
アウディ ジャパンは、フラッグシップセダンAudi A8のプラグインハイブリッドモデルAudi A8 60 TFSI e quattro / Audi A8 L 60 TFSI e quattroの発売を開始した。価格は1320万円〜1485万円。
●文:月刊自家用車編集部
技術的ショーケースの役割を果たす1台
Audi A8 60 TFSI e quattro
Audi A8は、1994年のデビュー以来、常にVorsprung durch Technik(技術による先進)を具現してきたアウディのフラッグシップセダン。革新的な軽量・高剛性ボディ設計アウディスペースフレーム(ASF)、高効率直噴エンジン、アダプティブエアサスペンション、前後不等分トルク配分のquattro(クワトロ:フルタイム四輪駆動)、フルLEDヘッドライト、最先端のドライバーアシスタンスシステム、最新のMMIインフォテイメントを採用するなど、各世代ともにアウディの技術的ショーケースとしての役割を担ってきたモデルとなっている。
2022年、3年半ぶりに大幅アップデートされた第4世代のフェイスリフトにおいて、フラグシップにふさわしい最新のデザイン言語をはじめ、先進のテクノロジーとインテリジェントな機能を採用、全面的なアップデートを行い、このセグメントで卓越した快適性とスポーティな走りを両立する、名実ともにアウディ ブランドを代表するモデルだ。
アウディ初のquattro四輪駆動システム搭載のプラグインハイブリッドモデル
今回発表のAudi A8 60 TFSI e quattro / Audi A8 L 60 TFSI e quattroは、Audi A3 Sportback e-tron 以来、8年ぶりのプラグインハイブリッドモデル(PHEV)で、A8 PHEVとして2世代目のモデル。今回、アウディで初めてquattro四輪駆動システムが搭載されたPHEVモデルとして、ノーマルホイールベースA8とロングホイールベースA8 Lの両モデルを設定している。
EV走行も可能。環境性能、経済性、ドライビングダイナミクスの高さの両立を強く訴求
Audi A8 60 TFSI e quattroは、V6 3.0リッターTFSIとモーターを組み合わせ、システム最大出力340kW、最大トルク700Nmを発揮。0-100km/h加速は4.9秒で、このクラス最高峰のA8 60 TFSIの4.4秒に迫る4秒台を達成している。
PHEVモデルのAudi A8 60 TFSI e quattroには4つのドライビングモードがあり、EVモード(モーターのみで駆動)、ハイブリッドモード(モーターと内燃エンジン(ICE)の効率的な組み合わせ)ホールドモード(回生ブレーキで得た電力によりモーターを駆動し充電残量を維持)、チャージモード(積極的にエンジンを作動させ回生により充電残量を増加)の選択が可能。総容量17.9kWhのリチウムイオンバッテリーとトランスミッションの手前に搭載する最大出力100kW(136ps)のモーター、そしてアウディ伝統のセンターデフ式quattroシステムにより、EVモードで最大航続距離54km(WLTCモード)のquattro四輪駆動による走行も可能となっている。
このモデルは、AC普通充電32A対応のオンボードチャージャーと標準装備の充電ケーブル(200V / 15A / 3kW (+100Vアダプタ)により充電を行い、アクセサリー(オプション)の8kW充電ケーブルを使用すれば、AC200Vで最大6.4kWの充電が可能だ。
eモビリティへのブリッジモデル
アウディは、政府のCEV補助金、ならびに環境性能割、重量税、自動車税の減税優遇策とともに、Audi A8 60 TFSI e quattroを、環境意識の高いハイエンドモデル購入者層に対し、eモビリティへのブリッジモデルとして訴求していく。そのため、これまで電気自動車の所有経験のない方に、家庭用充電器の設置や充電体験を通して、ハイエンドモデル購入者層に電動モデルへ慣れ親しんでもらうことを目的として、アウディの電気自動車e-tronモデルと共通の8kW充電ケーブルをアクセサリー(オプション)として設定。また。お客様に8kW対応の充電設備工事を推奨することで、電気自動車e-tronと合わせた複数所有や将来的にe-tronへの乗り換えも促進している。
今回の発表に際し、成約記念品(2023年12月31日までの登録を条件)として、e-tronチャージングキットプラス(チャージャー(8kW)、チャージングケーブル、ウォールブラケットの3点セット)もしくは、チャージングキット(3kW)の充電設備工事代金をサポートも発表された。
モデル&価格
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(アウディ)
電気自動車のフラッグシップモデルをアップデート Audi e-tron GTシリーズは、ポルシェと共同開発した電気自動車専用の「J1 performanceプラットフォーム」を採用している高性能フラッ[…]
もともと4WDはレース目的で造り出された駆動システムだった 4WDというとヘビーデューティなジープタイプのクルマを連想するが、ガソリンエンジン世界初の4WDはヒルクライムレースのために造り出されたもの[…]
1900年初頭、石油ランプからアセチレンランプへ進化 ガソリンエンジンを搭載した自動車が実用化された初期の時代は石油ランプが用いられていた。1900年代に入ると炭化カルシウムと水を反応させて、発生する[…]
ディーゼルターボにも新開発ハイブリッドを搭載。燃費性能が大きく向上 アウディA5/A5アバントシリーズは、初代発売から30年を超えてベストセラーとなっているアウディA4の成功の歴史を引き継ぐ新しいモデ[…]
ドイツ・インゴルシュタットの本社工場で生産される初の電気自動車 アウディQ6 e-tronシリーズは、ポルシェとの共同開発から生まれた次世代電動SUV。卓越した走行性能に加え、最長672km(SQ6 […]
最新の関連記事(トリビア)
世界初のガソリンエンジン車の駆動系 最初の自動車の駆動方式はミッドシップだった 最初の自動車は前輪駆動だった。1769年、蒸気で走る世界初の3輪自動車が現れたが、前1輪を駆動するFF車だった。蒸気機関[…]
1900年初頭、石油ランプからアセチレンランプへ進化 ガソリンエンジンを搭載した自動車が実用化された初期の時代は石油ランプが用いられていた。1900年代に入ると炭化カルシウムと水を反応させて、発生する[…]
電子制御サスペンションは、3つの制御方式に大きく分類される サスペンションに電子制御を持ち込み、走行状態、路面の状況に合わせた最適な乗り心地やアジリティ、スタビリティが得られるものも一部のクルマに採用[…]
リアサスは、固定式リーフスプリングからコイルスプリングへ進化していった 長い間、リアの車軸は固定式で、それをリーフスプリングで支えていた。コイルスプリングが実用化されると、一部の高級車でそれを使うもの[…]
困ったときのお助けサービス。知っておくと、いざというときに安心 サービスエリアやパーキングエリアの片隅に置かれた、コンパクトな機器。ほとんどの人が、気にもとめずに素通りするが、必要な人にとっては、実は[…]
人気記事ランキング(全体)
全方位型のツインタイプの小型ファン 先日、ヘッドレストに装着するタイプの扇風機を愛車に導入したのだが、ファンとしてはオーソドックスな丸型タイプの扇風機も使う機会があったので、便利そうな2種を紹介してい[…]
前席は快適でも、後席は意外と暑くて不快な場合も… まだまだ強い日差しが照りつけるこの季節、車内の冷房の稼働は必須と言える。クルマに乗り込んで、涼しい風に当たって「はぁ〜涼しい…」と、ひと息ついていると[…]
2人旅に特化したゆとりある空間 TR540S Joinの魅力は、まず「2人旅に特化」と割り切った設計にある。就寝人数を2名(乗車人数は5名)に絞ったことで、車内レイアウトに余裕を生み出し、広々としたダ[…]
普段はコンパクトに収納、車に常備しておくのもアリ! 乗り物に関するグッズを多数展開するブランド「CAMSOP(キャムショップ)」が、人気のジムニーをモチーフにした便利なアイテムをリリースしたので紹介し[…]
乗用ミニバンの優れた居住性と走行性に車中泊のための快適機能をプラス メティオのラクネルシリーズはバンコンから軽キャンパーまで様々なタイプの人気モデルがそろうが、今回紹介するラクネル ステイ•スイートは[…]
最新の投稿記事(全体)
スズキのBEV世界戦略車が国内導入 新型eビターラは、2024年11月にイタリア・ミラノで初公開された、スズキのBEV世界戦略車第一弾となるモデル。 「Emotional Versatile Crui[…]
剛性の積み重ねが生む一体感 2024年に実施されたゲームチェンジャーとまで言われた20式から24式への進化。その革新的な変化と比べると、24式から25式への進化は「ブラッシュアップ」と表現するのが妥当[…]
コンパクトに収まるベース仕様 RS1+のベースとなるのは、スズキ・エブリイワゴン。標準設定としてベッドマット、カロッツェリアの楽ナビ、そして諸費用を含む構成になっている。軽キャンピングカーを求める人に[…]
プロポーショニングバルブの開発で、ブレーキ液圧を適正に制御 クルマは様々な要因で荷重変化が起こり、それによってタイヤの接地性が変化し、制動力が左右される。これを防ぐために開発されたのが前後のブレーキ液[…]
日本車が手本とした、美を優先する伊デザイン。その代表が117クーペ 日本において、商品のデザインが売れ行きを大きく左右することに最初に気づいたのは、松下電器器具製作所(後の松下電器産業、現パナソニック[…]
- 1
- 2