
ミニバン感覚で扱えるサイズ感と、キャンピングカーとしての居住性。その両立を高いレベルで実現しているのが、リンエイが手がけるバンコンシリーズ「バカンチェス」だ。ハイルーフ化によって生まれる余裕の室内空間は、日常使いから本格的な車中泊旅まで幅広く対応する。多彩なレイアウト展開も大きな魅力で、使う人数や旅のスタイルに合わせて最適解を選べる一台となっている。
●文:月刊自家用車編集部
ミニバンサイズに収まる取り回しと、ハイルーフが生む余白
バカンチェスは全長4695mm、全幅1695mmという数値は、ノアやヴォクシー、セレナといった国産ミニバンと大きく変わらず、日常の駐車場や狭い路地でも扱いやすい。全高こそ2240mmと高めだが、その高さこそがバカンチェス最大の武器になっている。
ハイルーフによって確保された室内高は、車内で立ったまま着替えができるほどの余裕をもたらす。車中泊時の圧迫感を大きく減らし、長時間車内で過ごす際の快適性を底上げする要素だ。単なる移動手段ではなく「滞在できる空間」として成立している点が、このモデルの根幹にある。
パワートレインと駆動方式の選択肢が広い安心感
エンジンは2000ccガソリンと2800ccディーゼルターボを用意。さらに2WDと4WDを選択でき、4WDはディーゼル専用という構成だ。高速道路を多用するロングドライブから、雪道や未舗装路を含む旅まで、用途に応じた選択が可能になっている。
キャンピングカーは重量が増えがちな分、パワートレインの余裕が重要になる。その点でディーゼルターボの設定があるのは大きな安心材料だ。走行性能と経済性のバランスを重視する人にとっても、現実的な選択肢が揃っている。
多人数乗車と積載力を両立するベーシック系レイアウト
バカンチェスの特徴は、レイアウトの幅広さにある。まず注目したいのが、多人数乗車を前提としたベーシック系の構成だ。トランポ仕様では、セカンドシートと横向きサードシートによって最大8名乗車を確保しつつ、跳ね上げ式シートで大きな荷物にも対応する。
バイクや自転車といったアウトドアギアを積みながら、人も乗れる。そんな使い方を想定した設計で、キャンピングカーというより多目的バンに近い感覚で使えるのが魅力だ。日常と趣味の両立を求めるユーザーに刺さる構成と言える。
家族構成を選ばないリッツ系の万能さ
リッツ系レイアウトは、積載力と居住性を高次元でまとめ上げた構成だ。乗車定員8名を確保しながら、就寝人数も柔軟に対応できる点が特徴となっている。大人と子どもを組み合わせた就寝から、オプションを活用した多人数就寝まで、シーンに応じた使い分けが可能だ。
変幻自在なレイアウト変更ができるため、家族構成やライフステージが変わっても使い続けやすい。大家族の週末レジャーから、人数が減った後の夫婦旅まで、1台で長く付き合えるキャンピングカーとしての完成度が高い。
ラウンジやワゴン感覚を重視した派生モデル
ラウンジリッツでは、コの字型に座れるラウンジスペースを確保し、車内で過ごす時間の快適性を重視している。テーブルを囲んで食事や団らんを楽しめる空間は、停車中の満足度を大きく高める要素だ。ハイルーフの恩恵により、上段ベッドの圧迫感が少ない点も見逃せない。
一方、ライルやライルリッツはワゴン的な使い勝手を重視。前向き三列シートで普段使いしやすく、それでいてベッド展開にも対応する。通勤や送迎と、週末の車中泊を1台でこなしたい人には現実的な選択肢になる。
ふたり旅に最適化されたレイアウト群
バカンチェスには、明確に「ふたり旅」を意識したレイアウトも多数用意されている。シングルやツインでは、大きな荷物を積みながら、ゆとりあるベッドスペースを確保。通路マットを使ったベッド展開など、シンプルながら実用的な工夫が光る。
ダイネットやプライベート仕様では、食事と就寝空間を分ける発想を取り入れ、旅の快適性を一段引き上げている。コンバートの手間を減らし、車内での動線をスムーズにすることで、長期旅行でもストレスを感じにくい設計になっている。
装備充実モデルが示す完成形
ダブルソーラーやダブルサブバッテリー、40L冷凍冷蔵庫といった装備を標準化したレイアウトも用意されている。電源環境を重視するユーザーにとって、後付け前提ではなく最初から完成度の高い構成が選べる点は大きな魅力だ。
MoMoやプラム系では、少人数利用を前提にしつつ、家電装備まで含めたパッケージ感が強い。単なる移動式ベッドではなく、移動できるプライベートルームとして成立していることが、バカンチェス全体に共通する価値と言える。
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