
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
月極・月極駐車場の意味とは
普段街並みを見ている中で、”月極駐車場”という看板を見かけることも多いでしょう。当たり前のように使われている”月極”という言葉ですが、読み間違えている人も多いようです。
また、月極の意味を、現在の常用漢字に照らし合わせて考えてみると意味が通らず、なぜ駐車場に月極という言葉が使用されているのか疑問を持っている人も多いかもしれません。
では、月極とはどのような意味で、そしてなぜこのような漢字が使われているのでしょうか。
月極駐車場は、日本各地に存在している。
月極(つきぎめ)は、”1ヶ月単位での契約”という意味を持っています。
つまり、月極駐車場とは、”1ヶ月単位で契約する駐車場”という意味になります。
車を持っている場合は駐車場が必要になりますが、自宅に駐車スペースがないという人も多いでしょう。そういった場合は、近くの駐車場を借りることになりますが、多くの駐車場は月極となっています。
月極駐車場では、アパートやマンションなどの賃貸と同じく、1ヶ月ごとに決まった料金を支払うことで、駐車スペースを借りることができます。
では、なぜ”極”という漢字が使われているのでしょうか。月決めと表してもいい気がしますが、今日まで月極と表現されていることには、理由があるようです。
月極はなぜ使用されていて、いつから使用されているのか
“極”という漢字は、現在でこそ、究極・北極などのように、頂点や限界などの意味で使われていますが、元々は、きまる・きめると読まれており、約束する・とりきめるという意味がありました。
元々というのは1946年以前の話で、戦後GHQによって統制されていく中で、当用漢字表/当用漢字音訓表/当用漢字字体表などが発表され、現在の読み方へと変化していったのです。
当時の意味で考えてみると、”月で約束する駐車場”となり意味が通ります。
こういった変遷があり、漢字自体の読みや意味が変わってしまったものの、1946年以前からの慣習として、”月極”という書き方が残っているのでしょう。
ちなみに、”極”のような、漢字が本来持っている中国語の意味ではなく、日本独自の読み方を当てるものを国訓と言います。
月極駐車場には、”1ヶ月単位で契約する駐車場”という意味がある。
慣習が残っているといえばそれまでではありますが、”月決め”という表現にした方がわかりやすいのではないかと思う人も多いでしょう。
しかし、”決”には、きめる・きまるという意味しかないため、”月決め駐車場”とすると、”極”が本来持っている約束する・とりきめるとは少し意味が違ってしまうのです。
ただ、細かいことは気にせず月決め駐車場・月決駐車場と表記している例もあるため、絶対に”月極駐車場”でないといけない、と神経質になる必要もないでしょう。
慣習として広く使われており、無理に変える必要もないため、”月極”という表現が使われていると覚えておけば大丈夫です。
このように、月極駐車場という言葉は、”1ヶ月単位で契約する駐車場”という意味を持っていますが、この意味は、戦前の慣習に由来するものでした。
車を持っていれば、目にする機会も多いはずです。もちろん由来について詳しく知っておかなければいけないわけではありませんが、”つきぎめ”という読み方と、意味については覚えておいて損はないかもしれません。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(購入ガイド)
メリット1:ドライバーがクルマに合わせるという”楽しさ” 一般的に、古いクルマになればなるほど、オーナー(ドライバー)がクルマに合わせなければスムーズに動かすことが難しくなります。 古いキャブ車であれ[…]
人気の「カワイイ」系、そのパイオニアとして登場 2002年に登場した初代アルト・ラパンは、当時の軽乗用車市場ではまだ浸透していなかった「カワイイ」というサブカルチャー的な要素をいち早く取り入れたパイオ[…]
スバル・フォレスター/価格:404万8000〜459万8000円 S:HEVモデルの追加で、万能タイプに進化 フォレスターは、スバルが長年培ってきたAWD技術と水平対向エンジンの組み合わせにより、どん[…]
最新改良で新しい外装塗料を採用。美しさと耐久性が向上している 5月に実施された一部改良(7月より改良モデルは発売)では、外装の美しさと耐久性を向上させつつ、原材料費の高騰に対応した価格改定を実施。この[…]
最新改良で2WDモデルを廃止。全車4WDモデルのみのラインナップへ 2024年11月に実施した最新改良では、従来はメーカーオプションだった機能の一部グレードで標準装備化が図られた。 具体的には、Xグレ[…]
人気記事ランキング(全体)
普段使いのしやすさを追求した「ちょうどいい」サイズ感 キャンピングカーに憧れても、運転のしやすさを考えると二の足を踏む人は多い。特に女性ドライバーや家族で使う場合、「軽では狭いけれど、フルサイズは扱い[…]
エアコン使用は燃費に確実な影響を与える 真夏の炎天下、エアコンを使わずに運転するのは現実的ではない。しかし、エアコンを稼働させると燃料消費が増えるのは避けられない。環境省のデータによれば、エアコン使用[…]
グループ全体の未来の方向性を明示、その象徴となるコンセプトモデルを披露 「5ブランドプロジェクト発表」と題された配信では、トヨタ自動車のグループ全体のブランド再構築と、将来的な市場ポジショニングを説明[…]
アルファードの広さと上質さを、そのまま旅の相棒に ベースとなるアルファードは、高級ミニバンとしての快適性と静粛性で群を抜く存在だ。その広大な室内空間を活かして、ゆったりとしたリビングのような空間を実現[…]
家のようなくつろぎをそのままクルマに モビーディックの「COMCAM」は、まるで自宅のリビングをそのままクルマに持ち込んだような快適空間を実現したキャンピングカーだ。ハイエースをベースに、広々とした室[…]
最新の投稿記事(全体)
10年後の未来を先取り体験「Tokyo Future Tour 2035」など、主要プログラム決定 ジャパンモビリティショー2025は「#FUTURE」「#CULTURE」「#CREATION」「#K[…]
電動化技術と四輪制御技術の融合させた電動クロスオーバーを披露 世界初披露となる電動クロスオーバーSUVのコンセプトカーは、都会的なスマートさとSUVの力強さを兼ね備えたスタイリングが特徴。広々とした室[…]
●出展コンセプトは「ブランドを際立てる」 国産メーカーの中でもとくに独自性が強いのがSUBARUの特徴だ。今回のJMSの出展コンセプトもその点を強調したものとなっている。「安心と愉しさ」を土台としつつ[…]
人気の軽バンキャンパー仕様が登場だ クリッパーバン「マルチラック」は、荷室にスチールラックと有孔ボード、専用ブラケット2種、および防汚性フロアを装備したモデルだ。ラックとボードはオリジナルの有孔デザイ[…]
車中泊を安心して、かつ快適に楽しみたい方におすすめのRVパーク 日本RV協会が推し進めている「RVパーク」とは「より安全・安心・快適なくるま旅」をキャンピングカーなどで自動車旅行を楽しんでいるユーザー[…]
- 1
- 2