
来たる秋商戦で注目してみたい「性能」と「コスパ」に優れるモデルをピックアップ。ここで取り上げるマツダ・CX-8は、希少な3列シートSUVをパワーワードに、派手さはないもののコンスタントに月平均1500台前後を売り続けている人気SUV。それだけに突如発表された「年内で生産終了」ということに驚いたユーザーもいるはず。後継と目される「CX-80」との関係を考えれば仕方ないが、上級モデルらしい重みのある走りや、最大7名乗車まで対応できるキャビン性能は今でも一線級。アッパーミドル級のクルマを探しているユーザーにとっては、クルマ選びの選択肢から外すことができない1台だ。
●まとめ:月刊自家用車編集部
【購入テクニック】「生産終了」のアナウンスで注目度アップ。この秋が購入のラストチャンス
グレード | 車両価格(2WD/4WD) |
25S【7人乗り】 | 299万4200円/323万700円 |
25S スマートエディション【7人乗り/6人乗り】 | 332万3100円/355万9600円 |
25S グランドジャーニー(特別仕様車)【7人乗り/6人乗り】 | -/399万9600円 |
25S ブラックトーンエディション【7人乗り/6人乗り】 | 364万9800円/388万6300円 |
25S スポーツアピアランス【7人乗り/6人乗り】 | 403万2600円/426万9100円 |
25S エクスクルーシブモード【7人乗り】 | 427万4600円/451万1100円 |
25S エクスクルーシブモード【6人乗り】 | 443万9600円/467万6100円 |
25T ブラックトーンエディション【6人乗り】 | 418万6600円/442万3100円 |
25T エクスクルーシブモード【6人乗り】 | 482万2400円/505万8900円 |
XD【7人乗り】 | 337万7000円/361万3500円 |
XD スマートエディション【7人乗り/6人乗り】 | 370万5900円/394万2400円 |
XD グランドジャーニー(特別仕様車)【7人乗り/6人乗り】 | -/438万2400円 |
XD ブラックトーンエディション【7人乗り/6人乗り】 | 403万2600円/426万9100円 |
XD スポーツアピアランス【7人乗り/6人乗り】 | 441万5400円/465万1900円 |
XD エクスクルーシブモード【7人乗り】 | 465万7400円/489万3900円 |
XD エクスクルーシブモード【6人乗り】 | 482万2400円/505万8900円 |
MAZDA
CX-8
価格:299万4200~505万8900円
納期の目安:1~2か月
車両本体目標値引き額:27万円
リセール予想:C
この8月に2023年12月までの年内生産分で、生産終了することが発表された。生産終了となる理由は、クルマの人気の有る無しではなく(むしろディーラー関係者からは無くなっては困るモデルという声も聞けるほど……)、今年後半期に国内導入されることが有力なFRプラットフォームの3列シートSUV「CX-80」との関係によるところが大きい。ようするに希少な3列シート仕様のSUVとはいえ、2つのモデルを並立させるのは得策ではないということだ。すでに販売店では「注文が生産予定台数に達した時点で終了」とアナウンスしているため、この秋が新車のCX-8を手に入れることができる最後のチャンスになる。
現時点では、いま商談を進めていけば納車まではスムーズ。納期もおおよそ2か月もあれば十分だ。商談時のライバルとしては、3列シート仕様を設定しているエクストレイルや、ノアやセレナなどのミドルミニバンが効果的。経営資本が異なるマツダ販売店がある地域ならば、CX-8を競い合わせる同士競合に持ち込みたい。付属品の値引きを含めて30万円が合格ラインになる。
あとどのくらい生産予定台数の枠が残っているかは不明だが、今年1月から7月までの登録台数(9966台)から推測すれば、それほど潤沢とは思えない。欲しいならば、今すぐディーラーに向かうのが良さそうだ。
【グレード選び】希少な3列シートSUVをコスパ良く狙いたいなら、「スマートエディション」がベストバイ
CX−8で選べるパワートレーンは、2.5Lガソリン(NA・190PS/25.7kg・m)、2.5Lガソリンターボ(230PS/42.8kg・m)、2.2Lディーゼルターボ(200PS/45.9kg・m)の3タイプ。グレードとしては、ガソリンターボの25T系は2つ、2.5Lガソリンの25S系と2.2LディーゼルターボのXD系はおのおの6つの合計14グレードを設定している。
まず最初に決めたいのはパワートレーン。価格的には2.5Lガソリン車(NA)がリーズナブルだが、最も車両重量が軽い「25S」でも1740kgを超えてくる大柄なクルマだけに、スペック面で物足りなさが否めない。街中はともかく、登坂路や高速走行時の追い抜きなどでは伸び感が頭打ちで、少し非力さを感じてしまう。
動力性能視点では、2.5Lターボと2.2Lディーゼルターボのどちらかになるが、2.5Lターボが低中速域の扱いやすさを重視したユニットということもあって、出足からの力強い加速を売りにしている2.2Lディーゼルターボとかなり方向性が近い。燃費性能の違いも考えると、ディーゼルターボ車の方が強みの部分が多くオススメしやすい。
各グレードの違いは、主に内外装の加飾と装備差によるもの。最もベーシックな「標準仕様」(25SとXDに設定)は、ACCや360°ビューモニターなどの運転支援機能がOPで、装着不可の機能装備も多め。CX-8の大きな武器となるセカンドキャプテンシート仕様も選ぶことができない。ベーシックグレードとはいえ、少し装備を省きすぎで万人にオススメできるグレードとはいえない。その一つ上となる「スマートエディション」から、ACCが標準となりセカンドキャプテン仕様も選択可能なので、まずはこのグレードを基準にして上のグレードと検討を進めていくのがいい。
残りの4つのグレードはいずれも上級相当という位置付けで、「ブラックトーンエディション」は黒基調でシック気味に演出、「グランドジャーニー」はオフテイストを強調、「スポーツアピアランス」は少しカジュアル気味で赤内装も選択可能、「エグゼクティブラウンジ」は最上級仕様にふさわしい加飾レベルが与えられているなど、おのおのが目指す個性を贅沢に追求している。この4つの装備機能はいずれも上級SUVにふさわしい水準なので、価格と見た目の印象で選んで問題ない。
3列シートを備えるSUVをリーズナブルに狙いたいというならば、「25S スマートエディション」の7名乗り仕様(332万3100円~)か、「XD スマートエディション」の7人乗り仕様(370万5900円~)。上級SUVらしい豪華なキャビンを楽しみたいというならば、「XD エクスクルーシブモード」の6人乗り仕様(482万2400円~)がオススメだ。
動力性能と燃費性能の両面において、ディーゼルターボ車は明らかに格上。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(SUV)
フォレスター:モデル概要 6代目として登場した現行モデルは、レジャービークルとしての本質を追求し続けてきた歴代モデルのコンセプトを継承。スバル伝統の水平対向エンジンと独自の4WDシステムを採用するほか[…]
ヤリスクロス:モデル概要 ヤリスクロスは、ハッチバックのヤリスをベースにしたコンパクトSUV。ヤリスの弱点であった後部座席と荷室のスペースを拡大することで、実用性を大幅に向上させており、手頃な価格設定[…]
クラウンエステート概要:品格と機能性が同居する「大人のアクティブキャビン」 クラウンエステートは、クラウンシリーズ第4弾として登場した「大人のアクティブキャビン」。ワゴンとSUVを融合させた新しいデザ[…]
ボルボの主力モデルがビッグマイナーを実施 ボルボのミッドサイズSUV「XC60」は、これまで世界で150万台以上を販売してきた、ボルボの屋台骨を支えるモデル。現行モデルは2017年に日本に導入され、日[…]
シンガポール発の「IJOOZ(アイジュース)」とのコラボレーションも実施 「ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ ホセ」は、アンリミテッド サハラグレードをベースとした限定車(100台)。ボディ[…]
最新の関連記事(マツダ)
「MAZDA CX-60」をベースとしたラリー車両「MAGIC TY MAZDA CX-60」 開発現場が“ラリー会場”に変わるとき、何が起きるのか!? マツダが直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載する[…]
自動車での物流に先駆け、安価なオート三輪を開発 マツダの自動車製造の第一歩 1920 年(大正9年)、中国地方の山間部で自生していたブナ科の落葉樹「アベマキ」を使用したコルクを製造するメーカーとして、[…]
消えゆくロータリー車を救え!部品供給と未来への挑戦 このイベントで注目となるのは、「RE Club Japan」の狙いだ。過去、日本だけでなく世界中に、ロータリー・エンジン車のオーナーのためのクラブは[…]
欧州仕様車には、2.5Lガソリン・Mハイブリッドを搭載 CX-5は、2012年に導入されて以来、マツダの主力商品として世界100以上の国と地域で販売され、グローバル累計販売台数は450万台以上を記録す[…]
魂動デザインの進化に加え、装備機能の充実ぶりも期待できそう 現行型のCX-5は2017年に発売され、すでに8年が経過している。すでに国内でも次期型の登場は噂になっており、編集部が販売店に取材したところ[…]
人気記事ランキング(全体)
レクサスが次世代スポーツカーの未来像を提示 トヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスは8月15日にカリフォルニア州で開催された「ザ・クエイル、モータースポーツギャザリング」にて、次世代のデザイン哲学を体[…]
FRのサニーに対して、日産初のFF方式を採用 1970年代を前にして、ヨーロッパから前輪駆動のFF方式の波が押し寄せてくる。この流れを敏感にとらえ、市場に送り出されたのがチェリーだ。車名の由来は日本の[…]
一見すると、何に使うかよくわからないアイテムだが…。 TikTokを始めとしたSNSでバズった話題のカーグッズ。ショート動画で見ていると、かなり便利そうなので気にはなったいたのだが…。実際のところはど[…]
フォレスター:モデル概要 6代目として登場した現行モデルは、レジャービークルとしての本質を追求し続けてきた歴代モデルのコンセプトを継承。スバル伝統の水平対向エンジンと独自の4WDシステムを採用するほか[…]
GRIDLESS GARAGE LIFEを体現するGMLVAN G-01 GMLVAN G-01は日産キャラバンをベースに、GORDON MILLER MOTORSのアイコンである丸目ライトとテールラ[…]
最新の投稿記事(全体)
レクサスが次世代スポーツカーの未来像を提示 トヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスは8月15日にカリフォルニア州で開催された「ザ・クエイル、モータースポーツギャザリング」にて、次世代のデザイン哲学を体[…]
コンセプトモデル「Acura Performance EV Concept」の進化系 ベースとなっているのは、昨年2024年にカリフォルニアで開催されたモントレー・カー・ウィークで発表された、Acur[…]
一見すると、何に使うかよくわからないアイテムだが…。 TikTokを始めとしたSNSでバズった話題のカーグッズ。ショート動画で見ていると、かなり便利そうなので気にはなったいたのだが…。実際のところはど[…]
GRIDLESS GARAGE LIFEを体現するGMLVAN G-01 GMLVAN G-01は日産キャラバンをベースに、GORDON MILLER MOTORSのアイコンである丸目ライトとテールラ[…]
「トヨタ・2000GT」より先に生まれた「小さなスポーツカー」 「トヨタ・スポーツ800」が発売されたのは1965年です。 それより少し前の1950年代は、戦後からの復興期から徐々に産業が発展しつつあ[…]
- 1
- 2