「100mm低くしろ…」日本が誇る自動車メーカーが開発。世界の各社が模倣した技術は、スタイリッシュなデザインを実現するための難題が発端だった。(2ページ目)│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「100mm低くしろ…」日本が誇る自動車メーカーが開発。世界の各社が模倣した技術は、スタイリッシュなデザインを実現するための難題が発端だった。(2ページ目)

1902年に製造されたベンツ。馬車の車台から大きく抜け出したものではなく、前後に板バネを組み合わせたサスペンションを装着していた。

1931年に製造されたベンツ170。板バネを上下に配置。構造材としても活用し、ダブルウィッシュボーンのような効果も持たせている。シンプルでありながら工夫に富んだ形式。

1954年に製造されたベンツSLのフロントサスペンション。当時の最先端を行くもので、バンプとリバウンドに対し適切なキャンバーコントロールが行われていた。

フロントサスペンションに革新をもたらしたマクファーソンストラット。シンプルなパーツ構成でありながら、接地性と乗り心地を両立させた。

ストラットの主流となったスプリングオフセット。支柱の中心線とスプリングの中心線をずらすことで、バンプ/リバウンド時のフリクションを低減している。

1926年製のベンツ。頑丈なフレームで左右のキングピンを繋ぎ、それを板バネで支える形式へと進化した。この方式は1900年代前期の多くのクルマに採用された。

アウディA4のフロントサスペンション。アッパーアームの先端はツインピボットとなり、仮想のピボットはその先に設定される。これによってキングピンオフセット設定の自由度が高まり、理想的なセッティングが行えるようになった。

1982年、ホンダがプレリュードに採用した世界初のハイマウントダブルウィッシュボーン。フロントサスペンションに革新をもたらし、世界の多くのメーカーがそれに倣った。

ハイマウントダブルウィッシュボーンを採用したプレリュード。開発のきっかけはフロントフードを低くし、スタイリッシュなデザインを実現することだったという。

ダブルウィッシュボーンが過去のものになかったわけではない。一部のスポーツカーやレーシングカーにとってなくてはならない形式だ。写真はホンダNSX。

インディカーのフロントサスペンション。オープンホイールのレーシングカーのすべてがこのようなシンプルな構成のダブルウィッシュボーンを採用していた。