2023年12月の発売以来、強力ライバルがひしめく中でコンスタントに売れ続けているスズキ・スイフト。走りのさらなる進化や先進装備の充実など、人気を集める理由はたくさんあるのだが、その中でも見逃せないのが、実用車としての使いやすさがしっかりと考えられていること。ここでその魅力ぶりをチェックしてみたい。
●文:まるも亜希子(月刊自家用車編集部) ●写真:月刊自家用車編集部
こだわりのキャビン設計で、実用性能をさらにアップ
走って楽しいコンパクトカーの代名詞的な存在として、長く愛されているスズキ・スイフト。
世界に通用するコンパクトカーを作りたいと、欧州をはじめ世界の道でテストを繰り返すなど、日本車でありながらどこかヨーロッパの香りが漂うところも、ファンの心を掴んでいる理由のひとつだろう。
そんなスイフトの最新モデルは、さらにスタイリッシュになったデザインに加え、実用性の高さに磨きをかけて登場した。外観はボンネットがラウンドしてボディ全体を包み込むような形状が特徴的で、張り出し感を強調するL字モチーフが印象的なフロントマスクに、キリリと前を見据えるヘッドライトを組み合わせることで上質感を添えている。
運転席に乗り込んでみると、やはりドライビングの楽しさを予感させる、一体感あふれるコックピットは変わらない。操作しやすいよう、少しドライバー側に角度がついたセンターパネルなど、細やかな配慮がなされていることは、実用性に配慮してきたモデルらしいコダワリだろう。
さらに肌触りのいいシートに好感。ゆったりとしたサイズながらもサイドサポートがしっかりあるタイプで、身体にそっとフィットしながらも、右へ左へと揺さぶられるようなワインディングでも、安心して身体を預けられる。
高速長距離も得意。場所を選ばぬ万能タイプ
今回はそんなスイフトで、秋晴れの休日にちょっと足をのばして海までドライブしてみた。
まず感じたのは、都心の混み合った街中での扱いやすさがありがたい。ロングホイールベースながらも、最小回転半径が4.8mと小さいので、狭い路地もスイスイと余裕。
パワートレーンは、新開発の1.2Lの3気筒エンジンにモーター機能付発電機「ISG」を組み合わせたマイルドハイブリッドで、信号が多くストップ&ゴーが続くようなところも、発進が軽やかでストレスフリーだ。
そして予想以上に快適なのが高速走行。新開発されたCVTのおかげもあり、高速道路に入るとさらに伸びやかな加速フィールが楽しめるなど、とにかくリラックスして走ることができる。これは、先代比で約4.6%も低減した空力性能の恩恵も大きいはずだ。
ステアリングも落ち着きがあるタイプ。低速域では軽めで扱いやすさがありながら、高速域ではしっかりと落ち着いてくれるので、乗り心地にも安定感がある。軽量高剛性プラットフォーム「ハーテクト」や、フロントスタビライザーの変更、リヤサスペンションストローク量増加などで作り込んだ足まわりが効いていると感じる。
ミリ波レーダー/単眼カメラ/超音波センサーを組み合わせ、従来より検知エリアが拡大された新開発の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」をはじめ、スズキ初のドライバーモニタリングシステムも搭載され、眠気や脇見を検知して知らせてくれる機能も頼もしい。
デザインも機能も価格も“ちょうど良い”
だんだんと緑が多くなってきた景色を流しながら、キラキラとした海に到着。こんな場所で非日常を楽しむ道具を積みたい時にも、スイフトのラゲッジの出来の良さを実感できる。
開口部の地上高が705mmと低く、重い荷物の積み込みもスムーズ。現行型は荷室高を875mmにアップし、横幅も開口部が1000mm、最大で1155mmを確保しており、より大きな荷物も積みやすい。
そして装備機能の充実ぶりも嬉しいポイント。24時間365日対応のオペレーターサービスをはじめ、エアコン操作や駐車位置確認など、機能が充実したスズキコネクトを設定したことは見逃せない。大きなディスプレイでナビも見やすく、スズキ国内初のワイヤレス充電器に加え、あえて若い世代に人気のあるCDチェンジャーを設定したところに、遊び心を感じさせる。
こんなに進化したスイフトが、200万円を切る価格から用意されているという、コスパの高さにも驚くばかり。日常でも非日常でも、しっかり楽しく使い倒すことができるモデルだと言える。
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