
発売からわずか1か月で、新型CX-5が国内での受注1万台を突破したという。この数字は、当初予定していた月間販売計画2000台の5倍相当で、新型は予想以上にロケットスタートを決めた格好だ。
●文:月刊自家用車編集部
5月からの1か月で、計画比5倍の受注を獲得
CX-5の初代(2011年〜)、2代目(2016年〜)の世界累計販売台数は500万台(2025年末までの数字)を記録するなど、マツダの業績を大きく左右する戦略モデルだけに、この結果に胸をなでおろしている関係者も多いだろう。
これほど順調にスタートできた理由としては、3つの要因が挙げられる。
1つ目は、先代までのプレミアム路線から、気兼ねなく使える「万能車」へと巧みに舵を切ったことだ。
現在のマツダSUVラインナップは、CX-3、CX-30からCX-80まで上から下までカバーできる体制を整えているが、CX-5のミドルSUVにはスポーティキャラを売りとしているCX-60が登場しており、新型CX-5はその棲み分けが求められた。その結果、新型は、クロームメッキを抑えた上質な「道具感」を感じさせるエクステリアとなっていて、実用車を求めるユーザーの好みに合わせてきている。
2つ目は、パッケージング変更によりユーティリティ性能が向上したことだ。新型でも魂動デザインをベースとした美しいデザインは健在だが、ホイールベースを115㎜延長し、その余裕は主に後席や荷室の拡大に当てている。先代の後席はミドルSUVとしては平凡だったが、新型は明らかに足元や頭上空間のゆとりが高まる。後席開口部も広くなりドア開閉の角度も広がることで、チャイルドシートの乗せおろしを楽になるほか、荷室もベビーカーを縦積みできる広さが確保されるなど、ファミリー&レジャーの面でも選びやすいモデルになっている。
3つ目は、マツダ初となるGoogleビルトインが採用されたことだ。「S」「G」「L」の各グレードに、スマホなしでも音声対話でナビやアプリがサクサク動く最新のインターフェイスが採用されたことで、車内エンタメ環境も大きく向上している。「L」には目玉装備の15.6インチの大型ディスプレイも採用されるなど、若い世代からシニア層まで幅広い顧客に、移動時間の快適性と充実ぶり、を実感させてくれるのだ。
「ウェアラブルギア」と名付けたコンセプトのもとで進化したエクステリアは、ホイールベースと全長を延長することで、よりどっしりとした広々とした印象をプラス。よりスポーティなスタイリングに変化している。
前方視界に優れる水平基調のデザインは踏襲されるが、中央のディスプレイは大型化が図られ、コマンダーダイヤルも廃止されるなど、インターフェイス系も大きく刷新。
先代より全長は115㎜長くなった恩恵は、主にリヤセクションの拡大に当てられる。荷室も一般的なサイズのベビーカーが縦に積載できるようになるなど、利便性が大きく向上している。
おすすめは「G」だが、実際に売れているのは「L」
なお、装備と価格のバランスが良い「G」が最も買い得感のあるオススメグレードになるのだが、発売1か月の集計では、装備充実の上位グレードの「L」が受注の65%を占めているとのこと。
そうなる理由は、そもそも新型車の導入初期は上級グレードに人気が集中する傾向が強いためなのだが、それを考慮しても新型CX-5は予想以上に売れている印象を受ける。
それというのも、新型CX-5が「ただの道具」に留まらず、実用性を追求する一般のユーザー層から「本当にいいクルマだ」と本質を見極められた、のだろう。
ただ広いだけでなく、乗る人すべてが満足させられるパッケージング設計が評価され、それなら多少予算を足してでもいいグレードが欲しい、になっていそうだ。
実際、Googleビルトインは15.6インチの大型ディスプレイになっていたり、マツダが得意としている上質な内装加飾が堪能できることを考えれば、最上級グレードがこの価格(407万円【2WD】/430万6500円【4WD】)で狙えるのは美味しい。割安感の視点でも、「L」は魅力ある選択だ。
2027年にはストロングハイブリッド車の投入も予告されるなど、現時点では「途中」の感も強い状況だが、それを踏まえてもCX-5の路線変更は上手くいったといえるだろう。
走り重視から乗るユーザーの毎日に徹底的に寄り添う実用モデルとしての進化を選んだ新型は、この先もマツダの大黒柱として活躍できそうだ。
直感的な操作が可能な12.9インチまたは15.6インチ(写真)大型センタータッチディスプレイを搭載。AIアシスタントを含むグーグルアプリを備えるグーグルビルトインがマツダ車として初採用されるなど、車載ITの大幅進化もトピックスだ。
2.5Lガソリンのマイルドハイブリッド車は、成熟が進んだユニットということもあって、癖も少なくバランスにも優れている。6速ATの変速も滑らかで、上級クラスの内燃機車を乗り継いできたユーザーには馴染みやすいタイプ。
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