
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
朝の忙しい時間、駅前のロータリーに車を停めて子どもを送り出す…これは多くの親にとって日常的な光景かもしれません。
また春は新生活が始まる時期であり、公共交通機関の利用者が多くなるため、子どもの通学のために駅前までクルマを使って送り迎えする人も多いはず。
しかし、世の中にはバスをスムーズに運行するためのさまざまな交通ルールが存在しているのも事実です。
では、バスが運行している時間に駅前のバス停にクルマを停める行為は、法律的にアリなのでしょうか。
意外と知らない? バス停周辺での運転と停車の注意点
結論から言えば、日本の道路交通法では、バスの運行時間中に駅前のバス停に駐車することは違反とみなされます。
道路交通法第44条1項5号によると、バスや路面電車などの停留所にある表示版の位置から半径10メートル以内の範囲は、運行時間中に限り駐停車禁止とされています。
一般車両と異なり、バスは決められた停留所でしか停まることができないため、車体の大きいバスが安全に停留所に発着するためには、停車する位置の前後に十分なスペースが必要です。
したがって、バスの乗降をスムーズにおこない、乗客の安全を確保するためにはこの規制が重要だと考えられます。
なお、例外として法令の規定や警察官の命令による場合、または危険を防止するために一時的に停止する必要がある場合は、バス停から10メートル以内の範囲でも停止が認められています。
ただしこれらの例外は限られた状況でのみ認められ、一般的な駐車目的での停止は許可されていません。
バスの運行時間中にバス停に駐停車すると、違反とみなされる可能性が高い
また多くの運転者が混同しやすいのは、「停車」と「駐車」の違いについて。
停車は一時的な停止であり、駐車はそれ以上の停止、特に運転者が車両を離れる場合を指します。
しか、バス停周辺では停車/駐車のどちらも禁止されており、たとえば荷物の積み下ろしのために5分以内停止する行為は一般的に許容されていますが、これもバス停周辺では適用外です。
駐停車が禁止された場所で無断で停車/駐車をすると、交通の流れを妨げるだけでなく、ほかの車両や歩行者に危険をもたらす可能性があります。
違反した場合のペナルティは厳しく、15万円以下の罰金または科料に科されることも。
バス停の標識/標示はバス停周辺の駐停車規制を示しているので、運転者はこれらの意味を理解して遵守することが、自身とほかの利用者の安全を守るために大切と言えるでしょう。
また春の進学シーズンはバス/電車などの公共交通機関を利用する人が増えるので、バス停周辺ではより一層周りに気をつける必要がありそうです。
ほかにもある! バスにまつわる交通ルールとは
バスに関連する交通ルールは、スムーズな運行と乗客の安全を確保するために不可欠です。
また都市部では「バス専用レーン」や「バス優先レーン」が設けられていることが多く、これらの違いを正しく理解するのも重要なポイントと言えます。
まずバス専用レーンは、その名の通りバスのみが利用できるレーンです。
一般車両がバス専用レーンを走行することは原則として禁止されており、違反した場合は交通違反に問われる可能性があります。
ただし、事故/工事などの事情でやむを得ない場合や、交差点を左折する場合であればバス専用レーンでも走行可能です。
交差点を左折する際は道路の左側端に寄る必要があるため、1番左のレーンがバス専用であっても、交差点の30メートル手前からウインカーを出して進路を変更しましょう。
バス専用レーンは、その名の通りバスのためのレーン。基本的に一般車は走行することはできない
バス優先レーンは、路線バスやスクールバスなどが優先的に走行するためのレーンです。
バス専用レーンとは異なり、バスが接近していない場合は一般車両でも走行できますが、あくまでバスが優先なので、バスが近づいたら一般車両は速やかに道を譲らなくてはいけません。
これらのレーンは道路の標示/標識で示されており、平日の朝や夕方が規制対象となるケースが多いようです。
詳細な時間帯/範囲は場所によって異なるので、道路上の標識や標示を注視し、見落とさないように気をつけながら運転しましょう。
このように、バス停周辺やバス専用/優先レーンでは、それ専用の交通規制が設けられています。
バスの運行時間中は、バス停の前後10メートル以内での駐停車は原則禁止されているため、家族を送り迎えする方は必ずルールを守りましょう。
また、バス専用レーン/バス優先レーンでは、一般車両の運転者も特定の条件下でのみ利用が許可されていることを理解する必要があります。
これらのルールは、公共交通機関のスムーズな運行を保証し、すべての道路利用者の安全を守るために設けられています。
適切な交通マナーを守り、共存共栄の交通環境を実現しましょう。
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