[はたらくくるま] トラクターや除草作業などでも進む最新ロボット化〈ヰセキシリーズ〉

ヰセキ ロボットトラクター「T.Japan W」

日本の食を支える大切な産業が農業だ。暑い日も雨の日も手を抜くことができず、その過酷さゆえに従来は敬遠されがちだったが、多岐にわたる農作業を人に代わって行う農業機械の発達により、今あらためて注目が集まっている。本記事では、田植え機やコンバインだけでなく、最新ロボット化が進むトラクターや除草作業機などを紹介する。

●文/写真:鈴木ケンイチ(オートメカニック編集部) ●外部リンク:井関農機

アイガモロボ:雑草を抑制するロボット

自動“抑草”ロボットの「アイガモロボ」。水田に浮かび、スクリューで水をかき混ぜて水を濁らせ、光合成をしにくい環境をつくり、雑草の育成を抑制する。太陽光を電力に、GPSで航路を決めるから手間いらず!

T.Japan W:業界初・120馬力クラスのロボットトラクター

ヰセキのロボットトラクター「T.Japan W」は、使用者の監視下において、無人トラクターの単独作業や、有人トラクターと無人トラクターによる同時作業を実現。業界初となる最高出力123馬力の大型モデルだ。

T.Japan V985:先進デザインの大型トラクター

「デザイン、パワー、居住性、操作性、すべてに最高のパフォーマンス」をコンセプトに、2018年に登場した大型トラクター。98馬力/3.6LのDEUTZ社製ディーゼルエンジンを搭載。電子制御油圧クラッチ使用の前/後進32段のトランスミッションを採用する。

BF60DC(セミクローラ仕様):2023年登場の中型トラクターBFシリーズ

2023年、10年ぶりのフルモデルチェンジにより、従来の「ジアス」NTAシリーズの後継として登場したのが「BFREX」BFシリーズだ。無段変速トランスミッションを採用。25~60馬力までの8機種を揃える。BF60DCはシリーズの最強版セミクローラ仕様。

KCR659:120坪以上の畑におすすめの耕うん機

1.6馬力の30坪以下から6.3馬力の120坪以上まで、8つのシリーズを幅広くラインナップとして揃える。その中のKCRシリーズは120坪以上の大型モデルだ。KCR659は、シリーズ最強の6.3馬力エンジンを搭載。耕すだけでなく、うね立て作業もこなすことができる。

KLC753:幅広い作業に対応する汎用耕うん機 

幅広い作業に対応する汎用モデルがKLC3シリーズだ。アタッチメントを付け替えることで、耕うん/うね立て/鎮圧/播種といった作業を1台でこなすことができる。KLC753はKLC3シリーズの最強モデルであり、7馬力のガソリンエンジンを搭載している。

愛さいかJKZ23:水田や畑の多様な作業を行う乗用管理機

数多くのアタッチメントが用意されており、水田や畑などで、農薬/肥料散布や播種/うね立て/除草などの幅広い作業を行う乗用の農機が乗用管理機だ。愛さいかJKZ23シリーズは、23馬力の1.1Lディーゼルエンジンを搭載する最強モデルとなる。

ナウェルPVH103-60LX:野菜の苗を半自動で植え付ける野菜移植機

野菜の苗を植え付けるのが野菜移植機。オペレーターが乗用するタイプと、横を歩行するタイプがある。また、オペレーターが苗をひとつずつ選びながら植え付ける半自動と、最初にすべてをセットする全自動のタイプがある。PVH103は歩行型の半自動タイプだ。

【取材協力:井関農機株式会社】1926年(大正15年)創立の老舗の総合農機メーカーが、「ヰセキ」ブランドの井関農機だ。全自動籾すり機からスタートし、自脱型コンバイン(1966年)/ロータリー植込杆/乗用田植機など、数多くの画期的な農業機械を世に送り出している。現在は、日本向けの田植機/コンバイン/トラクターだけでなく、欧州/北米/中国を含んだアジア地域など世界中で、トラクター/田植機/乗用芝刈機などを販売している。

取材でお邪魔したのは、茨城県茨城県にある「つくばみらい事業所」。社内研修などが行われる拠点だ。

つくばみらい事業所には、ポルシェと技術提携で生まれたトラクターなどが展示されている。

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