
高速道路を走行していると、鮮やかな黄色のボディをまとったパトロールカーを目にすることがある。中でも存在感を放つのが、トヨタ・ランドクルーザーをベースとした車両だ。日常の風景に溶け込みつつも、いざという時には迅速に現場へ駆けつけるこの車両には、高速道路の安全を守るための合理的な理由と装備が詰め込まれているのである。
●写真/文:月刊自家用車編集部
なぜ「ランクル」なのか?選ばれる圧倒的な信頼性と走破性
高速道路のパトロールカーにトヨタのランドクルーザーが採用される最大の理由は、その堅牢さと信頼性にある。交通管理隊の任務は、事故対応や落下物の回収、故障車の支援など多岐にわたる。時には未舗装の路肩や降雪時の過酷な状況下でも確実に現場へ急行しなければならない。
高速道路では様々な事象に対処するために、道路パトロールカーが重要な役割を果たす。
また、後部には大量の資機材を積載し、ルーフ上には大型の掲示板(表示灯)を設置するため、車両には高い耐久性と積載能力が求められる。30万キロを超えるような走行距離でもへこたれないタフなシャシーを持つランドクルーザーは、まさにこの任務における「唯一無二」の選択肢といえるのだ。
道路パトロールカーに採用される、トヨタのランドクルーザー。
※写真は、第13回 大阪モーターショーで展示されていた阪神高速の道路パトロールカー
独特のボディカラーは、視認性の高さを求めた結果
高速道路パトロールカーのボディカラーが黄色である理由は、視認性の高さに尽きる。高速で走行する車両が行き交う環境において、ドライバーにいち早く存在を認識させることは極めて重要である。
視認性の高いカラーリングが施された、阪神高速の道路パトロールカー。
黄色は昼夜を問わず目立ちやすく、特に曇天や雨天時、トンネル内などの視界条件が悪い状況でも認識されやすい色とされている。また、「注意喚起色」としての心理的効果もあり、ドライバーに減速や注意を促す役割も担っている。単なるデザインではなく、安全性を最優先にした機能的なカラーリングなのである。
ノーマルモデルとは一線を画す装備と特殊装備
車内に目を向けると、市販のランドクルーザーとは一線を画す光景が広がる。運転席周りには、道路管理者専用の無線機や、サイレンアンプ、赤色灯のコントロールスイッチが所狭しと配置されている。助手席側には、現場状況を記録・報告するための端末も備えられ、動く司令塔としての機能を持つ。
後部のラゲッジルームには、現場の安全確保に欠かせないカラーコーンや矢印板、発炎筒、オイル処理剤などの資機材が機能的に収納されている。これらの重量物を積載した状態でも安定した走行性能を維持できるよう、足回りが強化されている点も見逃せない。
走行する車両を誘導する案内板も重要な機材の1つだ。
ルーフ上の看板と黄色いボディが持つ「警告」の役割
ルーフ上に設置されているのは、可変式の電光掲示板である。これは後続車に対して、事故発生や車線規制、速度低下の指示などをリアルタイムで伝えるための装置である。
ルーフ上に搭載される電光掲示板。様々な文言を表示できる。
表示内容は状況に応じて切り替え可能であり、「事故」「この先渋滞」「左車線規制」など、ドライバーにとって必要な情報を直感的に伝達する役割を担う。視認性を高めるために高輝度のLEDが採用されており、昼夜を問わず確実に情報を届ける。高速道路という特殊な環境において、極めて重要なコミュニケーションツールなのである。
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