
●文:月刊自家用車編集部
フィット:モデル概要
フィットの初代は2001年に誕生。ホンダの「人間のためのスペースは最大に、機械のためのスペースは最小限に」というM・M思想(マン・マキシマム/メカ・マキシマム)のもと、広い室内空間や多彩なシートアレンジなど、これまでのコンパクトカーの常識を覆したホンダを代表するモデルだ。
4代目となる現行フィットは、歴代フィットの特徴であったコンパクトカーとは思えない圧倒的な室内空間や優れた走行性能などはそのままに、現代のクルマ社会に求められるニーズに応えられるよう進化を目指して開発された。
フィットRS
従来の半分以下の厚さとなったフロントピラーにより、さらに運転しやすく。また、座った瞬間に心地よさが感じられるボディースタビライジングシートを採用するなど、ホンダのM・M思想を体現するような1台となっている。
パワートレーンは、各グレードにe:HEVとガソリンの2タイプ設定だ。
フィット:スタイリング&パッケージ
フィットのスタイリングは、シンプルで普段の生活に馴染むデザインだ。しかし、フロントマスクはなかなか個性的で、どんぐりまなこのような優しい印象のヘッドランプが特徴的。このヘッドランプにより、一目でフィットと分かるエクステリアとなっている。断面構造の変更により、従来の半分以下の厚さになったフロントピラーは剛性もしっかりと確保されている。
また、グレード別でエクステリアが少し異なり、乗る人のライフスタイルなどに合わせて選択できるのも魅力の一つだ。
【HONDA FIT e:HEV HOME AWD(2022年10月モデル)】
●全長×全幅×全高(mm):3395×1695×1565●ホイールベース(mm):2530●車両重量(kg):1270●乗車定員:5名 ●パワーユニット:1496cc直4DOHC(106ps/13.0kg・m)+モーター(123PS/25.8kg・m)●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:25.3km/L ●ブレーキ:油圧式ベンチレーテッドディスク(F)/油圧式リーディング・トレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソン式(F)/ド・ディオン式(R) ●タイヤ:185/60R15
フィット:インパネ内装&シート
フロントピラーの薄型化によってコンパクトカーとは思えないほどすっきりとした視界に加えて、水平基調のインストルメントパネルやシンプルなバイザーレスモニターの採用などにより、運転のしやすさや安心感が向上。長時間の運転や狭い道でもストレスフリーだ。
フロントとリヤシートには、ソファーのような、座った瞬間に心地よさを感じられる骨盤から腰椎までを樹脂製マットで支えるボディースタビライジングシートを採用。コンパクトカーでありながらも、大人がくつろげる空間を実現している。
歴代フィットの特徴であった後席座面の跳ね上げは、現行モデルにも継承されている。広い荷室空間や多彩なシートアレンジのおかげで実用性も高い。
フィット:パワートレーン
フィットには、1.5Lエンジンに走行用と発電用の2モーターを組み合わせたe:HEVと、低速域から高速域までトルクフルな走りを発揮する1.5Lガソリンエンジンの2タイプが用意されている。
e:HEVモデルは、従来モデルよりも加速のキレがよくなっており、コントロール感も穏やか。どの領域でもストレスを感じない高効率な走りとなっている。それに対して、ガソリンモデルは、登場当初の1.3Lエンジンを改良にて1.5Lエンジンに変更したことで、トルクフルな加速が魅力的。
フィット:モデル変遷
【2020年2月:初期型】4代目となるフィットが登場
Honda SENSINGやHonda CONNECTなどの先進装備を搭載。さらに、e:HEVモデルを用意するなど、従来の魅力を継承しながら正常進化した4代目フィットが登場。月間計画販売台数は1万台。
【2021年6月:一部改良】20周年特別仕様車「Casa」、「Maison」を追加するとともに、Honda Total Care プレミアムを進化
一部改良にて、サブスクリプションサービスであるコネクティッドサービス「Honda Total Care プレミアム」の機能が充実。また、コンパクトな車体に合わせて専用設計された「プレミアムオーディオ」がメーカーオプションで用意された。
さらに、HOMEをベースとした専用インテリアの20周年特別仕様車「Casa」と「Maison」を追加。加えて、ボディーカラーにローズゴールド・メタリックを追加し、NESSグレード専用のアクセント2トーンカラーがオレンジに変更された。
【2022年10月:一部改良】パワートレーン、デザインを改良し、走りにこだわった「RS」グレードを追加
e:HEVモデルの最高出力を10kW(14PS)プラスとなる90kW(123PS)へ向上。ガソリンモデルは、1.3L DOHC i-VTECエンジンを廃止し、1.5L DOHC i-VTECエンジンを搭載。どちらのモデルでもゆとりのある走りが可能となった。
デザイン変更では、各グレードの個性がより際立つように。また、Honda SENSINGに渋滞支援機能と急アクセル抑制機能を標準設定。加えてブラインドスポットインフォメーション、後退出庫サポートをタイプ別に設定した。
新グレードの「RS」は、専用のサスペンションを採用。デザインもスポーティさを意識した専用パーツを装着している。e:HEVとガソリンのどちらにも「RS」は設定されたが、e:HEVにはアクセルオフ時の減速力を4段階で選択できる減速セレクター、3つのドライブモードスイッチ(NORMAL/SPORT/ECON)が専用で装備される。
新グレードのe:HEV RS
【2023年12月:特別仕様車を追加】HOMEに特別仕様車「BLACK STYLE」を追加
HOMEに、黒をアクセントとした内外装パーツを採用し、洗練されたデザインの「BLACK STYLE」を追加した。
BLACK STYLE
【2024年8月:最新型】全グレードに使い勝手が向上するアイテム類を標準装備
オートリトラミラーや全席オートパワーウィンドウ、助手席シートバックポケット、ゲッジルームランプを全グレードに標準装備するとともに、各グレードの装備内容を変更し、日常での使い勝手がさらに高まった。
●フィット グレードバリエーション&価格 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【FF/4WD】 |
1496cc直4DOHC(106ps/13.0kg・m)+モーター(123PS/25.8kg・m) | e:HEV BASIC【電気式CVT】 | 213万8400円/234万800円 |
e:HEV HOME【電気式CVT】 | 232万8700円/253万3300円 | |
e:HEV HOME BLACK STYLE【電気式CVT】 | 245万800円/265万5400円 | |
e:HEV RS【電気式CVT】 | 254万1000円/- | |
e:HEV CROSSTAR【電気式CVT】 | 262万7900円/283万1400円 | |
e:HEV LUXE【電気式CVT】 | 264万3300円/284万6800円 | |
1496cc直4DOHC(118ps/14.5kg・m) | BASIC【CVT】 | 172万400円/192万2800円 |
HOME【CVT】 | 198万5500円/218万6800円 | |
HOME BLACK STYLE【CVT】 | 210万7600円/231万1100円 | |
RS【CVT】 | 215万3800円/- | |
CROSSTAR【CVT】 | 229万2400円/249万5900円 | |
LUXE【CVT】 | 230万5600円/250万6900円 |
フィット:最新値引き&納期情報(2024年10月現在)
- 車両本体目標値引き額:13万円
- 納期の目安:1~2か月
- リセール予想:C+
車両本体で5~7万円、付属品割引10%程度で押してくるケースが目立つが、経営の違うホンダ販売店同士をぶつけるのが効果的。値引きの合計が20万円前後になったら文句なしだ。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(フィット)
全グレードに装備を追加 フィットは、コンパクトなボディーながら広い室内空間やユーティリティー性能の高さ、優れた走行性能などにより、幅広い層のユーザーに好評なモデルだ。今回の一部改良では、新たにオートリ[…]
NISSAN セレナ(ガソリン車) 納期目安:1~2か月 HONDA フリード 納期目安:1~6か月 NISSAN ノート/ノートオーラ 納車目安:1~2か月 HONDA フィット 納車目安:2~12[…]
「N-WGN(エヌワゴン)」 「N-ONE(エヌワン)」 「N-VAN(エヌバン)」 「FIT(フィット)」 「VEZEL(ヴェゼル)」 「CIVIC(シビック)」 この記事の写真をまとめて見る ※写[…]
TOYOTA アクア 【弱点らしき弱点がない、このクラスの優等生】 現行型にも多くの先進装備が投入されているが、その中でも廉価仕様以外に搭載されたバイポーラ型ニッケル水素電池は注目のポイント。小型軽量[…]
ホンダフィット価格:159万2800〜231万4400円(1.5Lガソリン車)199万7600〜266万4200円(1.5Lハイブリッド車) ・最新購入情報車両本体目標値引き額:12万円納期の目安:2[…]
最新の関連記事(新車カタログ(国産車))
フォレスター:モデル概要 6代目として登場した現行モデルは、レジャービークルとしての本質を追求し続けてきた歴代モデルのコンセプトを継承。スバル伝統の水平対向エンジンと独自の4WDシステムを採用するほか[…]
ヤリスクロス:モデル概要 ヤリスクロスは、ハッチバックのヤリスをベースにしたコンパクトSUV。ヤリスの弱点であった後部座席と荷室のスペースを拡大することで、実用性を大幅に向上させており、手頃な価格設定[…]
クラウンエステート概要:品格と機能性が同居する「大人のアクティブキャビン」 クラウンエステートは、クラウンシリーズ第4弾として登場した「大人のアクティブキャビン」。ワゴンとSUVを融合させた新しいデザ[…]
カローラクロス:都市を駆ける洗練されたSUVへ カローラシリーズ初のSUVとして誕生したカローラクロス。「アーバン・アクティブ」をデザインテーマとしたエクステリアは、伸びやかなガラス面とランプが特徴的[…]
インプレッサ:モデル概要 現在の国内スバルラインナップの中では、エントリーモデルとなっているインプレッサ。6代目となる現行型は先代まで設定されていたセダン系が廃止され、5ドアハッチバックのみのラインナ[…]
人気記事ランキング(全体)
FRのサニーに対して、日産初のFF方式を採用 1970年代を前にして、ヨーロッパから前輪駆動のFF方式の波が押し寄せてくる。この流れを敏感にとらえ、市場に送り出されたのがチェリーだ。車名の由来は日本の[…]
一見すると、何に使うかよくわからないアイテムだが…。 TikTokを始めとしたSNSでバズった話題のカーグッズ。ショート動画で見ていると、かなり便利そうなので気にはなったいたのだが…。実際のところはど[…]
GRIDLESS GARAGE LIFEを体現するGMLVAN G-01 GMLVAN G-01は日産キャラバンをベースに、GORDON MILLER MOTORSのアイコンである丸目ライトとテールラ[…]
"最後の個性派スポーツ"と評価されたSR311フェアレディ2000 その軽やかな響きとは裏腹に、フェアレディという名は、国産スポーツカーのパイオニアの血統を受け継ぐ伝統の名称だ。その系譜をたどれば、ダ[…]
コンパクトでも侮れない装備力 F-BOX Squareは、トヨタ・タウンエースをベースに仕上げられた8ナンバーキャンピングカー。街乗りにも馴染むコンパクトな全長と車高1,960mmというサイズ感は、立[…]
最新の投稿記事(全体)
レクサスが次世代スポーツカーの未来像を提示 トヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスは8月15日にカリフォルニア州で開催された「ザ・クエイル、モータースポーツギャザリング」にて、次世代のデザイン哲学を体[…]
コンセプトモデル「Acura Performance EV Concept」の進化系 ベースとなっているのは、昨年2024年にカリフォルニアで開催されたモントレー・カー・ウィークで発表された、Acur[…]
一見すると、何に使うかよくわからないアイテムだが…。 TikTokを始めとしたSNSでバズった話題のカーグッズ。ショート動画で見ていると、かなり便利そうなので気にはなったいたのだが…。実際のところはど[…]
GRIDLESS GARAGE LIFEを体現するGMLVAN G-01 GMLVAN G-01は日産キャラバンをベースに、GORDON MILLER MOTORSのアイコンである丸目ライトとテールラ[…]
「トヨタ・2000GT」より先に生まれた「小さなスポーツカー」 「トヨタ・スポーツ800」が発売されたのは1965年です。 それより少し前の1950年代は、戦後からの復興期から徐々に産業が発展しつつあ[…]
- 1
- 2