
キャンピングカーでの自由な旅に憧れるものの、車内に生活感が出すぎてしまったり、シートが硬くて自宅のようにくつろげなかったりすると購入をためらっている人は多いだろう。せっかくの休日を大自然の中で過ごすなら、高級なログハウスのような空間で心からリラックスしたいはずだ。車中泊の理想を見事に叶え、スライドドアを開けた瞬間に誰もが驚く極上のキャンパーが存在する。車内にシアタールームを備え、快適な居住空間を追求した魔法のような一台の全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
大人気バンをベースにした走るログハウス
キャンピングカーのベース車両として、圧倒的な積載力と取り回しの良さから高い評価を得ているのが日産のキャラバンである。紹介するモデルは、お気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込んでリラックスできる空間をテーマに、日産が本気で開発したMYROOMシリーズの第一弾だ。
ベース車両にはキャラバンのプレミアムGXとGRANDプレミアムGXという上級グレードが採用されており、二輪駆動と四輪駆動の両方がしっかりと用意されている。スライドドアを開けて車内に足を踏み入れると、床から天井まで木目をふんだんに使ったインテリアが広がり、車の中とは思えないほどのログハウスの一室のような趣に圧倒される。
木目調のルーフパネルには調光機能付きのスポット照明が組み込まれ、ルーフの両サイドには間接照明が備わっている。食事を楽しむ明るい空間から、就寝前の落ち着いたリラックスタイムまで、シーンに合わせて車内の雰囲気をやさしい光で自在に変化させることができる設計が見事だ。
車体の随所に断熱材が採用され、ルーフ部には防音効果のあるウレタンシートが組み込まれているため、外気温や激しい雨音を気にすることなく快適に過ごすことができる。
自動車業界初の革新的な2in1シート
居住空間の快適性を劇的に高めているのが、自動車業界で初めて採用された2in1シートの存在である。セカンドシートの背もたれと座面が、表と裏で硬さの異なるクッションパッド構造になっているという画期的なギミックだ。
走行時のドライブモードでは、ほど良い硬さのクッションが体をしっかりと保持し、長距離ドライブでも疲れにくい快適な乗り心地を提供してくれる。目的地に到着し、背もたれを反転させて後ろ向きに座るリビングルームモードに切り替えると、ソファーのように柔らかく心地よい座り心地へと劇的に変化する。リアゲートを開け放てば、大自然の絶景を楽しみながらゆったりとくつろげる極上の特等席となる。
さらに背もたれを後方に倒してベッドルームモードにすれば、再び硬めのクッションが上面となり、就寝時の体をしっかりと支えてくれる。2in1シートは左右で分割されているため、一人はリビングモードでくつろぎ、もう一人はベッドモードで横になるといった、乗員それぞれの過ごし方に合わせた個別のアレンジが手軽に可能となっている。
多彩なアレンジと大容量の収納スペース
就寝スペースの広さも申し分ない。展示車両に採用されている折りたたみ式のベッドボードを展開し、ベッドルームモードの2in1シートと連結させることで、長さ2228ミリ、幅1204ミリという広大な就寝スペースが誕生する。
大人2名が手足を伸ばして快適に熟睡できるだけでなく、ベッドから天井までの高さも970ミリ確保されているため、圧迫感のない極上の寝室が完成する。架装オプションで跳ね上げ式のベッドを選択すれば、さらに簡単に寝室をセットアップすることが可能だ。
リビングルームの中心となるテーブルはスライド式となっており、簡単な操作で移動と固定が行える。2in1シート側に寄せてカウンターのように使ったり、ベッドボードを重ねてベンチシートを作り、対面対座のダイニングルームとして食事を楽しんだりと、アイデア次第で多彩なレイアウトを展開できる。テーブルを使わないときは、リアゲート側のベッド下にスッキリとフタをする形で収納できる機能性も素晴らしい。
リアのベッド下には高さ285ミリ、床面幅975ミリの広々とした空間が確保されており、釣り道具やカメラの三脚、キャンプギアといったかさばる趣味の道具をたっぷりと積み込むことができる。大容量の収納スペースのおかげで、居住空間が荷物で散らかる心配はない。
シアタールームと充実の給電システム
車中泊の質をさらに引き上げるオプション装備も充実している。リアゲート側の窓には木の温もりが感じられるウッドブラインドを装着でき、目隠しとしての機能だけでなく、車内のマイルーム感をさらに高めてくれる。
驚くべきは、架装オプションでロールスクリーンを追加することで、車内を本格的なシアタールームへと変貌させられる点だ。運転席後方のカーテンとブラインドを閉め、2in1シートをリビングルームモードにして映像を映し出せば、大自然の中で映画鑑賞を楽しむという究極の贅沢を味わうことができる。
電気自動車で培われた技術を活かしたポータブルバッテリーを利用すれば、車内に備わった100Vコンセントからさまざまな電化製品に給電することが可能となる。山奥のキャンプ場であっても、パソコンを開いてリモートワークをこなしたり、お気に入りの家電を使ったりと、まさに自宅の部屋ごと移動しているかのような安心感をもたらしてくれる。
日常の足として使い倒せるサイズ感でありながら、圧倒的なリラックス空間と実用性を兼ね備えたキャンパーは、小鳥のさえずりを聞きながら読書する書斎や、趣味をとことん楽しむベースキャンプとして、週末のたびに新しい景色を求めて走り出したくなる究極の移動基地である。
写真ギャラリー
ベース車は日産キャラバン。プレミアムGXとGRANDプレミアムGXの2グレードから選べ、両グレードに2WDと4WDが用意されている。
内装は床から天井まで木目調で車とは思えない部屋感を演出。
2in1シートのリビングルームモード。ソファーのようにクッションのきいたやわらかい座り心地でくつろげる。
2in1シートは5:5の左右分割構造でドライブモードの背もたれを後方に倒せばベッドルームモードになる。ベッドルームモードでは硬めのクッションが上面になり快適な睡眠をサポート。
ベッドルームで使うボードは4枚。ヘリンボーン生地でシンプルかつリッチな質感だ。ベッドボード未使用時は、ボードを橋渡しする両サイドのベースに外したボード2枚ずつを壁に沿って乗せ、収納•固定ができる。
移動と固定が簡単にできるスライドテーブルでリビング•ダイニングルームの手軽にアレンジが楽しめる。
ウッドブラインドは架装オプション。
リアゲート側には100Vコンセントがあり、ポータブルバッテリーやAC100V外部電源入力システムから給電することで利用できる。
ベッド下の空間も広々。収納スペースをはじめ、どう使うかは部屋の主次第だ。
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