
クルマには、多くの消耗品となるパーツが使用されており、末永く安全にドライブするためには、消耗品の定期的な交換は必要不可欠となる。今回は、中でもエンジンに関わる重要な消耗品について解説していこう。
●写真/文:オートメカニック編集部
メンテナンスフリー化が進むが、それでも点検はしておきたい
今回は、エンジンメンテのベーシックレベル、スパークプラグについて解説していこう。プラグメーカーによると、その寿命は2~3万kmが目安とのコト。しかし最近では高級車を中心に、貴金属プラチナやイリジウムを電極に使用したプラグが純正装着されているクルマが増えており、そういった貴金属使用タイプの寿命はなんと10万km!
ソンナコンナで、メンテナンスフリー化が進んでいるためか、車載ツールにプラグレンチがない、なんていうクルマが一般的だ。そういうクルマに限って、エンジン回りがカオス状態で、プラグの取り外しの難易度が非常に高いことが多い。しかし、そんなクルマでも、年に一度はプラグを外したほうが、世のため身のためクルマのため! 理由は後ほどゆっくり説明することにしよう。どのような状態になったら交換したほうがいいのか? プラグの焼け具合などから、消耗の度合いをチェックする方法なども解説いこう。
スパークプラグの取り外し方。サイズに合ったプラグレンチを使用
まずはプラグキャップを取り外す。基本的に差し込まれているだけなので、引っ張り上げればよいのだが、プラグのガイシ部分に張り付き、なかなか抜けないことがある。そんなときは、アタマの部分をグリグリ回してみよう。
また、プラグキャップの真上に点火コイルが装着されているダイレクトイグニッション(および一部の同時点火)の場合は、固定用のネジを取り外してから引き抜く。プラグ本体の取り外しには、プラグレンチが必要。プラグレンチには、いくつかサイズがあるので、自分のクルマに合ったものを購入すること。
最近のクルマは、車載工具にプラグレンチが入っていないことが多く、別途購入する必要アリ。プラグレンチは、プラグのネジ部分(六月二面幅)のサイズで決まる。乗用車の場合は16mmと21mが多く、中でも最のクルマはほとんどが16mmを採用している。
プラグレンチの種類はさまざま。ソケットタイプは自由度が大きいが、プラグ装着時、プラグと共にレンチ部分も残りイライラすることも!一体型は一体型で、狭いところで扱いづらい場合がある。プラグ位置を考慮し、自分のクルマに合ったベストなレンチを購入しよう。
スパークプラグを外す作業手順
プラグキャップのアタマ部分をつかんで引き抜く。抜けない場合はグリグリと回してから、再度ギュッとつまんで引っ張ってみよう。プラグキャップが外れたら、できればスパークプラグを外す前に、エアガン等で内部のホコリを吹き飛ばしておきたい。写真のようなエアゾール式のホコリ飛ばしを使用してもOKだ。
プラグ本体の取り外しは、通常のボルト外しと基本的に同じ。プラグに対してレンチを真っ直ぐにかけて緩めていく。外したプラグは落とさないように注意する。また、どの気筒に付いていたものか判別できるように並べておくと、さらにGood。
プラグキャップの取り外しで、コード部分を引っ張るのはNG!
プラグキャップが抜けないからといって、コード部分を引っ張るのはタブー。コードがスッポ抜けたり、内部で断線したりする恐れがあるためだ。どうにも抜けず、プライヤー等を使用する場合は、キャップにウエスを巻き、手でつまむ程度の力を越えない範囲で使用すること。
プラグキャップを外す際は、コードを引っ張らないよう注意。
スパークプラグを交換するか? そのまま使用か? 焼け具合などで判断
スパークプラグを取り外したら、まず焼け具合を見てみよう。もし、くすぶりや焼けすぎが見られたら、エンジンがトラブルを起こしている可能性がある。また、各気筒で焼け方にバラツキが見られる場合も、何かしらのトラブルを疑うべきだろう。
消耗に関しては、中心電極をチェック。丸まっているなら、摩耗が進行していると判断できる。判断がつかない場合は、走行距離で交換してもいい。通常のスパークプラグで2~3万km、新車装着のプラチナやイリジウムタイプのスパークプラグで10万kmが目安。新品は必ず指定の型番のものを購入すること。ショップにある適合表か、現在付いているプラグの型番を見ればいい。
スパークプラグの焼け具合の判断目安
プラグの焼け具合は、ガイシ部分が自~若干のキツネ色程度であれば良好な燃焼状態といえる。もし、黒くススけていたり、焼けすぎ状態になっていたなら、早急にエンジンを点検する必要がある。
取り外したスパークプラグの焼け具合比較写真。
各気筒間の焼けムラも重要で、通常ならばほとんど同じように焼けるが、個別の気筒だけ焼け方が著しく違うような場合は、そのシリンダーだけに異常が発生している可能性が高い。プラグを取り外す際、気筒が判別できるように並べておけば、何番の気筒が問題アリか一目瞭然で分かる。
気筒ごとの焼け具合を比較できるようにしておくことも重要。
スパークプラグの消耗度合いの比較
消耗するのは主に中心電極部分。新品と同様の形状を保つていれば続投OK。しかし、左写真の“消耗品”のように、目減りしていたら要交換だ。消耗が進むとアイドリング不安定、燃費の悪化、加速不良等を引き起こす。
新品のスパークプラグ(左)と、使用後のスパークプラグ(右)の、電極部分の比較。
適正なスパークにはギャップが重要。だが、電極の消耗や落としたりしない限り狂わないので、ビギナーレベルではギャップ調整を意識しなくてもいい。
スパークプラグのギャップの調整。
ガイシ(〇部分)に茶色い汚れが付着していることがあるが、これはコロナ汚れと呼ばれるもの。トラブルとは無関係なので心配無用!
取り外したスパークプラグのガイシ部分の汚れ。
スパークプラグの劣化は、エンジン性能の低下にもつながりかねない。愛車のプラグは、定期的に点検し、異常があれば適切な対応をすることで、快適かつ安全にドライブできるはず。自分でできない場合は、ディーラーやカーショップに相談してみよう。
※本稿は、(株)内外出版社刊行のMOOK『工具&道具の正しい使い方 クルマのDIYガイド』(オートメカニック編集部)より抜粋して掲載しています。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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