
北米で日産の最重要コアモデルである新型「ローグ ハイブリッド」が発表された。第3世代へと進化を遂げた電動パワートレーン「e-POWER」を引っ提げ、ワイドで力強いスタイリング「Refined and Tough」を纏った姿は、近い将来国内に投入される次期エクストレイルにも繋がるだけに日本のファンにとっても見逃せない存在だろう。日産が発表した長期ビジョンにおいても、新型「エクストレイル/ローグ e-POWER」はグローバル事業を支えるコアモデルとされている。北米で披露された最新スペックやデザインは、間違いなく次期型エクストレイルに受け継がれるはずだ。
●文:月刊自家用車編集部
洗練とタフさを融合したスタイリング
新型ローグには数々の最新技術が投入されているが、販売面を大きく左右するデザイン面の進化も見逃せない。デザインテーマに「Refined and Tough(洗練とタフ)」を掲げ、ワイドなスタンスと日本的な美意識を融合させた造形により、歴代モデルが持つタフネスさを継承。ワンランク上のプレミアムな雰囲気を漂わせている。
フロントグリルは横方向への広がりをより強調した迫力あるVモーションデザインとなり、シャープに研ぎ澄まされたLEDヘッドライトとの組み合わせによって、一目で新世代モデルとわかるフロントフェイスを創出。水平基調の重厚なバンパーラインや力強いフェンダー造形が与えられたことで、よりSUVらしい力強さが増している。
細部も日本の緻密な仕立ての良さを感じさせるディテール加飾や繊細な面構成を用いることで、どこか都会的でありながら骨太な塊感を突き詰めたスタイリングを実現。街中でもアウトドアフィールドでも格別の存在感を放つはずだ。
新型ローグは、北米では「SR AWD(SRテクノロジーパッケージ装着車)」が2026年秋にデリバリーがスタート。その他のグレード(SV、SR、Platinum)は2027年初頭に発売予定。生産は日本の日産自動車九州工場が担当する。
ワイドなスタンスとタフなバンパー造形がSUVらしい力強さを主張。
ワイドなスタンスと流麗なルーフラインが際立つサイドプロファイル。「Refined and Tough(洗練とタフ)」のテーマ通り、力強いフェンダー造形と都会的な上質さが高い次元で融合している。
電動4WDの「e-4ORCE」を全モデルに搭載
パワートレーンには、熱効率42%を誇る1.5Lターボエンジンと組み合わせた第3世代「e-POWER」を採用。さらに全グレードへ電動4WDシステム「e-4ORCE」を標準装備することでシステム最高出力225馬力というパワフルな走りを手に入れている。
現行型エクストレイルではFF(2WD)モデルもラインアップされているが、北米の新型ローグはe-4ORCEを標準装備としたことを考えると、次期モデルでは高性能な電動4WDモデルが主役になるのは疑いようがない。
前後ふたつのモーターを緻密に制御し、どんな路面でも圧倒的な安心感と意のままのコーナリングをもたらすe-4ORCEと最新e-POWERは、次期エクストレイル最大のコア技術となるはずだ。
熱効率42%を誇る発電専用の1.5L3気筒ターボエンジン。これを発電用として搭載する第3世代「e-POWER」は、レスポンスの良い完全モーター駆動による力強く滑らかな走りを生み出す。
静粛性を高めた上質な室内空間は、ファミリーニーズも強く意識
室内空間も大きく進化を遂げ、まさに新世代モデルに相応しい洗練されたキャビンへと刷新されている。そのハイライトとなるのが、14.3インチの大型デュアルディスプレイを軸としたデジタルコックピットだ。
この先進的なインターフェースは、この夏に国内デビューした新型キックスや新型エルグランドなど、日産の新世代モデル群にも相次いで採用されていて、北米ローグではGoogle MapsやGoogle Playに加え、最新の対話型AI「Google Gemini」に直接対応。音声操作による各種設定やナビゲーション検索が一段とスマートになることでシームレスな操作感が提供されるとのこと。
さらに15W対応のQi2マグネット式ワイヤレス充電器やBoseプレミアムオーディオなども搭載されるなど、上級装備の充実ぶりは目を見張るものがある。
室内スペースにはクラス最大級となる前席の頭上空間と足元空間が確保されたほか、長距離ドライブの疲労を軽減する「ゼログラビティシート」を採用。さらに遮音ガラスの導入によって走行ノイズを徹底的に抑え込み、上級セダンに迫る静粛性と快適な乗り心地を実現した。
初採用となるシートベンチレーション機能や、乗降時やチャイルドシートの乗せ降ろしに威力を発揮する約90度まで大きく開くリヤドア、、後席中央を含めた柔軟な固定を可能にする5か所のラッチアンカーなど、ファミリーモデルとしての性能も強化されるなど、日常の実用面での利便性においても隙のない仕上がりを見せている。
14.3インチの大型デュアルディスプレイを中心に、Google Gemini対応のインフォテインメントが統合された新世代のインテリアデザインを採用。
Google MapsやGoogle Playに加え、最新対話型AI「Google Gemini」を内蔵することで、自然な音声操作でナビ設定やアプリ操作が行える。
長距離移動の疲労を大幅に軽減する「ゼログラビティシート」を採用。人間工学に基づいた立体構造と上質なレザー仕立てにより、体を優しく包み込む極上の座り心地とフィット感を提供する。
クラス最大級のゆとりを誇るリアシート空間。足元や頭上スペースに十分なクリアランスを確保したことに加え、高い静粛性とゼログラビティ思想の座面により、後席乗員にも最高の快適性を提供。
従来のエクストレイルのポジションは、キックスがカバーすることに
最新の電動技術や上質なインテリア、先進の安全装備が惜しみなく投入されることや、e-4ORCE専用モデル化という理由もあって価格もアップ。公開された北米仕様のグレード設定を見ると、その上級化路線は明らかだ。
標準モデルにあたるSV AWDが3万5490ドル(1ドル=155円換算で約550万円)、SV AWDにプレミアムパッケージを装着した仕様が3万7590ドル(約583万円)。さらにスポーティなSR AWDは3万7490ドル(約581万円)、テクノロジーパッケージを装着すると4万1490ドル(約643万円)となり、最上級のPlatinum AWDでは4万3490ドル(約674万円)という価格設定となる。
国内で販売されている現行エクストレイルの価格は409万2000円からと考えると全体的に上がってしまった格好だが、次期型はパワートレーンのアップデートに加え、遮音性の向上やゼログラビティシート&高機能なインフォテインメントの採用など、メカニズム&装備は車格アップに見合った内容が与えられている。
これまでエクストレイルがカバーしてきた300万台後半から400万円台にかけてのマーケットは、今年夏に登場した新型キックスでカバーするということなのだろう。実際、新型キックスはクラス超えの内装加飾や充実した装備、そして申し分のない動力性能を備えており、従来のエクストレイルが持っていた実用的なポジションを引き継ぐ体制が整っている。
今回北米で発表されたローグの仕様がそのまま日本へ導入されるわけではなく、日本の環境やユーザーニーズに合わせた細かなローカライズが行われるのは確実だが、タフで洗練された迫力あるデザインや、第3世代e-POWER+e-4ORCEによる走りの進化、そしてAI技術を活用した知能化といった基本性能は、次期エクストレイルに受け継がれることは間違いない。日産のブランド再生を担う新世代SUVとして、日本での正式発表の日が楽しみだ。
北米で披露されたこの圧巻のフロントフェイスは、次期エクストレイルとして日本に上陸した際も大きな話題を集めそうだ。
横一文字に伸びる洗練されたLEDリアコンビネーションランプがリヤビューを引き締める。重厚感のあるバンパーと立体的なテールゲート造形により、力強く安定感のあるスタイリングを楽しませてくれる。
幾何学的で切削光沢が映えるグラフィカルな大径アルミホイール。
電動4WDシステム「e-4ORCE」による確実な駆動力を連想させる足回りのデザインも見どころのひとつ。
上質な素材で仕立てられたシートやドアトリムが、乗る人すべてを優しく包み込む極上の空間を提供。
バイワイヤ方式のシフターや各種操作スイッチを機能的に配置。手の届きやすい位置にQi2規格ワイヤレス充電やカップホルダーを整然と並べ、日常の使い勝手と洗練された美しさも追求されている。
進化した運転支援システム「ProPILOT Assist」の作動画面。高精度なミリ波レーダーと広視野角カメラにより、自車周辺の車線や先行車をグラフィカルかつリアルタイムに高精細メーターへ表示する。
| ローグ ハイブリッド Platinum AWD(北米仕様) | |
| 全長×全幅×全高 | 183.0×72.4×67.4 インチ (約4648×1839×1712mm) |
| ホイールベース | 106.5インチ (約2705mm) |
| 車両重量 | 4050lbs (約1837kg) |
| 乗車定員 | 5名 |
| パワーユニット | 1497cc直列3気筒DOHCターボ + 前後モーター |
| システム最高出力 | 225hp |
| 駆動方式 | 電気式4WD(e-4ORCE) |
| EPA総合燃費 | 38mpg (約16.2km/L) |
| ブレーキ(前) | ベンチレーテッドディスク |
| ブレーキ(後) | ベンチレーテッドディスク |
| サスペンション(前) | ストラット式 |
| サスペンション(後) | マルチリンク式 |
| タイヤサイズ | 235/55R19 |
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