
ホンダの次世代e:HEVハイブリッドシステムを採用したミッドセダン開発車両は、「更なる環境性能向上と事業性向上を両立し、上質・爽快な走りを提供する」ことを目指しているという。テストコースで試乗した開発プロトモデルの試乗を踏まえ、そのポイントを解説する。
●文:川島茂夫
プレリュード以上に多段ミッションのマニュアル車の感覚
今回試乗した開発プロトモデル(ミッドセダン)に搭載されているホンダの最新技術群は、すでに一部の技術はプレリュードにも導入されているが、さらに走りの質を高める改良進化が施されていることが見どころだ。
まず、最初に注目したいのがパワーユニット関連。
搭載するミッドサイズ向けの「第2世代e:HEV」は、2L直噴エンジンに発電機と駆動(回生)モーターを平行軸でレイアウトした最新仕様。
エンジンもプレリュードとは別モノで、ミッションも並行軸型直結1段式に変更され駆動の制御効率がさらに良くなっている。
プレリュードにも採用されたS+シフトも搭載済みだが、開発プロト車はさらに一歩踏み込んでいる。プロトモデルならではの遊びゴコロかもしれないが、排気音がスポーツモデル好きの音になっていたのだ。
勇ましいとか迫力という類ではないが、抜けのいい音質で、否応にも走る気分が高まってくる。音量そのままに市販仕様への展開は難しそうだが、「いい音」へのこだわりは好印象。S+シフトの変速設定は8速で、車速に合わせて駆動力やエンジン回転数を多段ミッションのように制御しているだけなのだが、プレリュード以上に多段ミッションのガソリン車を操っている感じを受けた。
アンダーロードパスなどを廃止した車体骨格設計などによる車体周りの軽量化も含めて、全開加速性能で10%、燃費で30%の向上を見込むという。
「弾性設計」の導入でシャシー性能がさらにアップ
シャシー設計も注目ポイントのひとつ。その開発の要となっているのが、設計車体骨格の歪みを積極的に利用する、いわゆる「弾性設計」の導入だ。
サス周りの車体骨格の捻れをサスの動きの一部として取り入れることで、従来型を上回る安定した接地性を実現するという技術だが、この実験車では、横力の車体入力を減少させるアーム設計などサスや骨格周りの振動抑制への新技術も導入。
高速で荒れた路面を走らせてみても、突き上げ感はほとんどなく、滑らかな乗り味を失なわない。フットワークの印象も、ハンドリングも乗り心地も、洗練さがさらに高まっている。
車体骨格の歪み(捻れ)を積極的に利用する弾性設計を導入することで、サスの動きの一部として捻れを取り込み、従来を上回る安定した接地性を実現している。
開発プロトモデルということもあって、クルマ好きがソソる要素が多かったが、次世代ホンダの走りの方向性を確認するには、これくらいが分かりやすい。ホンダが目指す「走り」が、心地よい質感や安心感を重視していることを再確認することができたのだ。
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