
多岐にわたり大きなジャンプアップを果たしたレクサスの本格オフローダー新型「GX」。その斬新なスタイルと走りの向上に注目が集まっているが、インテリアデザインも大きく変わり、進化している。
●文:月刊自家用車編集部
デジタル環境が完備された、森の中にたたずむモダンで快適な別荘をイメージしてデザインされたインテリア
新型「GX」は他の最新レクサス車と同じく、コックピットデザインの考え方「Tazuna Concept」 に基づきデザインされている。人が馬を操る際に使う「手綱」に着想を得たもので、オフロードにおいてもドライバーが車両姿勢を感じ取れるように、インストルメントパネル上面を基準に、水平/垂直基調のシンプルな構成としながらも、センターディスプレイを低く配置して前方視認性を向上させている。
センターディスプレイは、大型の14インチタッチディスプレイを採用。メーターからつながる合成皮革で縁取ったLEXUS初のセンターディスプレイとしており、多くの機能をディスプレイ内のソフトスイッチに集約しているが、使用頻度の高い温度調整スイッチとオーディオスイッチは物理スイッチとして設定された。
その他、走行関係のスイッチはオフロード走行時の操作性を考慮して、ドライバー側に走行系や駆動系スイッチを機能別に配置している。カップホルダーにはスライドリッドを設置し、閉じるとスマートフォンなどのデジタルデバイスを置くスペースとなり、使い勝手を高めている。
シートまわりも改良が加えられ、シートクッション、シートバックボルスター、ヘッドレストに手が入っている。1列目シートはヒップポイントから、かかとまでの高さを約3cm延長している。2列目シートは、キャプテンシートもしくはベンチシートのいずれかを選択可能。3列目シートも用意されるが、オフロード特化型の “OVERTRAIL”仕様は2列シート5人乗りのみとなる。
2列目と3列目シートは、十分な前後カップルディスタンスが確保されて実用性が向上し、3列目シートには左右独立操作が可能な電動折り畳み機構をオプション設定としたほか、2列目シートのベンチシートは6:4の分割格納が可能で、3列目/ラゲッジスペースへのアクセスに便利なワンモーションタンブルシステムが追加される。
室内の収納スペースも拡大。センターコンソールやドアポケット、最大12個のカップホルダーが用意され、2列シート仕様、3列シート仕様ともにラゲッジスペースは従来型「GX」に対し拡大され、3列目シートを格納した状態で最大5個のスーツケースが収納可能とされている。さらに、ラゲッジ床下には2つの収納スペースが用意されている。
バックドアは従来型「GX」の横開きとは異なり、オーソドックスなハッチゲートタイプに変更されているが、バックドアガラスハッチは引き続き採用される。ハッチゲートには、パワーリアリフトドアが標準装備され、ハンズフリーで使えるキックセンサーが用意される。
インテリアカラーには、自然の情景と調和するモノトーン基調の配色が採用され、3色を用意。“OVERTRAIL”仕様では、2色を設定。ドアトリムオーナメント表皮には、角度によって見え方が変化するパーフォレーション表皮を採用してタフさと奥行き感を表現したという。センターコンソール加飾には、木炭のような艶の美しさを現した「艶炭」を採用して質感を高めている。
これら新型「GX」に採用されたインテリアデザインが次期トヨタ「ランドクルーザープラド」にそのまま採用される可能性は小さいが、レクサス最上級SUV「LX」とトヨタ「ランドクルーザー」との関係性と同じく、その性格に合ったデザインが採用されるはず。新型「ランドクルーザープラド」のインテリアデザインがどんな先進性を見せてくれるのか、今から楽しみだ。
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