
キャンピングカーは欲しい。だが、街乗りや駐車場事情を考えると一歩踏み出せない――。そんな葛藤に応える一台が、デリカD:5をベースにした「Dキャンパー」だ。普段使いの快適さと、車中泊の自由を一台に凝縮。しかも新車・中古車・愛車への装着にも対応する。日常と非日常をスイッチする、新しい“二刀流”の提案だ。
●文:月刊自家用車編集部
日常と非日常を切り替える「二刀流」デリカ
キャンピングカーに憧れはあるが、サイズや価格、使い勝手がネックになる。街中での取り回し、立体駐車場への入庫、日々の通勤利用――現実を考えれば、専用車をもう一台持つのは簡単ではない。そんな声に対するひとつの答えが、グランドモーターの「Dキャンパー」だ。
ベースは三菱デリカD:5。悪路走破性とボディ剛性を兼ね備えたミニバンとして高い評価を受けてきたモデルだ。その走行性能や快適性を損なうことなく、キャンピング装備を融合させたのがDキャンパーの本質。バンベースのキャンパーにありがちな走りへの妥協とは無縁だ。
普段は家族の足として活躍し、週末には旅の拠点へと変貌する。一台で二役をこなす“スタイルチェンジ”こそが、このモデルの最大の魅力だ。
新車も中古車も、今の愛車もベースにできる柔軟性
Dキャンパーは完成車販売に限らない。新車はもちろん、中古車ベース、さらには現在所有しているデリカD:5へのキット装着にも対応する。年式やモデルを問わず幅広くカバーし、7人乗り・8人乗り仕様にも装着可能という懐の深さを持つ。
これにより、予算に応じた車両選びができる。中古車をベースにすれば導入コストを抑えつつキャンピングカーライフを始められるし、乗り慣れた愛車をベースにすれば買い替えの必要もない。キャンパーキットは積載物扱いとなり、基本的にナンバー区分や任意保険条件が変わらない点も安心材料だ。
取り外しにも対応しており、将来的にノーマルへ戻すという選択肢も残されている。ライフステージの変化に合わせて柔軟に付き合えることも、このモデルの強みだ。
214cmベッドと電装系が標準という本気度
Dキャンパーは“なんちゃって車中泊仕様”ではない。室内には214cm×137cmの大型ベッドキットを備え、大人がしっかりと横になれるスペースを確保する。センターテーブルや両サイドテーブルも装備し、就寝時だけでなく車内でくつろぐ時間まで想定した設計だ。
シンクには10Lの給水・排水タンクを組み合わせ、簡単な洗い物や手洗いに対応。さらに80Aサブバッテリー、350Wインバーター、AC100Vコンセント、USBポート、DC12V電源、ボルトメーター、LED照明類を標準装備とするなど、電装面も抜かりない。エンジン停止中でも一定の電力を確保できる構成は、車中泊の安心感に直結する。
オプションでマックスファンやFFヒーター、ソーラーパネルなども用意。季節や用途に合わせて装備を強化できる拡張性も備えている。
5000通り超の色選びと、国内職人のハンドメイド
機能面だけでなく、内装の“色”にも徹底してこだわる。家具色やベッドマットの生地は自由に選択可能で、その組み合わせは数千通りに及ぶ。シックなダーク系からナチュラルテイストまで、自宅のインテリアを考えるように選べるのが特徴だ。
製作は国内の専任職人によるハンドメイド。セミオーダー形式で一台一台仕立てられるため、シンクレス仕様にするなど装備の取捨選択も可能。不要な装備を省けば価格にも反映される。量産品ではなく、オーナーの使い方に寄り添う一台を目指す姿勢が伝わる。
完成までには約2〜3か月。打ち合わせから車両選定、製作、納車までを一貫してサポートする体制も整う。クルマ選びというより、“旅の相棒づくり”に近いプロセスだ。
スタンダードとZERO、2つの個性
ラインナップはスタンダードモデルと、二段ベッド仕様の「DキャンパーZERO」。スタンダードは大人の余裕を感じさせるレイアウトで、ゆとりある就寝空間を確保。ZEROは二段ベッドにより就寝人数の拡張を狙い、家族や仲間との旅に応える。
どちらもデリカD:5の持つ走破性と日常性能を土台にしている点は共通だ。悪路へ踏み込み、山や海へと向かう道中もストレスが少ない。キャンプ場に着くまでの移動時間さえ楽しめるポテンシャルがある。
キャンピングカーを“特別な存在”から“日常の延長線”へ引き寄せる。それがDキャンパーの立ち位置だ。
写真ギャラリー
車内はフラットシートがメインとなったレイアウト。
バックドア側から見た車内。
フラットでも設置できるテーブルは使いやすくも邪魔にならない適度なサイズ感。取り外しも可能だ。
シート下は荷物の積載スペースとなっている。長めの荷物も積載可能だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
RR+2ストローク3気筒。59年前とは思えない意欲的なメカニズム 現在の軽自動車は、大人4人が乗れる室内空間と、高速道路を無理なく走れる性能を備えています。しかし、360cc規格が定着した1950年代[…]
軽EV「e SKY」は航続310kmへ 今回紹介された「e SKY」は、スズキが開発を進める軽乗用EVだ。プロトタイプの参考値として、一充電走行距離310km、車両重量1030kg、電力消費率97Wh[…]
都市部でも取り回しやすいダイハツ・アトレーをベースに採用 キャンピングカーとしての高い居住性と、日本の道幅にマッチした運転しやすさを両立させるために、ベース車両選びは極めて重要である。多くの車中泊ファ[…]
5年前と比べてクルマの価格は約50%上昇、重量は約10%増加 鈴木社長が示したのは、5年前と現在のクルマを取り巻く状況の変化である。スズキによれば、5年前と比べて平均車両購入価格は約50%上昇。一方、[…]
普段使いと街乗りを完璧にこなす信頼の軽商用バン キャンピングカーとしての優れた機能性と、都市部での軽快な取り回しを両立させる上で、ベース車両の選定は極めて重要となる。多くの車中泊ファンから熱い視線を集[…]
最新の投稿記事(全体)
パナソニック ストラーダ パナソニックが選択した市販ナビ市場からの撤退 パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社が、2027年3月をもって市販向けカーナビゲーションおよび専用オプション品の生産[…]
「モノづくりの原点」群馬製作所にファンが集結 今回の会場となるのは、スバルの数々の名車や独自技術を生み出してきた「群馬製作所 本工場」。メーカー自身が“モノづくりの原点”と位置づける聖地にファンを招き[…]
5年前と比べてクルマの価格は約50%上昇、重量は約10%増加 鈴木社長が示したのは、5年前と現在のクルマを取り巻く状況の変化である。スズキによれば、5年前と比べて平均車両購入価格は約50%上昇。一方、[…]
ジュニアで人気を集めた限定仕様が、トナーレにも投入 今年3月にフロントマスクのデザイン刷新や機能性の向上を果たしたトナーレ。今回導入される「スポルト スペチアーレ」は、今年8月に登場したコンパクトモデ[…]
スーパーキャリイにCO₂回収システムを搭載 「CARBON CAPTURE CARRY」は、スーパーキャリイをベースにCO₂回収装置を搭載したもの。走行時の排気ガスからCO₂を回収し、回収したCO₂を[…]
- 1
- 2
























