これをやったら割れる!? フロントガラスが凍ってる時のNG行為

●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
冬の朝、クルマを運転する前に直面しがちな問題のひとつ、”フロントガラスの凍結”。
時間がない朝ほど急いで溶かしたくなりますが、間違った方法で対処すると逆にフロントガラスを傷つけてしまう可能性があります。
では、凍結したフロントガラスを安全かつ素早く溶かすにはどうすればよいのでしょうか。
フロントガラスが凍っているときのNG行為は?
クルマのフロントガラスは、車内と外気温の差によって生じる結露によって曇ってしまいます。
この現象は空気中の湿度が多くなる雨の日/クルマ内と外気温で差が生まれやすい冬場などで頻繁に起こります。
フロントガラスが曇ったままだと走行時の視界が確保しにくく非常に危険なので、走り出す前にカーエアコンを活用して、視界をクリアにすることが大切です。
しかし、間違った方法で対処すると逆にフロントガラスを傷つけてしまうことも。
フロントガラスが凍っている時のNG行為として、どのようなものが挙げられるのでしょうか。
まず多くの人がやってしまいがちなのが、熱湯をかける行為。
一見すると簡単で効果的に見えますが、熱湯による急激な温度変化が原因でガラスが割れたり、ヒビが入ったりする可能性があります。
クルマのフロントガラスは頑丈に作られており簡単に割れることはありませんが、飛び石などで小さなクラックが入っていると、熱湯をかけた瞬間に割れてしまうのです。
また、同様にフロントガラスにできた氷を叩き割る方法も、ガラス表面が割れたり傷ついたりする可能性があるのでNG行為として挙げられます。
また硬いスクレーパーを使って、氷を無理にこすり取るのもNG行為のひとつです。
金属などの硬い素材でできたスクレーパーを使うと、ガラス表面を傷つけてしまう可能性があるので、スクレーパーを使いたい場合はカー用品店/ホームセンターで販売されているフロントガラス用のものを選びましょう。
さらに、フロントガラスが凍っているときにワイパーを動かすのもNG行為です。
フロントガラスが凍っているのにワイパーを動かす行為は、ガラスが傷つく可能性があるのでNG
雪が降ったあとは、クルマのワイパーがフロントガラスに凍りつくことがよくあります。
しかし凍ったまま無理やりワイパーを動かすと、ワイパーブレードのゴムがちぎれたり、ワイパーアームが変形したりする恐れがあります。
したがってワイパーを動かすのは、凍結したフロントガラスが完全に溶けてからにしましょう。
フロントガラスが凍っていたらどうすればいい?
では、フロントガラスが凍ってしまった場合はどう対処すればよいのでしょうか。
まずひとつめの方法は、クルマのデフロスターを活用するというもの。
デフロスターとは、水蒸気を含まない温かい空気をフロントガラスに送り、内側の曇りを除去する機能のことです。
デフロスターをオンにして温かい空気をフロントガラスに送ることで、ゆっくりと解氷していきます。
ただし、この方法は凍ったフロントガラスが溶けるまでに10〜15分程度かかってしまうので、忙しい朝にはやや不向きと言えるかもしれません。
時間はかかってしまいがちだが、デフロスター機能を使用することでフロントガラスの曇りを取り除くことが可能
また時間をかけずにサクッと対処したい人には、ふたつめの解氷スプレーを使った方法がおすすめです。
解氷スプレーはフロントガラスの雪や霜を溶かすためのスプレーで、基本的にエタノール/イソプロパノールなどが含まれており、0℃でも凍らないアルコールの特性を利用して解氷します。
この方法なら短時間で凍ったフロントガラスを溶かせるので、デフロスターを使う方法よりも効果的というわけです。
また、解氷スプレーのなかには再凍結防止剤が含まれているものもあり、翌日以降の再凍結を予防することもできます。
一方で、フロントガラスが凍らないようにあらかじめ対策しておくことも非常に重要です。
低気温/降雪が予想される日の前夜は、フロントガラスに凍結防止カバーをかけて、そもそも凍らないように対策しておきましょう。
磁石でボディにつけるタイプ/ミラーにかけるタイプ/モールに挟むタイプなど、さまざまな種類が販売されているので、自分のクルマに合ったタイプを選ぶとよいでしょう。
また、降雪が予想されている場合は事前にワイパーを立てておき、フロントガラスとワイパーが張りついてしまうのを防いでおくと安心です。
このように、正しい知識を持っていればフロントガラスの凍結に素早く対処できます。
フロントガラスの凍結は、運転の安全にも関わる重要な問題なので避けては通れません。
熱湯をかける/氷を叩き割る/硬いスクレーパーでこする/無理やりワイパーを動かすなどのNG行為は避けて、正しい方法で凍結に対処しましょう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トリビア)
電子制御サスペンションは、3つの制御方式に大きく分類される サスペンションに電子制御を持ち込み、走行状態、路面の状況に合わせた最適な乗り心地やアジリティ、スタビリティが得られるものも一部のクルマに採用[…]
リアサスは、固定式リーフスプリングからコイルスプリングへ進化していった 長い間、リアの車軸は固定式で、それをリーフスプリングで支えていた。コイルスプリングが実用化されると、一部の高級車でそれを使うもの[…]
困ったときのお助けサービス。知っておくと、いざというときに安心 サービスエリアやパーキングエリアの片隅に置かれた、コンパクトな機器。ほとんどの人が、気にもとめずに素通りするが、必要な人にとっては、実は[…]
パーキングメーターの時間を超過した…いったいどうなる? ゲート式駐車場/クイック式駐車場など、一口に駐車場といってもその形態は多種多様。都市部の大通りに設置されていることの多い「パーキングメーター」も[…]
覆面パトカーの見分け方とは? 覆面パトカーは交通違反の取り締まりや捜査活動に使用される警察の車両で、一般の自動車と同様の外観をしており、日常の運転中に見分けるのは難しいとされています。しかし、いくつか[…]
最新の関連記事(カー用品)
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
暗所の映像も鮮明に記録。2つのカメラにSTARVIS技術搭載センサーを採用 ドライブレコーダーのトップブランド、コムテックが新たにリリースした新機種、ZDR-850Rは、前後2つのカメラで全方位を記録[…]
座るだけでクールダウン 夏のドライブが快適になる最新カーシート 夏の車内は、ただでさえ暑い。長時間の運転や渋滞に巻き込まれたとき、背中やお尻の蒸れが不快感を倍増させる。そんな夏の悩みを一気に解消するの[…]
引っ張るだけでOK、瞬時にセット完了 ロール式サンシェードの最大の魅力は、その操作の簡単さにある。取り付けは非常にシンプルで、工具も必要なくサンバイザーに専用パーツを固定するだけ。その状態でロール部分[…]
後部座席の暑さ問題を一気に解消するダブルファンの威力 車内の暑さは誰もが感じる悩みだが、特に後部座席はエアコンの風が届きにくく、ムラが生じやすい。前席に比べて風の循環が弱く、蒸し暑さが集中しやすい環境[…]
人気記事ランキング(全体)
奥まで届く薄型設計で内窓掃除が快適に 近年の車はフロントガラスの傾斜が鋭角になり、従来の内窓ワイパーでは掃除しづらいケースが増えている。特にプリウスなど一部車種ではダッシュボード付近に大きなモニターや[…]
ポップアップルーフがもたらす圧倒的な開放感 まず注目したいのは、ポップアップルーフによって実現した最大2000mmという室内高。この高さがあることで、室内で立ったまま着替えたり、作業したりすることがで[…]
気になっていた折りたたみ式サンシェードを購入 近年の日本の夏の暑さは尋常ではない。今年も6月から猛暑日があったり、この先が思いやられる暑さが続いている…。 この高気温のせいで、駐車中の車内の温度はかな[…]
引っ張るだけでOK、瞬時にセット完了 ロール式サンシェードの最大の魅力は、その操作の簡単さにある。取り付けは非常にシンプルで、工具も必要なくサンバイザーに専用パーツを固定するだけ。その状態でロール部分[…]
2代目ローレルは、ケンメリスカイライン(4代目)とシャシーを共有する兄弟車だった 2代目のローレルは1972年の4月に発売されました。この頃のローレルの日産内の立ち位置は“高級GT”といった感じで、ス[…]
最新の投稿記事(全体)
夏の猛暑も怖くない、ロール式サンシェードが作る快適空間 夏のドライブで誰もが感じる悩みは、車内の暑さだ。炎天下に駐車すれば、シートやダッシュボード、ハンドルが触れないほど熱くなる。さらに紫外線による内[…]
暗所の映像も鮮明に記録。2つのカメラにSTARVIS技術搭載センサーを採用 ドライブレコーダーのトップブランド、コムテックが新たにリリースした新機種、ZDR-850Rは、前後2つのカメラで全方位を記録[…]
座るだけでクールダウン 夏のドライブが快適になる最新カーシート 夏の車内は、ただでさえ暑い。長時間の運転や渋滞に巻き込まれたとき、背中やお尻の蒸れが不快感を倍増させる。そんな夏の悩みを一気に解消するの[…]
大阪の商人らしい、「商いのうまさ」で誕生したコンパーノ コンパーノは、ダイハツが戦前から築き上げてきた商用車メーカーとしての地位から、乗用車市場へと本格的に参入する転機となった記念すべきシリーズモデル[…]
タウンエースベースが生む、扱いやすさと拡張性 「Plaything Ace SP」のベース車両は、トヨタ・タウンエース。取り回しの良さと荷室の広さを両立したミドルサイズバンで、日常使いでも不便を感じに[…]
- 1
- 2