
7月に発表されたモデルチェンジで3代目となった新型CLAおよびCLAシューティングブレーク。単なるマイナーチェンジやデザイン変更にとどまらず、プラットフォーム、パワートレイン、サスペンション、そして車載OSに至るまで、すべての骨格をゼロから刷新した新世代コンパクトクラスとして登場した。今回はAIを活用した最先端のDX体験と若々しい走りをレポート。
●文/写真:鈴木ケンイチ
48VマイルドハイブリッドとEVを用意した第3世代
メルセデス・ベンツで最もコンパクトなセダンとなるのが「CLA」だ。FFプラットフォームにスタイリッシュな4ドアクーペのボディを備え、2013年に初代モデルが登場。2015年には優れた利便性をプラスしたシューティングブレークも追加。2019年には第2世代が投入され、そして今回、3代目モデルが日本に導入された。
新型モデルの特徴は、EVと内燃機関の両方に対応する最新プラットフォーム「メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャ」と、最先端のDX体験を提供する第4世代「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」を採用していることだ。また、あわせてパワートレーンとサスペンションも新しくなった。端的に言えば、ほぼすべてを刷新した、最新モデルと言える。
また、セダンとシューティングブレークの2つのボディ、EVと48Vマイルドハイブリッドという2つのパワートレーンを揃えるのも特徴のひとつ。今回の日本導入は、7月9日に48Vマイルドハイブリッドが発売され、7月29日にEVが発表されている。
先進感と煌びやかさを感じさせるインテリア
今回試乗したモデルは、1.5リッターの直列4気筒ガソリンターボに、モーターを内蔵する8速DCTを組み合わせた48VマイルドハイブリッドのFFモデル「CLA 180」になる。車両価格は598万円だが、試乗車はAMGラインパッケージとアドバンスパッケージがプラスされ、ボディカラーをMANUFAKTURアンペールグレー(ソリッド塗装)のオプション色としたことで、総額では742万6000円となる。
オーバーハングが短く、低く構える4ドアクーペのスタイルは、歴代CLAが継承するものだ。新型は、小さな3ポインテッドスターのモチーフをちりばめたグリルや、同じく3ポインテッドスターをデザインに取り入れたヘッドライトなどを採用しており、このアイコニックなデザインも魅力となっている。
インテリアの注目ポイントは、運転席から助手席までを一気に貫通させる大きなMBUXスーパースクリーンになる。モダンさと煌びやかさを強く印象づけるこの装備が追加されたことも、新生CLAの大きな魅力になっている。
ほかにも最新の第4世代MBUXは、チャットGPTやGoogleジェミニなど、複数のAIが統合されており、システムに話しかけるだけで状況に適したAIが対応するなど、時代の最先端を感じさせるものが採用されている。実際に使ってみると、会話の認識の精度は高く、使いやすさは過去最高のもの。この最新のインフォテイメントシステムが与えてくれるDX体験も選ぶ大きな理由になるはずだ。
スムーズではあるけれど、意外とホットな走り
搭載する48Vマイルドハイブリッドは、発進時は8速DCTに内装された最高出力22kWのモーターが担当し、その後、ある程度のスピードになるとエンジンが始動する仕組み。モーター駆動からエンジン駆動への切り替えは、スムーズそのものだ。また、エンジンそのものの音と振動は低く抑えられているため、メーターを見ていないと切り替えに気づかないレベル。それでいて変速時の感触はDCTらしさが濃厚で、アクセル操作に対する加速感がダイレクトに伝わってくるタイプになる。スムーズで静かな走りと、ホットで楽しい走りの2つを器用に使い分けるメリハリの利いたキャラは、走りの充実感を求める向きにも好感を持ってもらえるだろう。
ステアリング操作に関しては、反応も良く機敏に鼻先の向きを変えてくれるのだが、重心は後ろにしっかりとかかっていて、路面を掴む安定感が際立つ。機敏さと安定感を上手にバランスさせていることにも感心してしまう。
アクセルを強く踏むとエンジン音の心地よい立ち上がりとともに、モーターのブーストが加わり、パワフルな加速を感じられる。
先進感、若々しさ、熟成という魅力がバランスする
新型CLAを試乗してみて思ったのは、先進感と若々しさ、そして熟成が非常に高い次元で、バランスしているということだ。
MBUXスーパースクリーンやAIを利用するDX体験は、モビリティの最先端を感じさせるものであった。低く構えるスタイリッシュなフォルムや、レスポンスの良い加速感やホットなエンジンサウンドは若々しさがある。それでいながらも、クルマ全体としての品質感の高さや、俊敏でありながらも安心感を残したハンドリングなどは、高級ブランドとしての熟成を感じさせてくれる。いかにもメルセデス・ベンツらしい良質さに満ち溢れたコンパクトモデルに仕上がっていた。
新型CLA 48Vマイルドハイブリッドモデル・グレード価格
| CLA 180 | 598万円 |
| CLA 220 | 687万円 |
| CLA 180シューティングブレーク | 621万円 |
| CLA 220シューティングブレーク | 710万円 |
CLA 180主要諸元
- 寸法:全長4725×全幅1835×全高1470mm
- 車両重量:1650kg
- 最小回転半径:5.2m
- 駆動方式:FF
- エンジン:水冷直列4気筒ガソリン・ターボ
- エンジン排気量:1498cc
- エンジン最高出力:100kW(136PS)/5500rpm
- エンジン最大トルク:200Nm/1600~4500rpm
- トランスミッション:8速DCT
- モーター最高出力:22kW/1150rpm
- モーター最大トルク:200nm/0~1000rpm
- WLTCモード燃費:20.3km/l
- タイヤ:225/40R19(AMGラインパッケージ)
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