運転が上手くなりたい人、必見! フィットModulo Xは、運転に自信がない人こそ、乗ってほしいクルマだ

「Modulo X」はホンダの純正アクセサリーメーカー、ホンダアクセスが手掛けるチューニングコンプリートモデルだ。「ちょっと走りによったクルマでしょ」と思っているそこのあなた、実は日常使いの人にこそ使って欲しい性能が満載なんです。まるも亜希子が解説する。

●文:まるも亜希子●まとめ:月刊自家用車編集部 ●写真:澤田和久 ●外部リンク:ホンダアクセス

本誌でもおなじみのカーライフ・ジャーナリスト。子育て中のママでもあり、家族視点のレポートが好評だ。サハラ砂漠ラリー完走ドライバーでもある。

コロナ禍での愛車選びの選択肢

コロナ禍の移動手段としてマイカーの良さが見直され、一度は手離した愛車を再び手に入れるファミリーが増えている。買い物や送り迎えという日常使いからレジャーまでをこなす上で、速さやパワーよりも運転のしやすさ、乗り心地の良さといった、家族みんなが安心できる性能を期待する声が多いと感じる。そんな新たな価値観で愛車選びをする人たちにぜひ注目してほしいのが、ホンダアクセスが手掛けるチューニングコンプリートモデル「Modulo X」シリーズだ。

今回新たに登場したのは、コンパクトカーでありながらファミリーユースにも人気のフィットe:HEVの Modulo X 。昨年フルモデルチェンジして大きく進化したe:HEVは、ベースモデルからして魅力アップしているので、そこからさらに良くなっているのか?まずは市街地からチェックした。

ホンダアクセスが誇るコンプリートカー。スポーツ志向が強そうだが、街中で発揮する安定感にも定評がある。

まるで運転が上手くなったかのような乗り心地

運転席に座ってまず感心するのは、極細のAピラーを実現したことで叶った超広大なパノラマ視界。スタートボタンを押すと静かに起動する2モーターハイブリッドは、発進からなめらかに走り出す。重心が少し低くなったように安定感があって、ハンドルの手応えもナチュラルで余計なフラつきがないのが好印象。路面は少し凸凹やギャップがあったにも関わらず、接地感がしっとりとして不快な振動が抑えられていると感じる。そしてゆるいカーブに入ってから抜けるまでのしなやかで落ち着いた身のこなし。これは絶対に気のせいではなく、 Modulo X ならではだと確信した。

Modulo X が手掛けるコンプリートカーは「実効空力※」にこだわって開発されており、このフィットe:HEV Modulo X にもボディが受けるすべての風の流れを整え、車体をしっかりと安定して接地させて無駄なロールやピッチングを抑え、思い通りの運転しやすさと乗り心地の良さを両立する技術が結集している。外観ではまず「X」をイメージした立体造形のフロントバンパースポイラー、リヤバンパーやテールゲートスポイラーがこの実効空力を体現。見えないところでは車体下部にあるエアロスロープやエアロボトムフィンが、車体中央部に速い空気の流れを生んで直進安定性を高め、両サイドのホイールハウス内を通る空気の流れをスムーズにして、旋回時に上質なステアフィールを生むという。

そして足回りでは専用のアルミホイールを採用し、ダンパーチューニングも行われて、よりリニアでバランスの良い乗り味を実現。このあたりは高速道路を走ってもしっかり体感でき、風を味方につけたような爽快感とともに、車線変更や合流でもピタッと決まるガッシリ感と接地感があった。これなら高速道路での遠出に不慣れな人も、安心感が高くリラックスして運転できるはずだ。

チューニングと聞くとスポーツ走行のイメージが強いかもしれないが、 Modulo X が目指すのは運転して楽しいだけじゃない。安心感や快適性が”どの席でも”体感できる走りの良さ。これまでにステップワゴンやフリード、ヴェゼルといったさまざまなジャンルで人気の高いモデルでも高評価を得ている。 フィットe:HEV Modulo X で感じたのは、街中でのちょい乗りでも違いがわかり、誰もが安心して乗れる「やさしい高性能」だということ。ニューノーマルの時代に、家族のお出かけに求めるものがすべて手に入る一台だ。

※ホンダアクセスでは日常の速度域でも体感できる空力効果のことを「実効空力」と呼び、開発キーワードとして掲げている。


【エクステリア/エアロパーツ】

実効空力エアロとダンパー、ホイールが三位一体!ホンダセンシングへの対応も純正ならでは

Modulo Xのエクステリアは単なるドレスアップではなく、デザイナーやクレイモデラーまでも一緒にテストコースに出向き、走りながらデザインを作り込んでいくため、小さなパーツ1つにも空力効果がしっかり備わるのが特徴だ。フィットではベースモデルが持つフレンドリーで上質なデザインを損なうことなく、さりげなくて上質なスポーティさをプラス。フロントの中心から放射状に広がる形状を与え、「X」を表現したフロントバンパー。この造形はリヤバンパーにも与えられ、コーナーにエッジを効かせて乱気流を断ち切る役割がある。専用テールゲートスポイラーは長さや角度を変更。フロントの車体下部にはエアロスロープ、エアロボトムフィンが備わっている。

中央で斜めの線が交叉するように視線を導き、デザインテーマの「X」を表現。シャープな造形のフード先端は上下方向の整流効果を、バンパーのコーナー形状は直進安定性を、エアロフィンは旋回時の乱流抑制を狙いとする。別掲のボディ下面の処理も要注目だ。

バンパーサイドからコーナーにかけて突起形状とすることで風の巻き込みを抑制するバンパーコーナーエッジを設けている。ボディ各部の空力効果をバランスさせて前後の車体リフトを同等に揃え、4輪への均等な接地荷重を実現することで走行安定性が向上。

フィン付きのエアロスロープ(写真左)により車体中央の流速が向上。エアロボトムフィン(写真右)はホイールハウスへの風を整え、内圧を低減する。

フロントのエアロスロープから取り込んだ速い空気の流れが滞りなく抜ける形状とし、ボディ下面の流速向上に重要な役割を果たす。

前後リフトバランスや直進性、さらには旋回性の向上を狙い、上面の長さや角度、側面の角度や面積を最適化。


【サス&ホイール】

実効空力エアロとダンパー、ホイールが三位一体!ホンダセンシングへの対応も純正ならでは

リヤの接地性を高め、前後のバランスを最適化することにこだわったModulo Xでは、ダンパー内部でオイルの通り道となるピストン穴径やバルブの厚み・枚数を変更した専用ダンパーを採用。極低速から高速域までリニアな減衰力特性とし、タイヤの接地状況がわかりやすいステアリングフィールとフラットな乗り味を実現した。また専用の16インチアルミホイールでは、路面からの入力をしなやかにいなしつつ、最適化された剛性バランスでタイヤの接地面圧を高める効果を発揮。デザインはSUPERGTに参戦しているマシンを踏襲しながら、ベース車「e:HEV LUXE」の標準ホイールに対して、約30%にあたる1本あたり2.9kgもの軽量化を達成している。

ガチガチに固めるのではなく、クイックさを追求するのでもない。しなやかな衝撃吸収による快適性と上質な乗り味にこだわった。

GTマシンを思わせるデザインと大幅な軽量化に加え、ホイールを”たわませる”剛性を狙って作られた。これも乗り心地に効いているという。


【インテリア】

細部まで配慮の行き届いた専用のコーディネートが魅力的

ドアを開けた瞬間から、予想以上の広々空間と大人の落ち着きあるインテリアに包まれるModulo X。ゆったりとしつつ身体を適度に包み込んでくれるシートは、よりすべりにくくフィット性を高めるよう、フロントシートのメイン表皮にラックススェード®を採用。サイドサポートはしっとりと吸い付くような触り心地の本革が使われている。カラーはどんなシーンにも合うブラックと、モダンでスポーティな印象がアップするブラック×ボルドーレッドを設定。ステアリングやセレクトレバーは本革巻き、フロアカーペットやパワースイッチ、インテリアパネルといった細部まで、フィット e:HEV Modulo X専用のアイテムが彩るトータルコーディネートが魅力だ。

スムーズレザーに赤いステッチを施したスポーティーなステアリング。

専用の本革セレクトノブはステアリングとカラーコーディネートされたスイッチ入りだ。

中央部分がラックススェード®、サイドサポート部分が本革の専用コンビシート。


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