
街乗りサイズのまま、真夏でも快適に過ごせるキャンピングカーがある。日産ディーラー直営の老舗ビルダーが手掛ける「スペースキャンパー NB-COOLs」は、見た目は街なかで見かける車だが中身は本格仕様。独自のクーラーシステムや充実の電装、コの字ダイネット、広いベッド、ミニポップアップルーフまで備え、都市生活にもアウトドアにも完全対応。普段は家族の足、休日は涼しい秘密基地になる1台が、バンライフの常識を更新する。
●文:月刊自家用車編集部
日常擁護型の本格キャンパー
街乗りの実用性とキャンピングカーの快適性。その両立は多くのモデルが言葉として掲げるが、実際に成し遂げるのは容易ではない。その点、日産のディーラー直営ショップが手掛ける「スペースキャンパー NB-COOLs」は、街に馴染むサイズのまま、高度な旅装備を高密度に詰め込んだ説得力がある。日々の買い物から通勤、送り迎え、そしてアウトドアまで、生活の延長線上に“旅の時間”を自然に溶け込ませる。
長年キャンピングカー製作を行う老舗ビルダーだけに、見栄えより実効性を優先したつくりが随所に光る。華美なアレンジより、“使える”を積み上げた結果、都会の駐車場に収まりながら遠出を支える頼もしさを備えた。
快適性に全振りした独自クーラー
スペースキャンパー NB-COOLsの最大の特徴は、名前に象徴される専用クーラーだ。キャンピングカーにとって夏の熱対策は最重要テーマ。それにも関わらず、スペースの制約や消費電力の課題から、本格的な冷房設備は大型車以外では難しいというのがこれまでの常識だった。
しかしこのモデルは、車体側面にコンパクトユニットを配置し、稼働時にはボディパネルを開放して効率よく排熱する仕組みを採用。一般的な後付けエアコンが抱える“熱の逃げ場問題”を解決し、限られた車内空間を圧迫せず、真夏でも涼しく過ごせる環境を作り上げた。暑さが厳しい日本でバンライフを続けるうえで、この機能は単なる快適装備に留まらない。生命線に直結する安心感がある。
電装が支える“使い切れる自由”
キャンパーは電力で自由度が決まる。スペースキャンパー NB-COOLsはその点でも妥協がない。天井にはソーラーパネルを備え、蓄電系には大容量のリチウムイオンバッテリー。外部電源に頼りきらずに家電を使える環境を整えた。そのうえ電子レンジや100Vコンセント、運用を一元管理するコントロールユニットまで揃い、使う立場の視点が貫かれている。
走行中の充電、停車中の太陽光補充、そして必要な時の安定供給。日常も旅先も、ストレスなく過ごせる電力環境がここにある。
コの字ダイネットが作る“ちょうどいい距離感”
車内レイアウトは多彩なギミックを持ちながら、押し付けがましさがない。コの字型ソファーと昇降式テーブルが生み出すダイネットは、食事も仕事もくつろぎ時間も支えるオールラウンダー。互いに向き合うでもなく、同じ空間を自然に共有できる。この適度な距離感が、暮らしと旅の境界を曖昧にしてくれる。
セカンドシートは片側を残した形で前向き乗車にも対応。普段の送迎に影響が出ないよう配慮されている点も心強い。
ベッド展開はシンプルで広い
就寝スペースは約1.9mの長さと1.3mを超える幅を確保。大人2人が余裕を持って眠れるサイズだ。クッションは軽量で扱いやすく、展開作業も直感的に進む。夜の移動や早朝の撤収など、時間帯を問わずスマートに過ごせるのは、実用に向けた積み重ねの成果だろう。
床下スペースやシート下収納など、小物や長物が混在する旅道具をすっきり納めるスペースも用意される。荷物が整理されると、車内は一段と広く感じられる。
立てるキッチン、広がる旅の幅
キッチンはシンクと電子レンジを備え、簡易調理に十分な環境が整う。上部にはミニポップアップルーフを設定。わずかな開口だが、立って作業できることは想像以上に大きい。通気性向上にも寄与し、料理の匂いや湿気対策にも役立つ。都市の駐車場から湖畔のキャンプ場まで、シームレスに活用できる設計思想が感じられる。
都会と自然をまたぐ存在
スペースキャンパー NB-COOLsは派手さより誠実さが光る1台だ。限られたボディサイズに、考え抜かれた冷房、充電、収納、リビング、就寝機能を凝縮。とりわけ夏の快適性と安心感は、他の同サイズキャンパーとは比較にならないレベルにある。普段は街に溶け込み、休日は涼しい移動基地。都市型バンライフの理想形を求めるなら、一度体感する価値がある。
写真ギャラリー
日産ピーズフィールドクラフトが販売する「スペースキャンパー NB-COOLs」。街乗りで快適に使えるサイズでありながら、中身は本格キャンピングカーに匹敵する装備機能を搭載。価格は738万3200円から。
1BOXサイズの限られたスペースには、快適性向上を狙った装備がズラリ。シンク付きのキッチンダイナーやひとりかけのセカンドシート、ベットなどが配置されるほか、車両後方部の左側には自慢のクーラーユニットが配置される。
シンク付きのキッチンダイナーには電源コントロールユニットも配置。バッテリーメーター/FFヒーター操作ダイヤル/インバーターリモコン/各種スイッチ/100Vコンセントなどを備える。
ベットスペースは長さ1880mm×幅1320mm。余裕で2人就寝できるサイズが確保される。コの字のソファーでテーブル(昇降式ということもポイント)を囲める広々ダイネット空間へレイアウトを変えることも簡単。
運転席後部上には、15.6インチフリップダウンモニターが配置される。
ベットスペース下側には小物系の収納スペースも確保。キッチン上部の天井にはミニポップアップルーフも配置。この工夫で立った状態での調理が格段にしやすくなるそうだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
ネジのトラブルの代表例、溝がつぶれてしまった場合の対処法 自動車のメンテナンスを自分で行う場合、ドライバーを使用してネジを外すという作業は基本中の基本となる。また、日常においてもドライバーを使用した作[…]
誰もが憧れた秘密基地を再現するジャストサイズの軽キャンパー 今回紹介するのは、キャンピングカーの老舗ビルダーであるホワイトハウスキャンパーが手掛けた、遊び心あふれる軽キャンパー「N-VAN コンポ」だ[…]
邪魔になりがちなサンシェードを、サンバイザーに収納するという発想 5月ともなると日差しも徐々に強くなり、地域によっては真夏日を記録するなど、2026年の夏も強烈な暑さになりそうな雰囲気も漂わせている状[…]
街乗りも車中泊もこなす絶妙なパッケージング 近年、車中泊ブームが加速する中で、軽自動車から大型のキャブコンバージョンまで様々なキャンピングカーが登場している。しかし、軽自動車ではパワーや就寝スペースに[…]
各国が車両搭載を義務化する「TPMS」タイヤ空気圧監視システム 気温が大きく変わるシーズン、気を配りたいのが愛車の空気圧だ。タイヤ内に充填されている空気は、気温により収縮したり、膨張したりする。これに[…]
最新の投稿記事(全体)
EVバンシリーズKia PBVのみを販売 Kia PBVジャパンは、日本国内における第一号直営ディーラー「Kia PBV東京西」を5月15日にオープンした。 そのメディア向け発表会では、発売予定のKi[…]
最終型に「プロ」の顔を移植する背徳感 会場で一際赤い輝きを放っていた初代シティ。ベースは最終型ということだが、初期に登場した1981年式の商用バン「シティプロ」のグリルやフェンダーミラーを移植した「先[…]
啓介の言葉がクルマ好きに刺さる! 今の時代、クルマを取り巻く環境は大きく変わった。環境性能、自動運転、シェアリング……。「走りを楽しむ」という行為自体が、どこか二の次になりつつある。そんな閉塞感を打ち[…]
「北欧の心」を理解する、彼女のライフスタイル フランスと日本の二拠点生活を送り、エシカルな暮らしを発信する杏さん。彼女がXC40に触れて真っ先に口にしたのは、スペックではなく「デザインと実用性の調和」[…]
ライオンの爪痕が、より精悍に。一新されたフロントマスク 2022年に国内導入されたプジョー308(現行型)は、卓越したエクステリア&インテリアと欧州車らしいダイナミックな走りを武器とするプジョーの中核[…]
- 1
- 2
















