
●文:月刊自家用車編集部
ランドクルーザー300:モデル概要
従来のランドクルーザーの開発目標であった「信頼性/耐久性/悪路走破性は進化させつつ継承」と「世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現」という2つのテーマをふまえ、進化したのがランドクルーザー300だ。
プラットフォームは、伝統のラダーフレームを踏襲しながらTNGAの考えに基づくGA-Fに刷新。最新の溶接技術の活用等により、高剛性(従来型比+20%)かつ軽量なフレームとし、衝突安全性能/静粛性/走りの質を向上させている。ボディについても、高張力鋼板の採用拡大やボンネット/ルーフ/全ドアパネルをアルミニウム化。パワートレーンの搭載位置を車両後方に70mm/下方に28mm移動した。これらの改良進化により、先代200系に比べて約200kgの大幅な軽量化が図られ、低重心化や前後重量配分の改善もはたしている。
また、プラットフォームの刷新に伴い、サスペンションも新規開発。ハイマウントダブルウィッシュボーン式(フロント)とトレーリングリンク車軸式(リヤ)を採用する。とくにリヤサスペンションは、ショックアブソーバーの配置を最適化することにより、乗り心地と操縦安定性を向上していることも特徴のひとつになっている。なお、サスペンションアームを配置変更したことで、ブレーキング時の安定性を向上させたほか、ホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)も改善されている。路面状況や運転操作に応じ、ショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVS(Adaptive Variable Suspension)には、新たにリニアソレノイドタイプを採用。これによりオンロード走行時の走行安定性を高めたほか、操縦安定性と乗り心地の両立も図られている。
ほかにも過酷な環境下での使用に耐える油圧式パワーステアリングに、電動式の操舵アクチュエーターを組み合わせたことで、レーントレーシングアシストなどの操舵支援機能を追加することが可能になったほか、低速時の優れた取り回しや悪路走行時のショック(キックバック)を低減、よりすっきりしたステアリングフィールなども併せて実現している。
その他の操縦安定性/操作性向上を目指した装備としては、リヤタイヤのトラクション性能を確保するトルセンLSDを採用。旋回加速時には後左右輪の荷重に応じて駆動力を最適に配分し、高いコントロール性能を実現。直進では路面状況の変化にレスポンスよく反応し、安定性の確保に貢献している。
パワーユニットは、新開発の3.5L V型6気筒ツインターボガソリンエンジンと、可変ノズル付2ウェイツインターボを新採用した3.3L V6ツインターボディーゼルエンジンを用意。また、それぞれのエンジン向けに駆動力特性と変速タイミングを最適化したDirect Shift-10ATを採用する。
セキリュティ面では、スタートスイッチ中央に指紋センサーを採用。スマートキーを携帯し、ブレーキを踏みながらスタートスイッチ上の指紋センサーにタッチすると、車両に登録された指紋情報と照合、指紋情報が一致しなければエンジンが始動しない機構を採用している。また安全面では、先進機能を付与した最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を採用する。
ランドクルーザー300:スタイリング&パッケージ
シリーズの旗艦となる300シリーズは、オフロードだけでなくオンロードの快適性や安全性も最高レベル。キャビンを後ろ寄りに配置した伝統のパッケージを踏襲したほか、エンジンフードの中央を凹ませたり、前後バンパーの下側はいなす造形とするなど、オフロード走行を意識した工夫も盛り込まれている。世界ではこのクルマが高級車と見なされる地域も珍しくはないだけに、エクステリアのイメージも先代200系以上にトップクラスを意識した雰囲気を強めている。
【TOYOTA LANDCRUISER DIESEL TURBOZX (2021年8月モデル)】●全長×全幅×全高(mm):4990×1980×1930 ●ホイールベース(mm):2850 ●車両重量(kg):2550 ●乗車定員:5名 ●パワーユニット:3345ccV6ディーゼルツインターボ(309ps/71.4kg-m) ●トランスミッション:10速AT ●WLTCモード総合燃費:9.7km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ダブルウィッシュボーン式(F)/トレーリングリンク式(R) ●タイヤ:265/55R20
メカニズムの信頼性の高さも健在。フラットフォームはTNGA世代をベースとしても、ランクル伝統の堅牢なフレーム構造は死守。不正路面でも接地を保つ足まわりや、路面を自動的に判定して最適な駆動モードを選択する最新システムをプラスすることで、オフローダーとしての本質も磨き上げている。
伝統のラダーフレームを刷新。最新の溶接技術の活用等により、高剛性(従来型比+20%)かつ軽量なフレームとすることで、衝突安全性能/静粛性/走りの質を大きく向上させている。
ランドクルーザー300:インパネ内装&シート
贅沢な雰囲気を楽しめるだけではなく、インパネ上部をフラットにすることで前方視認性を高めたり、運転席まわりに操作スイッチを集約する実用的なキャビン空間に仕上げられている。シートは本革が標準で、ブラックとニュートラルベージュ(ZX:撮影車両)の2タイプが選択可能。ガソリン車は3列7名、ディーゼル車は2列5名仕様になる。先代の3列シート車はサードシートが左右跳ね上げタイプだったが、新型は床下格納式を採用。格納時は左右幅いっぱいまで荷室スペースを活用することができるようになっている。
2列5名乗り仕様の荷室。
3列7名乗り仕様の荷室。
ランドクルーザー300:パワートレーン
3.5L V6ツインターボガソリンエンジンは、マルチホール直噴インジェクター付D-4STの採用や、ロングストローク化、バルブ挟角の最適配置による高速燃焼と高効率ツインターボにより、力強い低速トルクと優れた過給レスポンスを実現している。
3.3L V6ツインターボディーゼルエンジンは、新採用の可変ノズル付2ウェイツインターボ仕様。低速域ではシングルターボの高レスポンスによる力強い加速、高速域ではツインターボの大吸気量によるのびやかな加速を実現している。
GRスポーツには、電子制御でスタビライザー効果を変化させるE-KDSSを採用。E-KDSSと合わせてばね定数やAVSも最適化することで、優れた操縦安定性を実現。サスペンションストロークを大きく伸ばすことで、ランドクルーザー史上最長のホイールアーティキュレーションも達成している。
ディーゼルエンジン
ガソリンエンジン
ランドクルーザー300:モデル変遷
【2021年8月:最新型】ランドクルーザー300発売
パワートレーンは、3.5Lガソリンツインターボと3.3Lディーゼルツインターボを設定。両タイプともトランスミッションは10速ATが組み合わされる。ガソリン車は5グレード、ディーゼルターボ車は2グレード、合計7グレードが展開されている。実用装備に徹したスパルタンな「GX」から、豪華内装&装備充実の「ZX」、ガズーレーシングのチューニングノウハウが注がれた「GR SPORT」など、歴代モデル以上に多彩なグレードバリエーションが与えられた。
ZX
GR SPORTは、専用ラジエーターグリルや専用フロントバンパーなどエクステリア&インテリアを標準車系と差別化されている。
●ランドクルーザー300 グレードバリエーション&価格【2021年8月モデル】 | ||
パワートレーン | グレード【トランスミッション】 | 価格【駆動方式】 |
3444ccV6DOHCツインターボ 415ps/66.3kg-m | GX【10速AT】 | 510万円【4WD】 |
AX【10速AT】 | 550万円【4WD】 | |
VX【10速AT】 | 630万円【4WD】 | |
GR SPORT【10速AT】 | 770万円【4WD】 | |
ZX【10速AT】 | 730万円【4WD】 | |
3345ccV6DOHCディーゼルツインターボ 309ps/71.4kg-m | GR SPORT【10速AT】 | 800万円【4WD】 |
ZX【10速AT】 | 760万円【4WD】 |
ランドクルーザー300:最新値引き額/納期情報(2024年9月現在)
- 車両本体目標値引き額:−万円
- 納期の目安:−
- リセール予想:A+
あいかわらずオーダーストップが継続しており、購入したくても買えない状況が続いている。ディーラーサイドもはっきりとした情報が伝えられないため、困惑しているのが実情だ。なお、中古車の価格も暴騰しており、個体によっては新車価格の倍の金額も珍しくないほどだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ランドクルーザー300)
トヨタ自動車が直接運営することで体制強化、直系専門店ならでは濃密なサービスをオーナーに提供 70数年にわたり世界中のユーザーから愛され鍛えられてきたトヨタ ランドクルーザー。2023年よりランドクルー[…]
最新の関連記事(新車カタログ(国産車) | トヨタ)
アルファード:モデル概要 4代目となるアルファードは「性能を世界基準に昇華させる」を開発テーマに定め、プラットフォームを刷新、単なるミニバンから“高級サルーン”を意識したクルマになっており、振動や騒音[…]
RAV4 モデル概要:プレミアムキャラの強化でイメージ一新、トヨタ自慢のミドルSUV 現行型は5代目となるモデルで、国内向けのモデルとしては2005年に登場した3代目以来の復活になる。その開発コンセプ[…]
カローラ:モデル概要〈TNGA技術が注がれた新世代のベーシックセダン〉 カローラは、1966年に誕生して以来、世界150以上の国と地域で、販売累計台数が4750万台を超えるロングセラーモデル。12代目[…]
MIRAI:モデル概要|環境車から、クルマの本質で勝負できる 上質なセダンに進化 水素を燃料とするFCV(燃料電池自動車)は、ゼロエミッションでありながら短い燃料充填時間で長い航続距離を可能とす[…]
プリウス:モデル概要 プリウスは、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして誕生。以来、圧倒的な燃費性能を備えた新世代のエコカーとして、ハイブリッドの普及を牽引してきたモデルだ。 2023年に登[…]
人気記事ランキング(全体)
ショックレスリングとは? 一般の金属とは異なる原子の規則相と不規則相が存在する“特殊制振合金”を採用した金属製のリングで、シート取付ボルトやサスペンションアッパーマウントのボルトに挟み込むだけで、効果[…]
見た目は普通でも中身はスペシャル、あえて別ネームで差別化 「トヨタ・1600GT」は、1967年に発売されたトヨタのスポーツクーペです。 もしこの段階で名称をWEBで検索してその画像を見たとしたら、「[…]
軽自動車でも『車中泊』は『快適』にできます。ベース車両はスズキのエブリイ。 エブリイの最大の強みは、その広い荷室空間にある。軽自動車でありながら広い荷室空間は、後部座席を畳めば大人が横になれるほどのス[…]
ベース車両はホンダのフリード ベースとなる車両はホンダのフリード。街乗りでも違和感がない上に、広い車内スペースを持つことで、アウトドアでも大活躍する、ホンダの人気のモデルだ。全長は4265mmとコンパ[…]
ベース車両はトヨタのハイエース 圧倒的な耐久性と広い荷室を備えた日本を代表する車種の1つ、トヨタ・ハイエース。ビジネスユースからアウトドア、さらにはキャンピングカーのベース車両としても高い人気を誇る。[…]
最新の投稿記事(全体)
よりフォーマルな雰囲気が楽しめるバイトーン仕様も選択可能 今回導入される「”THE 70th”」は、クラウン誕生70周年を記念して発売される特別仕様車。 「日本の風景との調和」を表現した2つのバイトー[…]
ベース車両はトヨタのハイエース トヨタ・ハイエースは、圧倒的な耐久性と広い荷室を備えた日本を代表するバンだ。ビジネスからアウトドア、さらにはキャンピングカーのベース車両としても高い人気を誇る。仕事でも[…]
ベース車両は日産・セレナ セレナはミニバンの中でも特に室内空間が広く、乗員全員が快適に過ごせる設計になっている。3列シート仕様が標準で、7人乗りと8人乗りの選択肢がある。2列目にはキャプテンシート(7[…]
困ったときのお助けサービス。知っておくと、いざというときに安心 サービスエリアやパーキングエリアの片隅に置かれた、コンパクトな機器。ほとんどの人が、気にもとめずに素通りするが、必要な人にとっては、実は[…]
プロトタイプといいつつも、スガタカタチはほぼ完成形 このたびインテリアやメカニズムが公開された次期プレリュードは、“プロトタイプ”こそ取れないものの、そのスガタカタチはどうみても製品仕様に限りなく近い[…]
- 1
- 2