
スズキは2026年9月25日、「10年先を見据えた技術戦略2026」を発表した。そのなかで、軽トラック「スーパーキャリイ」をベースに、走行中にCO₂を回収する「CARBON CAPTURE CARRY」を紹介。車両から排出されるCO₂の一部を回収し、農業などに利用する技術だ。
●文:月刊自家用車編集部
スーパーキャリイにCO₂回収システムを搭載
「CARBON CAPTURE CARRY」は、スーパーキャリイをベースにCO₂回収装置を搭載したもの。走行時の排気ガスからCO₂を回収し、回収したCO₂を近隣の農業用ハウスなどで利用することを想定している。
スズキはこの技術について、農業分野でのCO₂利用と組み合わせることで、CO₂の排出量削減につなげる考えを示している。
スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド。一般的な軽トラに比べてキャビンが大きいのがスーパーキャリイの特徴だ。
ステアリングを上から抱え込むような独特のドラポジ。視認性は非常に高い。
20km走行で約1kgのCO₂を回収
資料では、具体的な回収量も示されている。
20km走行した場合、約2kgのCO₂を排出するケースを想定。そのうち約1kg、約50%を回収できるとしている。
スズキは、回収したCO₂を農業用ハウスで利用することで、農作物の成長促進などに活用することを想定している。
「吸湿材」と「吸着材」でCO₂を回収
CO₂を回収するための技術にも工夫がある。
スズキの説明では、排気ガス中の水分を効率よく除去する「吸湿材」と、CO₂を高効率・低コストで回収する「吸着材」を使用。
排気ガスから水分を取り除いたうえで、CO₂を回収する仕組みとしている。
カーボンニュートラル燃料との組み合わせで「カーボンネガティブ」へ
この技術で重要なのが、CO₂回収だけでカーボンネガティブを実現するというものではない点だ。
スズキは、カーボンニュートラル燃料とCO₂回収技術を組み合わせることで、排出したCO₂よりも回収するCO₂の量が上回る「カーボンネガティブ」の実現を目指すとしている。
つまり、CARBON CAPTURE CARRYによるCO₂回収と、使用する燃料のカーボンニュートラル化を組み合わせることがポイントとなる。
回収したCO₂は農業に利用
回収したCO₂は、農業用ハウスなどで利用することを想定している。
ハウス農業では、農作物の成長促進を目的としてCO₂を供給する場合があり、スズキは車両から回収したCO₂をその用途に活用することで、CO₂を単に回収するだけでなく、農業分野で再利用する仕組みを検討している。
今回の発表では、具体的な市販化時期や市販車への搭載予定などについては明らかにされていない。
●スーパーキャリイ Xリミテッド(パートタイム4WD・4AT)
●車両価格:180万700円
●全長3395×全幅1475×全高1885mm
●車両重量:850kg
●エンジン:水冷直列3気筒0.658L
●最高出力、最大トルク:50PS/59Nm
●WLTC燃料消費率:15.4Km/L
●サスペンション:前マクファーソンストラット/後リーフスプリング
●タイヤ:145/80R12
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(スズキ)
軽EV「e SKY」は航続310kmへ 今回紹介された「e SKY」は、スズキが開発を進める軽乗用EVだ。プロトタイプの参考値として、一充電走行距離310km、車両重量1030kg、電力消費率97Wh[…]
RR+2ストローク3気筒。59年前とは思えない意欲的なメカニズム 現在の軽自動車は、大人4人が乗れる室内空間と、高速道路を無理なく走れる性能を備えています。しかし、360cc規格が定着した1950年代[…]
ジムニーが大胆なヴィンテージスタイルに大変身! ランドクルーザーやハイエースなどの販売・カスタムで知られるFLEXが、新たなカスタムコンプリートブランド「FLEX FOUND(フレックス ファウンド)[…]
値引き情報の見方 ◎車両本体目標 車両本体からの値引き目標額を示している。実際の値引き額は、販売店や購入時期、グレード、オプションなどによって変動する。 ◎リセール予想 購入したクルマを将来売却すると[…]
値引き情報の見方 ◎車両本体目標車両本体価格からここまで取れれば成功という額。付属品からの値引きは含まない。 ◎リセール予想次に買い替えるときの下取り査定額。2~3年後の評価をA~Eの5段階で評価、更[…]
最新の関連記事(キャリイ)
【まとめ】30秒で分かる!「スーパーキャリイ」の魅力 はたらく軽自動車のスーパーキャリイは、キャリイに対してキャビンにゆとりを持たせ、便利で快適な機能を充実させて2018年に登場。荷台の積載性もキャリ[…]
軽バンベースのキャンパーとは一味違う本格的な軽キャブコン モーニングワン キャンパー ジャストを販売するのは神奈川県愛甲郡愛川町にある新相武株式会社。トラック架装を得意とし、一方でキャンプ場の運営にも[…]
乗用モデル相当の利便装備を採用することで、快適性を大きく向上 今回実施した一部仕様変更で「後方誤発進抑制機能」に「ブレーキ制御機能」を追加。さらに「キャリイ」と「スーパーキャリイ」は、全グレードにスズ[…]
特別仕様車「Xリミテッド」とは!? 特別仕様車「Xリミテッド」は、「スーパーキャリイ X LEDヘッドランプ装着車」をベースに、専用のデカールを追加したほか、メッキ部分のフロントガーニッシュやフォグラ[…]
より選択肢が広がった カスタムベースとしても人気の高いスズキの軽トラック「キャリイ」に、今回新たに「モスグレーメタリック」を採用。これはスーパーキャリイ全グレード、キャリイ KX、KCスペシャル、農繁[…]
人気記事ランキング(全体)
普段使いと街乗りを完璧にこなす信頼の軽商用バン キャンピングカーとしての優れた機能性と、都市部での軽快な取り回しを両立させる上で、ベース車両の選定は極めて重要となる。多くの車中泊ファンから熱い視線を集[…]
横方向への広がりをより力強くアピールする進化したVモーションデザイン。緻密なハニカム格子のグリルと鋭く研ぎ澄まされたLEDヘッドライトが、新世代モデルにふさわしい圧倒的な迫力を生み出している。 洗練と[…]
kyoto.takao360 RVパーク 春の桜、夏の新緑、秋の紅葉と、四季折々の風景を満喫できるのが魅力 「kyoto.takao360 RVパーク」は、京都市内中心部からのアクセスが抜群でありなが[…]
軽量+ハイパワー+4WDという最強クラスの組み合わせが誕生 三菱「ランサーエボリューション」が誕生したのは1992年である。 三菱は1967年に初めて国際ラリーへ参戦して以来、モータースポーツを単なる[…]
看板モデルのF SPORTには、専用のアンダースポイラーや20インチアルミホイール、レッドキャリパーが装着されることで、よりスポーティなイメージを強調。この車両のボディカラーは専用色のチタニウムカーバ[…]
最新の投稿記事(全体)
スーパーキャリイにCO₂回収システムを搭載 「CARBON CAPTURE CARRY」は、スーパーキャリイをベースにCO₂回収装置を搭載したもの。走行時の排気ガスからCO₂を回収し、回収したCO₂を[…]
軽EV「e SKY」は航続310kmへ 今回紹介された「e SKY」は、スズキが開発を進める軽乗用EVだ。プロトタイプの参考値として、一充電走行距離310km、車両重量1030kg、電力消費率97Wh[…]
RR+2ストローク3気筒。59年前とは思えない意欲的なメカニズム 現在の軽自動車は、大人4人が乗れる室内空間と、高速道路を無理なく走れる性能を備えています。しかし、360cc規格が定着した1950年代[…]
都市部でも取り回しやすいダイハツ・アトレーをベースに採用 キャンピングカーとしての高い居住性と、日本の道幅にマッチした運転しやすさを両立させるために、ベース車両選びは極めて重要である。多くの車中泊ファ[…]
電動化の波に抗う「純粋スポーツ」 ロードスターの昨年度の国内販売台数は、1万台を超えている。純ガソリンエンジンの2シーターで、身の回りの小物を置くスペースにも困る非実用的なモデルであることを考えれば、[…]
- 1
- 2




























