![[はたらくくるま] 空港の陰の主役たち! 飛行機の運行は彼らのおかげ〈JAL・羽田空港〉](https://jikayosha.jp/main/wp-content/uploads/2025/04/001-1.jpg)
空港を訪れた時、窓の外の旅客機を眺めることがあるだろう。その時は、ぜひとも旅客機だけではなく、そのまわりで動き回る“はたらくくるま”にも目を向けてほしい。空港には、街中で見かけないような独特な“はたらくクルマ”が数多く存在しているからだ。本企画では、羽田空港にて日本航空(以下:JAL)の“はたらくクルマ”を取材した。
●まとめ:オートメカニック編集部 ●撮影/文:鈴木ケンイチ
主役である旅客機を支える独特なスタイルのクルマたち
飛行機に乗って旅をする。その時、多くの乗客がもっとも強く印象づけられるのは、巨大で力強く、そして人間を空へといざなう旅客機という存在だ。
しかし、実際のところ、そうした空の旅は旅客機だけで成り立っているのではない。それをサポートする数多くの“はたらくクルマ”があってこそのもの。乗客の荷物を旅客機に搭載する。後退できない旅客機を誘導路まで移動させる。エンジンが停止した旅客機に給油/給電する。パッセンジャーボーディングブリッジ(以下:PBB)を接続できない駐機場に停まった旅客機までランプバスで乗客を連れてゆくこともある。
そうした旅客機と乗客の世話をやく“はたらくクルマ”が空港には数多く存在するのだ。
また、その“はたらくクルマ”の多くは、旅客機の下部に潜り込む車高が低いものや、作業台の昇降機能を伴ったものなど、作業特性に応じた独特のスタイルをしている。
今回取材した、JALのグランドハンドリング業務を担うJALグランドサービス(以下:JGS)の場合、羽田空港だけでも数百台規模の“はたらくくるま”を運用しているという。
巨大な旅客機の世話をするトーイングトラクター
そんな空港の“はたらくクルマ”のうち、「トーイングトラクター」と呼ばれる車両がある。旅客機本体や、旅客機に積み込む手荷物/貨物を運搬することが仕事だ。「トーイング」とは“牽引”を意味する言葉だが、旅客機の移動は引っ張るだけでなく押すこともある。押す時は、旅客機をトーイングトラクターで後退させるため「プッシュバック」と呼ぶそうだ。
このトーイングトラクターが旅客機を押し引きする時のアプローチは2種類。ひとつがトーバーという鉄製の牽引棒の器材を使う方法。もうひとつが旅客機の前輪を抱え込むというもの。抱え込む手法は比較的新しいため、従来のトーバー(牽引棒)を使わないという意味で「トーバーレストーイングトラクター」と呼ばれる。
ちなみに、トーイングトラクターを役割に応じた呼称にするため、作業の現場では、旅客機を牽引するトラクターのことを「トーイングカー」、そして手荷物/貨物を運搬するトラクターを「トーイングトラクター」と呼んでいるという。
旅客機の前輪を抱えて移動させるトーバーレストーイングトラクター
トーバーレストーイングトラクター KALMAR TBL190:旅客機の前輪を抱えて移動させる空港の“はたらくくるま”「トーバーレストーイングトラクター」、その仕事は旅客機[…]
トーバーを使って旅客機を動かすトーイングトラクター
トーイング・トラクター KOMATSU WT-250E:トーバーを使って旅客機を動かす 旅客機を移動するのに“トーバー”を使うのが、トーイングトラクターだ。JALのグラン[…]
積載するコンテナをを6個、軽々と牽引するトーイングトラクター
トーイングトラクター TOYOTA L&F 2TD-25:小さくても超ヘビー! 重い理由はボディの鉄板にあり旅客機に積み込まれる手荷物の入ったコンテナを運ぶ。これ[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(はたらくくるま)
トーイングトラクター TOYOTA L&F 2TD-25:小さくても超ヘビー! 重い理由はボディの鉄板にあり 旅客機に積み込まれる手荷物の入ったコンテナを運ぶ。これも空港での重要な仕事のひとつ[…]
トーイング・トラクター KOMATSU WT-250E:トーバーを使って旅客機を動かす 旅客機を移動するのに“トーバー”を使うのが、トーイングトラクターだ。JALのグランドハンドリング業務を担うJA[…]
トーバーレストーイングトラクター KALMAR TBL190:旅客機の前輪を抱えて移動させる 空港の“はたらくくるま”「トーバーレストーイングトラクター」、その仕事は旅客機の移動のサポートだ。 旅客機[…]
アイガモロボ:雑草を抑制するロボット 自動“抑草”ロボットの「アイガモロボ」。水田に浮かび、スクリューで水をかき混ぜて水を濁らせ、光合成をしにくい環境をつくり、雑草の育成を抑制する。太陽光を電力に、G[…]
日本のコンバインは穂先のみを脱穀する 日本における主食となる米。その収穫において大活躍する“はたらくくるま”が「コンバイン」だ。稲や麦などの穀物を“刈り取り”して“脱穀”、そして“選別”までを1台でこ[…]
人気記事ランキング(全体)
FRのサニーに対して、日産初のFF方式を採用 1970年代を前にして、ヨーロッパから前輪駆動のFF方式の波が押し寄せてくる。この流れを敏感にとらえ、市場に送り出されたのがチェリーだ。車名の由来は日本の[…]
一見すると、何に使うかよくわからないアイテムだが…。 TikTokを始めとしたSNSでバズった話題のカーグッズ。ショート動画で見ていると、かなり便利そうなので気にはなったいたのだが…。実際のところはど[…]
"最後の個性派スポーツ"と評価されたSR311フェアレディ2000 その軽やかな響きとは裏腹に、フェアレディという名は、国産スポーツカーのパイオニアの血統を受け継ぐ伝統の名称だ。その系譜をたどれば、ダ[…]
ヤリスクロス:モデル概要 ヤリスクロスは、ハッチバックのヤリスをベースにしたコンパクトSUV。ヤリスの弱点であった後部座席と荷室のスペースを拡大することで、実用性を大幅に向上させており、手頃な価格設定[…]
コンパクトでも侮れない装備力 F-BOX Squareは、トヨタ・タウンエースをベースに仕上げられた8ナンバーキャンピングカー。街乗りにも馴染むコンパクトな全長と車高1,960mmというサイズ感は、立[…]
最新の投稿記事(全体)
レクサスが次世代スポーツカーの未来像を提示 トヨタ自動車の高級車ブランド、レクサスは8月15日にカリフォルニア州で開催された「ザ・クエイル、モータースポーツギャザリング」にて、次世代のデザイン哲学を体[…]
コンセプトモデル「Acura Performance EV Concept」の進化系 ベースとなっているのは、昨年2024年にカリフォルニアで開催されたモントレー・カー・ウィークで発表された、Acur[…]
一見すると、何に使うかよくわからないアイテムだが…。 TikTokを始めとしたSNSでバズった話題のカーグッズ。ショート動画で見ていると、かなり便利そうなので気にはなったいたのだが…。実際のところはど[…]
GRIDLESS GARAGE LIFEを体現するGMLVAN G-01 GMLVAN G-01は日産キャラバンをベースに、GORDON MILLER MOTORSのアイコンである丸目ライトとテールラ[…]
「トヨタ・2000GT」より先に生まれた「小さなスポーツカー」 「トヨタ・スポーツ800」が発売されたのは1965年です。 それより少し前の1950年代は、戦後からの復興期から徐々に産業が発展しつつあ[…]
- 1
- 2