車両本体目標 車両本体からの値引き目標額を示している。実際の値引き額は、販売店や購入時期、グレード、オプションなどによって変動する。 ◎リセール予想 購入したクルマを将来売却すると[…]
ダーククロームと限定外装色で洗練されたエクステリア 今回の特別仕様車における最大のハイライトは、G63として初採用となる「MANUFAKTURダーククロームパッケージ」の採用。従来のナイトパッケージと[…]
伝統のV6ツインターボに高出力モーターを融合! 史上最強の639PSを発揮 今回登場した新型RS 5 / RS 5アバント最大の注目ポイントは、Audi Sport史上初となるプラグインハイブリッド([…]
走るだけじゃない!EVバッテリーの二次利用&最新コネクティッド技術 注目の展示内容は、同社が推進するコネクティッド技術や、PHEV/EVバッテリーのライフサイクル活用に関する先進的な取り組みだ。 これ[…]
これまでの「使いやすさ」と現代のカーライフにおける最大の課題を解決する革新的な仕様となった最新モデル パイオニアの「楽ナビ」は、長年にわたり日本のドライバーを支え続けてきたカーナビの代名詞である。その[…]
- 1
- 2






























