
軽キャンパーは「簡易的」「割り切り」というイメージを持たれがちだが、その常識を静かに裏切ってくるモデルがある。スズキ・エブリイ バンをベースにした「リゾートデュオ タイザ プロⅡ」は、軽4ナンバーという枠の中で、快適装備と実用性を徹底的に詰め込んだ一台だ。日常の足としても使え、週末はそのまま車中泊へ。軽だからこそ成立する自由さと、軽とは思えない完成度。その実力を、ドライバー目線で掘り下げていく。
●文:月刊自家用車編集部
「ResortDuo Taiza ProⅡ」軽バンベースとは思えない“使える室内空間”
ベースはスズキ・エブリイ バン。全長3395mmという軽規格サイズながら、車内に一歩入ると印象は大きく変わる。シートを対面配置にすることで、足元に余裕が生まれ、軽キャンパーにありがちな窮屈さを感じにくい。着座姿勢も自然で、長時間の滞在でも落ち着いて過ごせる空間だ。
走行中は4人乗車が可能で、キャンプ場や道の駅まで家族やパートナーと移動し、現地で車中泊仕様へ切り替えるという使い方が現実的になる。軽バン特有の直立したボディ形状が、そのまま居住性の高さにつながっている点は見逃せない。
シンプル操作で完成するフラットな就寝スペース
ResortDuo Taiza ProⅡのベッド展開は非常に分かりやすい。マットを中央に寄せるだけで、約120×185cmの就寝スペースが完成する。余計なパーツの組み替えが不要なため、到着後すぐに休めるのが強みだ。
マットの厚みは約65mmあり、床の硬さを感じにくい。軽キャンパーでは寝心地が妥協点になりがちだが、このモデルでは体をしっかり支えてくれる。二人就寝でも窮屈さは少なく、翌日の運転に影響を残しにくい点も評価できる。
軽キャンの常識を超える電装装備の充実度
電子レンジ、15Lのポータブル冷凍冷蔵庫、15インチモニターと、装備内容はもはや軽キャンの域を超えている。どれも「あると便利」ではなく、「ある前提」で使えるレベルに仕上げられているのが特徴だ。
電装の要となるのは、100Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと180Wソーラーパネル。走行充電、ソーラー充電、外部電源という3系統を組み合わせることで、電力に対する不安を大きく減らしている。短期の車中泊はもちろん、連泊にも対応しやすい構成だ。
真夏の車中泊を現実にする12Vエアコン搭載
注目すべき装備が、12Vダイレクトエアコン「One Cool 21」の標準搭載だ。エンジン停止中でも使用でき、夜間の車中泊でも冷房が使える。外気温や設定条件にもよるが、実用時間をしっかり確保している点は大きな武器になる。
軽キャンパーでは「夏は厳しい」という声が根強いが、この装備があることで使用シーズンは大きく広がる。断熱材が天井や床、パネル内部に施工されていることもあり、冷暖房効率にも配慮されている。
換気・遮光・プライバシーまで抜かりなし
ルーフベンチレーターは薄型ながら風量調整が可能で、静音性も高い。就寝中の換気や調理時の空気入れ替えに役立つ装備だ。遮光カーテンは伸縮式で、外からの視線をしっかり遮る。
道の駅やRVパークなど、人目が気になる場所でも落ち着いて過ごせる。こうした装備の積み重ねが、軽キャンパーを「泊まれるクルマ」から「快適に過ごせるクルマ」へ引き上げている。
運転支援装備で“普段使い”も成立する
国産7インチナビとバックカメラを標準装備している点も見逃せない。車両感覚がつかみやすく、軽バンベースでも運転の不安は少ない。4WDのみの設定という点も、雪道や未舗装路を考えると安心材料だ。
キャンピングカーでありながら、日常の買い物や通勤にも使えるサイズ感と装備。使わないときに持て余さないという点は、軽キャンパーを選ぶ大きな理由になる。
軽だからこそ成立する“自由度の高い一台”
価格は軽キャンパーとしては高めに見えるが、装備内容を考えると納得感は強い。エアコン、電装、断熱、家電類を最初から備えた完成度は、後付けではなかなか再現できない。
大きなキャンピングカーに踏み切れない人、普段使いと趣味を一台で完結させたい人にとって、ResortDuo Taiza ProⅡは現実的な選択肢になる。軽4ナンバーという制約を、ここまで“強み”に変えた一台は貴重だ。
写真ギャラリー
車内はボックスシートがメインとなったレイアウト。
後方上部にはフリップダウンモニターが設置されている。
バックドア側から見た車内。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
真夏の強い日差しでもこれがあれば安心! 夏の駐車で気になるのが、乗り込んだ瞬間の車内の暑さ。炎天下ではハンドルやダッシュボードが熱を持ち、エアコンが効き始めるまでしばらく待たなければならない。 もはや[…]
サンシェードを使用しても、車内の温度上昇は避けられない 連日の猛暑により、炎天下へクルマを駐車すると、わずかな時間でも車内は一気に高温となる。買い物や食事を終えて戻ってきた際、ドアを開けた瞬間に熱気が[…]
夏のドライブを快適にする「ノア・ヴォクシー専用ダッシュボードトレイ」とは ファミリーや友人と出かける夏のレジャーでは、人気のミニバンであるトヨタ「ノア」や「ヴォクシー」を利用する機会が一気に増える季節[…]
マーチR 当時の日本は、アメリカに憧れ、クルマに対するステータス意識が非常に高かった 誰もが軽自動車を始めとする小さなクルマを、胸を張って乗り回す今の日本しか知らない若者には信じられないかもしれないが[…]
丸型2灯がクラシカルでレトロな表情を演出 アメリカ西海岸のクラシックなスタイリングをモチーフにしたカスタムカーブランド「Cal’s Motor」。その中でもスズキ ジムニー系をベースとする「Beas」[…]
最新の投稿記事(全体)
瀬戸内海の穏やかな海や小豆島などを一望できる絶景ロケーション 「RVパーク 海星の丘」は、岡山県瀬戸内市牛窓町にある絶景が魅力のRVパークだ。見晴らしの良い高台なので、瀬戸内海の穏やかな海や小豆島など[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
ナッツRVとのコラボから生まれた「ジョカーレ」は、実際に清木場さんが今後愛用するトランポ仕様(トランスポーター)として設計したキャンピングカー。愛車のバイクを車内に格納した状態でも、大人ふたりが余裕で[…]
なぜ子どもの存在を忘れてしまうのか? 人間の脳にある「記憶のエラー」 車内置き去り事故というと、「買い物中に子どもを車へ残した」といったケースを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、海外の調査では、死[…]
丸型2灯がクラシカルでレトロな表情を演出 アメリカ西海岸のクラシックなスタイリングをモチーフにしたカスタムカーブランド「Cal’s Motor」。その中でもスズキ ジムニー系をベースとする「Beas」[…]






















