
STIに代表されるパフォーマンスと並んで、スバルの個性を決定づけるもう一つの軸がアドベンチャー。その展示の主役は、北米でこの春に発表され、欧州向けにはe-アウトバックの名で導入が予定されている電気自動車(BEV)のSUV、Trailseeker(トレイルシーカー)だ。国内のスバルのBEVとしては、先にビッグマイナーチェンジを果たしたソルテラに続く第二弾となる発売予定モデルになる。
●文:月刊自家用車編集部(横田晃) ●写真:月刊自家用車編集部
STIと並ぶもう一つの柱として、大きな期待を持ってデビュー
トレイルシーカー(プロトタイプ)
トレイルシーカー(プロトタイプ)
ベースとなるプラットフォームは生産もトヨタに委託しているソルテラと共通だが、スバルのBEVとしては初めて自社の矢島工場での生産となるトレイルシーカーは、ソルテラより少し格上の設定になる。
骨格やドア、インテリアの主要パネルなどはソルテラと共通ながら、リヤセクションは専用に作り替えれているため、全長が伸び、荷室容量も拡大されている。6つのデイライトLEDが印象的なフロントマスクも、ソルテラよりワイルドな仕立ての専用加飾になっている。
モーター出力もソルテラより強力。フロントはどちらも167㎾だが、リヤモーターはソルテラの88㎾に対して、トレイルシーカーはフロントと同じ167㎾の強力版を搭載する。システム最大出力もソルテラの252㎾に対して280㎾、0-100㎞/h加速もソルテラの5・1秒(もスーパーカー並みだが)を上回る、4・5秒を記録する。エンジン車のWRXも真っ青のダッシュ力を持つこともアピールポイントだ。
それでいて、制御もソルテラより進化していることが妙味で、誰にでも運転しやすく、コーナーなどのトレース性も高い、意のままの走りを実現させているという。
電動モデルでも、長年培ったスバルならではの高速AWD技術が発揮される世界戦略SUV。すでに国内でも導入が予告されており、2026年春頃発表予定とされている。
トレイルシーカー(プロトタイプ)
トレイルシーカー(プロトタイプ)
トレイルシーカー主要諸元(開発目標値)
| グレード | 標準 | 上級 | ||
| 駆動方式 | FWD | AWD | AWD | |
| 全長×全幅×全高(mm) | 4845×1860×1675 | |||
| ホイールベース(mm) | 2850 | |||
| 最低地上高(mm) | 215 | |||
| 最小回転半径(m) | 5.6 | |||
| 荷室容量(L) | 609 – 633 | 595 – 619 | ||
| 原動機(モーター) | フロント最高出力(kW) | 167 | ||
| リヤ最高出力(kW) | − | 167 | ||
| 駆動用バッテリー* | 種類 | リチウムイオン電池 | ||
| 総電圧(V) | 391 | |||
| 0-100km/h加速 | 未定 | 約4.5秒 | ||
| 一充電走行距離 | 700km以上 | 未定 | ||
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(スバル)
SUBARUとSTIが共同開発した、走る愉しさを追求したコンプリートカー 今回導入される特別仕様車「STI Sport TYPE RA」は、水平対向エンジンを搭載したFRレイアウトのピュアスポーツカー[…]
BEVとしての基本性能を大きく底上げ 2021年にスバル初のグローバルバッテリーEV(BEV)として登場したソルテラは、電動駆動の利点を追求しつつ、余裕あるSUVボディや先進の安全装備機能が充実するな[…]
クロストレックが「ゴツい」タフ仕様に進化 クロストレックは、コンパクトなボディに本格的なSUV性能とラギッドかつスポーティなデザインを兼ね備え、都会からアウトドアまで幅広いシーンで活用できる多用途性を[…]
ワイルドでタフ。北米で人気を集めるスバルのワイルド仕様 アメリカでは広大な国立公園などの中に、大自然を縫って走る長大な未舗装のトレイルロードが各地にあり、そこを走ること自体に挑む、文字通りのアドベンチ[…]
スバルが目指すBEVの未来像。次期型レヴォーグのデザインを示唆するのか? 電気自動車(BEV)でスバルの次世代パフォーマンスカーを目指したのが、Performance E-STI concept。 「[…]
最新の関連記事(ニュース)
実績のある三菱アウトランダーPHEVのOEMモデル 発表された「ローグ プラグインハイブリッド」は、Re: Nissan再建計画の一環として、米国での電動化モデルの製品ラインアップ拡充を期待して投入さ[…]
アストンマーティンとeggがタッグした究極のベビーカー 英国のゲイドンから、自動車産業と育児用品業界に新たな潮流を告げるニュースが届いた。英国が誇るラグジュアリーブランドであるアストンマーティンと、同[…]
AOGとは? 湘南の意味は? どんな特徴があるの? ちなみにAOGとは「オーテック・オーナーズ・グループ」の略だ。そしてオーテックとは、日産のカスタマイズ・ブランドであり、それを実施する湘南に本拠を構[…]
SUBARUとSTIが共同開発した、走る愉しさを追求したコンプリートカー 今回導入される特別仕様車「STI Sport TYPE RA」は、水平対向エンジンを搭載したFRレイアウトのピュアスポーツカー[…]
キャブオーバー から決別することで、ハイエースの運転席はどう変わる? まず、注目して欲しいのがプラットフォームの変化ぶり。お披露目されたハイエースコンセプトは、前輪の位置が運転席よりも前にある、新規開[…]
人気記事ランキング(全体)
ネクストキャンパーが「エブリイ Jリミテッド」に対応 2025年8月にスズキより販売された軽商用車「エブリイ Jリミテッド」は、商用車の実用性をそのままに、外観にこだわりを持たせたモデルとして人気を集[…]
運転中のちょっとした不満やストレス…。解消する方法は? 普段、クルマを運転している際に感じるちょっとした不満やストレス。それを解消できるアイテムがあれば、もっと快適にドライブが楽しめるのに…。例えば、[…]
ハイエースをベースにした特別モデル「ネクストアーク」 ダイレクトカーズが展開する「ネクストアーク」は、ハイエースをベースにしたシンプルかつ実用性の高いキャンピングカーである。これまで大規模イベントで高[…]
家庭用エアコンで、夏バテも心配いらず 今回紹介するレクヴィのハイエースキャンパーは、取り回しの良いナローボディ・ハイルーフ車をベースに仕立てた車両で、「ペットと旅するキャンピングカー」というコンセプト[…]
多様なパワートレーンとプラットフォーム戦略 TMS2025で公開されたトヨタ カローラ コンセプトは、従来の「生活に溶け込んだクルマ」というカローラのイメージを刷新する、低く伸びやかなボンネットと鋭利[…]
最新の投稿記事(全体)
実績のある三菱アウトランダーPHEVのOEMモデル 発表された「ローグ プラグインハイブリッド」は、Re: Nissan再建計画の一環として、米国での電動化モデルの製品ラインアップ拡充を期待して投入さ[…]
夏にたまったシートの汚れ…。解消する方法は? クルマの隅々まできれいにする洗車好きでも、なかなか手入れのしにくい部分、それがシートではないだろうか? ファブリックシートは、布が汚れや汗、ホコリなどを蓄[…]
高級クーペとは一線を画す若者にも手が届く価格で夢を提供したセリカ その地位を完全に定着させたのが、大衆セダンのフォードファルコンのシャシーにスポーティな専用ボディを載せ、特別仕立てのクルマ=スペシャリ[…]
「贅沢」を極めた新世代のスーパーハイト軽ワゴン デリカが持つ「悪路に強い」というタフなイメージを、日常使いで便利な軽自動車に注ぎこんだことで、記録的なヒットを遂げたデリカミニ。この秋に発売された新型は[…]
Mercedes-AMG GT 53 4MATIC+ (ISG) Final Edition 特別装備で走りのポテンシャルを向上したメモリアルモデル メルセデスAMG GT 4ドアクーペは、メルセデス[…]
- 1
- 2


























