「そんなに少ないんだ?」今では4球場しか採用していないリリーフカー。阪神・甲子園球場ではトヨタの超小型EVがド派手なトラ柄に変身して大活躍!│月刊自家用車WEB - 厳選クルマ情報

「そんなに少ないんだ?」今では4球場しか採用していないリリーフカー。阪神・甲子園球場ではトヨタの超小型EVがド派手なトラ柄に変身して大活躍!

「そんなに少ないんだ?」今では4球場しか採用していないリリーフカー。阪神・甲子園球場ではトヨタの超小型EVがド派手なトラ柄に変身して大活躍!

2026年、2年連続となるセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガース。その本拠地・阪神甲子園球場では、救援投手をマウンドまで送り届ける「リリーフカー」もおなじみの存在だ。実は現在、リリーフカーを使用する球場は全国でもわずか4球場。しかも甲子園で活躍するド派手な虎柄の1台、その正体はトヨタの超小型EVなのである。

●文:月刊自家用車編集部

全国でもわずか4球場! 実は珍しくなったリリーフカー

プロ野球を観戦していると、投手交代の際、ブルペンからリリーフ投手を乗せたクルマがグラウンドへ姿を現すことがある。

いわゆる「リリーフカー」である。

野球ファンにとってはおなじみの光景にも思えるが、現在のプロ野球では決して一般的な存在ではない。

2024年時点でリリーフカーを使用していたのは、阪神甲子園球場、横浜スタジアム、ZOZOマリンスタジアム、エスコンフィールドHOKKAIDOの4球場のみ。いずれもブルペンからマウンドまでの距離が長く、投手を速やかに送り届けるためにリリーフカーが活用されている。

横浜スタジアムでは、日産のリーフをベースにしたリリーフカーを採用する。球場によって使用される車両やデザインが異なるのも面白いところだ。

クボタの多目的四輪車、RTV X900を使用した、エスコンフィールドのリリーフカー

そんな数少ないリリーフカー採用球場のひとつが、2026年に2年連続8度目となるセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガースの本拠地、阪神甲子園球場である。

そして甲子園とリリーフカーの関係は非常に長い。

甲子園で初めてリリーフ用の乗り物が登場したのは1964年。当時は現在のような四輪車ではなく、スクータータイプの「リリーフバイク」で、救援投手を後部座席に乗せてマウンドへ送り届けていた。

その後、1970年代半ばには四輪のリリーフカーへと変化。一方、1992年にはラッキーゾーン撤去に伴ってブルペンがファウルゾーンへ移されたことで一度姿を消したが、ブルペンの位置変更を受けて1999年シーズンから再び使用されるようになった。

つまり甲子園のリリーフカーには、実に60年以上にわたる歴史があるのだ。

ベースはトヨタの超小型EV「C+pod」

現在、阪神甲子園球場で使用されているリリーフカーが登場したのは2022年3月である。

ベースとなったのは、トヨタが開発した超小型BEV「C+pod(シーポッド)」だ。従来使用していたガソリン車から電気自動車へ変更された背景には、阪神甲子園球場が推進する環境施策「KOSHIEN “eco” Challenge」がある。

トヨタの超小型電気自動車「C+pod」。

C+podは2020年12月に登場したコンパクトな2人乗りEVで、日常の近距離移動などを想定して開発されたモデルだ。

その小さな車体は、スタンド下の通路など限られたスペースを走行する必要がある甲子園のリリーフカーにも好都合だった。

超コンパクトな車体が、甲子園球場の仕様にマッチ。

ただし、甲子園を走る車両は市販状態のC+podそのままではない。

身体の大きなプロ野球選手でもゆったり乗車できるよう、助手席を後方へ移動するなど専用の改造が施されている。さらに投手が座るシートには野球のグローブをモチーフにしたデザインを採用するなど、単なる移動手段ではなく、球場を盛り上げる演出にもこだわっている。

普通のC+podがド派手な「虎柄」に大変身!

なかでも強烈なのが、阪神タイガースの投手を運ぶホームチーム用の車両だ。

こちらが阪神タイガース用のリリーフカー。ノーマルのC+podとはまるで別のクルマのような迫力だ。
※現在は、スポンサー等が変更となっている場合があります

コンパクトでシンプルだったC+podのボディは、黄色と黒を基調とした大胆な虎柄へ大変身。遠くから見てもひと目で阪神タイガース用と分かる、実に甲子園らしいデザインとなっている。

さらにホームチーム用には、豊田合成が製作した特製のイエローステアリングも装着。車体だけでなく細部までタイガース仕様に仕立てられている。

大胆な虎柄ラッピングをまとったホームチーム用。C+podの面影を残しながら、印象は大きく変わっている。
※現在は、スポンサー等が変更となっている場合があります

一方、ビジターチーム用も同じC+podをベースとしているが、こちらはホーム用の虎柄とは異なる落ち着いたデザインとなっている。

こちらはビジターチーム用。ホーム用と同じC+podがベースだが、カラーリングは大きく異なる。
※現在は、スポンサー等が変更となっている場合があります

2台を見比べてみると、同じベース車でありながら、カラーリングひとつでこれほど印象が変わることにも驚かされる。

ベース車のC+podはすでに生産終了

現在も甲子園で元気に活躍しているC+podベースのリリーフカーだが、実はベースとなったC+podそのものはすでに生産を終了している。

トヨタはC+podについて2024年夏ごろをもって生産を終了すると発表しており、公式サイトでも現在は「旧車情報」として掲載されている。トヨタの取扱説明書上でも生産期間は2020年12月から2024年8月までとなっている。

シンプルな超小型EVから、甲子園名物ともいえる虎柄のリリーフカーへ。ベースとなったC+podは現在すでに生産を終了している。
※現在は、スポンサー等が変更となっている場合があります

全国のプロ野球本拠地でも、ごく一部でしか見ることのできなくなったリリーフカー。

そのなかでも60年以上にわたる歴史を持つ甲子園では、時代に合わせてバイクからガソリン車、そしてEVへと姿を変えながら、現在も救援投手をマウンドへ送り届けている。

2026年のリーグ優勝で再び大きな注目を集める阪神タイガース。試合を観戦するときには投手だけでなく、その登場を支える小さな「虎柄EV」にも注目してみると面白いだろう。

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