
週末に家族やパートナーと快適な車中泊の旅に出かけたいけれど、大きなキャンピングカーは運転や駐車が難しそうで躊躇してしまう。一方で、小回りが利く軽自動車ベースのキャンパーでは、荷物を載せると大人が横になるスペースがほとんど残らず、車内で窮屈な思いをするというイライラを抱える人は非常に多い。日常の扱いやすさとアウトドアでの広々とした居住空間を驚くべき次元で融合させ、まさに隙間を狙い澄ました新定番と言えるモデルが存在する。ベッド下に完全に隠れてしまう画期的なキッチン設備と、真夏の夜を涼しく変える最新の冷房パッケージを備えた、極上キャンパーの全貌に迫ろう。
●文:月刊自家用車編集部
街乗りもこなせる絶妙なボディサイズと高い信頼性のベース車両
キャンピングカー選びにおいて、車体のサイズと居住性能のバランスは永遠の課題である。ハイエースクラスの大型バンコンバージョンは広くて魅力的だが、都市部の狭い道路やスーパーの駐車場、高さ制限のある立体駐車場での取り回しを考えると、普段使いでの運転に不安が残ってしまう。
高い利便性と日本の道路事情へのスマートな適応力を両立するベース車両として採用されているのが、日産が誇るコンパクトビジネスバン、NV200バネットだ。紹介するモデルは、キャンピングカー広島が手掛ける「ポップ・コン Camper-R(キャンパーR)」である。
NV200バネットは全長4410mm、全幅1695mm、全高1980mmという、一般的な中型ミニバンとほぼ変わらない絶妙なサイズ感に収まっている。最小回転半径が小さく、都市部の地下駐車場や自走式立体駐車場にも問題なく入庫できるため、平日は通勤や日常の買い物といった便利な足として完璧に使い倒すことができる。
運転席からの視界が広く、ボンネットの先端や車両の四隅を把握しやすい優れたボディ形状のおかげで、普段は乗用車しか運転しないドライバーであっても、驚くほどスムーズかつ安心して市街地を走り抜けることが可能だ。
悪路走破性に優れたフルタイム4WDシステムもラインナップされている。前輪の滑り量に応じて最適なトルクを後輪へと自動配分する「オートトルクコントロールカップリング」を採用しており、滑りやすい積雪路や雨天時の濡れた路面でも、絶大な安定感と安心の走りを提供する頼もしい相棒である。
乗り心地を極めたハイバックシートと広大なフラットベッド
ポップ・コン Camper-Rの車内に一歩足を踏み入れると、商用バンの無機質な面影は微塵もなく、家族がゆったりと過ごせる上質なリビングルームのような温かみのある空間が出現する。
セカンドシートには、乗用車としての座り心地を極限まで追求した「モールドハイバックシート」を採用している。背中から後頭部までをホールドするように支え、長距離の移動でも同乗者の疲労を大幅に軽減してくれる素晴らしいクオリティだ。
目的地に到着した後のベッドメイクの手軽さも、ポップ・コン Camper-Rが絶大な支持を集めている大きな理由である。シート脇に配置されたレバーベルトを引き、背もたれをリクライニングさせて座面を180度反転させるだけで、力を使うことなく簡単にフラットなベッドへと展開することができる。
セカンドシートを格納し、後部のベッドマットと連結させることで、長さがしっかりと確保されたフラットな就寝スペースが完成する。ベッドマットには3分割式の肉厚な高品質ウレタンが採用されており、車中泊特有 of 底付き感や段差による身体の痛みを完全に解消。大人2名が手足を伸ばして快適に熟睡できる、極上の寝室へと変貌するのだ。
さらに、ポップアップルーフを展開すれば、車内上部にも長さ1880mm、幅1030mmの広大なルーフベッドが出現。二段ベッドの上段として機能し、下段と合わせることでファミリーでの車中泊を窮屈さなしで存分に楽しむことができる。ルーフテント後面にはファスナー式の防虫メッシュ窓が備わり、心地よい夜風を取り入れながら安眠できる。
ベッド下に姿を隠す特許技術、画期的なダウンギャレーシステム
ポップ・コン Camper-Rの独創性と技術力を最も際立たせているのが、キャンピングカー広島が世界に誇る「ダウンギャレーシステム」の搭載である。
車内で料理や手洗いを行うためのシンクや蛇口といったギャレーは、8ナンバー登録や旅の快適性のために必須の設備だが、使用しない時には居住スペースを圧迫する大きな障害になりがちだ。
ダウンギャレーシステムは、使わない時にはシンク本体をベッドマットの下へと物理的に沈め、完全に格納できる画期的なギミックである。トップカウンターをワンアクションで沈め込むことで、車内の端から端までフラットなベッドスペースとして有効活用でき、コンパクトなNV200の室内容積を100パーセント就寝のために使い切ることを可能にしている。
使用する際には、カウンターを垂直に上方へ持ち上げてスライドさせ、ロックを掛けるだけで機能的なキッチンが瞬時にセットアップされる。丸型ステンレスシンクや、折りたたみ式の蛇口、5リットルの給水タンクが2本、さらに脱着式のミニカセットコンロがスマートにビルトインされている。
一部改良により、排水システムも大幅に使いやすくアップデートされた。10リットルのポリタンクを持ち出して簡単に車外へ排水を処理できる仕様に変更され、キャンプや長期の車中泊旅での実用性が飛躍的に高められている。限られた車内の空間を極限まで立体的に使いこなす、職人のアイデアと技術が結集された素晴らしい設備だ。
外部電源不要で朝まで使える、大容量DC12Vクールパッケージ
夏の車中泊旅において、熱中症のリスクや夜間の寝苦しさを防ぐエアコン設備は、もはや贅沢品ではなく命を守るための必須装備と言える。
ポップ・コン Camper-Rには、外部の100V電源に頼ることなく、エンジンを停止した静寂の車内でクーラーを朝まで連続稼働させることができる、最強の「クールパッケージ」が用意されている。
クールパッケージの主役となるのは、省電力ながら最大2200Wという十分な冷房能力を誇るDC12V仕様の車載用セパレートクーラー「クールスター」だ。室内機は後部右側の壁面に設置され、お洒落な家具やダウンギャレーの展開に干渉しないように完璧な配置で収まっている。
冷房を駆動するための電装システムも、完璧なフルパッケージで構築されている。200Ah(100Ah×2)の大容量リン酸鉄リチウムイオンサブバッテリーをベッドベース内に配置し、ルーフ上には200Wのフレキシブルソーラーパネル、さらにAC100V外部充電システムと50A大電流チャージャーをワンパッケージでセッティング。
走行充電、太陽光発電、外部100V接続の3系統から効率よく強力に充電を繰り返すことができるため、連泊や長期の遠征でも電気不足の不安を完全に払拭。車内のデジタルモニターでバッテリー残量や電圧、消費電力量を%表示で正確に一元管理できるのも便利だ。
普段は取り回しの良いミニバンサイズとして街中を軽快に走り抜け、休日はお気に入りの道具をたっぷり積み込んで、家族全員で快適に眠れる走るプライベートコテージへと姿を変える。日常の利便性と本格的なアウトドアライフを、追加のストレスなくシームレスに繋ぐ、ミドルサイズキャンパーの決定版を手に入れて、新しい自由な旅の扉を開いてみてはいかがだろうか。
写真ギャラリー
後ろ向きにセッティングされた2列目のシートは3名が座れる広さ。
カウンターの裏にあるパネルやテーブルを動かせば、フルフラットやテーブル設置のレイアウトに変更可能だ。また、カウンターは跳ね上げ式のミニテーブルも備えている。
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